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洗浄業界のロボット技術

~2006洗浄総合展ほか開催中

 10月11日~13日の日程で東京ビッグサイトにて、「2006洗浄総合展」、「2006土壌地下水環境展」、「2006産学官技術交流フェア」、「パテントソリューションフェア2006」が開催されている。ロボット技術には関係なさそうな展示会だが、「2006洗浄総合展」には洗浄ロボットが出展されていた。

 ダンダクトジャパンが出展していたのが、ダクト内を監視・清掃するロボット清掃システム。「インスペクションロボット」は奥行き22cm、幅19cm、高さ11cm。重量3kg。前方と後方にそれぞれカメラを備え、リモートコントロールで操縦できるロボットだ。

 「マルチクリーニングロボット」はエアダクトを清掃するための多目的対応型クリーニングロボットシステム。回転ブラシのついたアームを持ち、ダクトを清掃していく。重さは重いタイプで21kgあり、圧縮空気のホースやコーティングケーブルを30m程度引っ張ることもできるという。

 もちろんロボット単独で清掃を行なうわけではなく、他の機器などと組み合わせた一連のシステムとして活用されているそうだ。実際の納入台数などは教えてもらえなかったが当初の予想よりも引き合いがあるという。


【動画】マルチクリーニングロボットとインスペクションロボット インスペクションロボット

ロボットによるダクト清掃の様子を透明アクリルで紹介している 他の機器と連携してダクト内を清掃する

 川本工業株式会社は「エアコン洗浄ロボット」を出展している。オフィスやコンビニエンスストアなど、法人向けのエアコンが対象だ。天井に埋めこまれているエアコンを掃除するロボットである。ミリ単位に制御された超高水圧でエアコンのなかを掃除していく。洗浄時間はおよそ一基につき26分程度。

 掃除すると匂いや衛生面でも効果があるが、電気代にも大きな差が出てくるそうだ。一般的なオフィスで3年に一度程度、人の出入りが多いコンビニやスポーツジムの脱衣室ほかでは1年に一度程度、エアコンを清掃すると、電気消費量に2割も差が出てくるという。

 価格のほうはリースならば月に7万円程度。エアコン掃除は通常一件3万円~35,000円で請け負っている業者が多いので、月に2回掃除をすれば元が取れる計算になる。しかし清掃業界も価格競争が激しく、なかなか厳しいのが現実だそうだ。

 ただし、ロボットは一度セットすれば、ほったらかしで大丈夫なので、通常3人一組で行なう清掃業務の人手を減らせることは確実だそうだ。


エアコン洗浄ロボット 天井に埋め込まれたエアコンにノズルを突っ込んで掃除する

【動画】動作の様子 コントロールユニット

 このほか洗浄総合展では、多関節アームを使った汎用の洗浄ロボットなども出展されていた。


除草用ロボット
 また、同時開催されている「2006産学官技術交流フェア」では、千葉大学 産学連携・知的財産機構が「農薬やアイガモ農法に代わる除草用小型ロボット」を出展している。現在、企業パートナーを求めているところだという。

 このロボットは78.5cm×78.5cm、高さが85cm。2サイクルのガソリンエンジンで駆動し、重さは9.8kg。無線で遠隔操縦ができる。無旋回で前後左右に移動ができ、土質によって攪拌深さを調節することが出来、雑草の根を絶つことができるそうだ。

 いずれも地味なロボットだが、実用分野におけるロボット技術活用も本格的に始まりつつある。ロボット技術は、まずは既存の道具を少しだけ知的にしたような機械から、徐々に浸透していくのだろう。


URL
  2006洗浄総合展
  http://www.nikkan.co.jp/eve/06senjyo/index.html
  2006産学官技術交流フェア
  http://www.nikkan.co.jp/eve/06sangakukan/


( 森山和道 )
2006/10/12 00:31

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