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セグウェイPT「i2」
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10月20日、日本SGI株式会社は、立ち乗り式2輪電動車「セグウェイ・パーソナル・トランスポーター」の国内正規総販売代理店になり、同日から法人向け販売を開始すると発表した。現在、日本国内では道路交通法上、セグウェイの公道での使用は許可されていないが、法人需要をターゲットとして、工場や物流倉庫、警備、レジャーなどの領域で展開していく。
「セグウェイ」は2001年12月に発表された立ち乗り電動二輪車。一人乗りで、搭乗者は平行して配置された2輪の間に渡された板の上に立つ。前進後退あるいは加速減速は体重移動によって行なわれ、ハンドルにはブレーキもアクセルもない。
発明家のディーン・カーメン(Dean Kamen)氏によって開発され、米国SEGWAYから販売されている。発表当時は謎めいたプロモーションや著名人による絶賛コメントが話題を呼び、「世紀の発明」と呼ばれた。2005年11月16日に行なわれた日米首脳会談のときには、ブッシュ大統領が小泉総理大臣(当時)にプレゼントしたことでも知られている。
現在、世界での累計販売台数は25,000台。うち半分が北米で売られている。
発表当時のモデルは方向転換するときにはハンドル部分をひねる必要があったが、2006年9月に発表された新型になってからは、方向転換もハンドルを倒すだけで可能になった。極めて直感的に操作できることが大きな特徴の乗り物である。制御ソフトウェアのバグによるリコール問題もあったが、現在対応中だという。
セグウェイ独特の操作とバランスを支えるのが5つのジャイロスコープと2つの傾斜センサを使った独自のバランスシステムだ。これには住友精密工業株式会社とイギリスのBAE Systemsの合弁企業であるシリコンセンシングシステムズが開発した、コリオリの力を応用した振動式ジャイロが使われている。
販売される「Segway PT : i2」は最高速度は時速20km。重量は47.7kg。リチウムイオンバッテリを搭載し、連続走行距離は40km弱。
本体価格は、882,500円(税込み価格:926,625円)。同時に、三井住友海上から「Segway保険」も提供され、利用のためには保険料67,500円(初年度分)が別途必要となり、合計95万円として提供される。オフロードモデルである「x2」も同額。オプションとして倉庫内業務のカーゴ向けパッケージや、ゴルフ向けパッケージがあり、こちらは近日発売予定となっている。
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大きなホイールのなかにそれぞれモーターが入っていて独立に動く
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実際に乗るプレート。前のほうに足を置くと操作しやすい
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新型になってハンドルを倒すだけで旋回できるようになった
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ハンドルに取り付けられているインフォキー。Bluetooth内蔵のキーになっている
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インフォキーを取り外したところ
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ボディに貼られた注意書き。アメリカ製品らしい文言
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充電用コネクタ。本体下部にはリチウムイオンバッテリを2個搭載。バッテリは取り外して充電も可能
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日本SGI代表取締役社長の和泉法夫氏は、「セグウェイを発明したディーン・カーメンは、SGIのジム・クラークと通じるところがある」と述べ、スーパーコンピューターを扱う同社がなぜセグウェイを扱うかという理由から説明を始めた。
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日本SGI代表取締役社長の和泉法夫氏
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発明したディーン・カーメン氏
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二重化されたCPUや5つのジャイロセンサーなどを搭載したセグウェイは「ITの権化」と言えるという。セグウェイに位置情報サービスや音声認識、画像認識技術などを組みこむことで新たな付加価値を付けたインターフェイスとしていくことも狙う。
また、日本SGIでは2000年以降、これまでにもレスキューロボットの開発を電通大などと共同で進めており、今後もロボットの領域でビジネスを展開していく予定。セグウェイとの提携は、その一環であるという。今後は、広い敷地を持つ事業者による利用のほか、構造改革特区などでの活用も狙っていく。
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日本SGIの歴史
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日本SGIのロボット事業。セグウェイはこの一環として位置づけられている
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日本SGIの産学連携
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記者会見に同席したSEGWAY CEOのジェームス・ノロッド(James Norrod)氏は、自分にプレゼンテーションの順番がまわってくると、おもむろに立ち上がり、壁に立てかけてあったセグウェイに乗った。そして終始、セグウェイに乗ったまま自在に移動しながらプレゼンテーションを行なった。
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【動画】セグウェイに乗って登場するジェームス・ノロッド氏
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【動画】セグウェイに乗ったままプレゼンテーションするノロッド氏
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まずノロッド氏はアジア地域での流通の様子を紹介した。アクション俳優・監督として日本でも名高いジャッキー・チェン氏が広く販売業務を行なっているという。チェン氏はセグウェイのことを非常に気に入っており、マレーシアのある島では、ガソリン車を使わずセグウェイだけを交通機関とするといった活動を行なっているそうだ。
このほか、軍事分野における活用として、有害物質処理班での利用風景や、セグウェイの技術を活用しているリモートコントロール可能な無人タイプ、NASAやシドニー大学でのロボット用プラットフォームとしての活用例などを示した。
また商業的な利用としては米国Amazonでの倉庫内利用や、緊急医療部隊での利用、ゴルフ場での活用、セグウェイを使った観光客向けツアーなどを紹介した。観光客ツアーは既に100以上の展開例があり、また、ゴルフカートよりもセグウェイのほうが芝には優しいのだそうだ。ノロッド氏は特にゴルフ場での活用を気に入っている様子だった。
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セグウェイのバリエーション
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ジャッキー・チェン氏らによるアジアでの展開
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小泉総理が乗って話題になったことも
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セグウェイの軍事利用
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ロボットのプラットフォームとしても使われている
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倉庫などで民間で使われている様子
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街中での様子
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ゴルフ場での利用
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アジア地域での展開。世界中では42のディストリビューター、240のディーラーがある
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国内でのセグウェイ販売戦略については、日本SGI戦略事業推進本部長 執行役員の大塚寛氏が説明した。大塚氏は「理屈ぬきで楽しい乗り物であることが最大の特徴」とセグウェイを形容した。以前は個人が買っていたが、公道を走ることができなかったので広がりがなかった。しかしビジネス市場で本格的に展開していくことで、これまでとは違った展開が考えられるという。
日本SGIでは今後、ディーラー制により、日本市場をディーラー企業と協力して作っていく。そのために、保守サービスの提供と、保険の徹底化を行なっていくという。また、産学連携による大学とのコラボレーションを進めたり特区申請などにも積極的に取り組むことで、付加価値をたかめていこうと考えていると述べた。
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日本SGI戦略事業推進本部長 執行役員 大塚寛氏
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同社の販売方針
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展開例。特区も視野に入っている
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販売の仕組み
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現在、正規販売代理店は2社
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現在、ディーラーとして日本SGIと正規販売代理店契約を結んでいるのは、ビジュアルテクノロジー株式会社と株式会社クレセント/イングリッシュロビンの2社。初年度目標販売台数は2,500台。
なお、個人への販売については、現段階では走れる場所が限定されることから「段階的に進めていく」と述べた。現在、アメリカでは45の州でセグウェイの走行が認められており、カナダ、ドイツでは認可されたばかり。これらの海外事例を背景に、安全で環境にやさしい乗り物であることを行政にもアピールしていくという。
会見終了後には記者・一般を対象として試乗会が恵比寿ガーデンプレイス内で行なわれ、20名あまりの記者たちがセグウェイに試乗した。みな最初は若干とまどい気味ではあるものの、ものの数分の間に乗りこなしてしまっていた。特に撮影に時間がかかるテレビ局スタッフは、長時間乗っている間に完全に馴れていく様子が目に見えて分かった。
筆者も試乗したが、グルグルと走っているうちに、自分自身があっという間に馴れていく感覚に驚いた。馴れるに従って次第に余計な力も抜けていくので、ますます何も考えなくても操れるようになる。しかもその間は、ものの2、3分程度である。「誰でも乗れる」という宣伝文句は伊達ではなかった。
セグウェイは街角でついうっかり誰かの足を踏んだりしても大丈夫なようにバランスするようになっているという。実際に踏んでみろというのでノロッド氏自身の足にセグウェイで乗り上げてみた。あとで自分自身でも体験してみたが、確かに重量はある程度感じるが、完全に乗り上げられても痛みなどはなかった。
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【動画】記者たちの試乗会の様子
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【動画】敢えて段差に乗り上げてみせるノロッド氏
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日本SGI社長の和泉法夫氏も乗りこなしていた
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■URL
日本SGI
http://www.sgi.co.jp/
ニュースリリース
http://www.sgi.co.jp/newsroom/press_releases/2006/oct/segway.html
SEGWAY
http://www.segway.com/
( 森山和道 )
2006/10/20 20:01
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