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現在開発中のワイヤレスモジュールを搭載した近藤科学のヒューマノイドロボット「KHR-2HV」のデモンストレーション。モジュールは2007年の第1四半期には登場する見込み
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近藤科学のヒューマノイドロボット「KHR-2HV」がワイヤレス通信に対応できるようになる。9月14日に開催されたフリースケール・セミコンダクタ・ジャパンの総合技術展において、ワイヤレス通信モジュールを搭載した「KHR-2HV」のデモンストレーションが行なわれた。
これは、杉原エス・イー・アイ製の2.4GHz無線モジュール「SUC-M100」によって双方向での高速ワイヤレス操作を可能にするもの。無線モジュールには、フリースケールが開発したIEEE 802.15.4準拠(ファームウェアアップデートによりZigBee規格にも対応)のRFトランシーバ「MC13192」を採用しており、最大250kbps(無線部)/115.2kbps(シリアル部)でのワイヤレス通信が可能だ。
このモジュールにより、従来、有線シリアルで転送していたKHR-2HVのモーション教示機能(ロボットの手足などの動作取り込み)がワイヤレスで設定できる。また、加速度センサ、ジャイロセンサや、バッテリの充電情報などもワイヤレスでPC側で取得してモニタリングできるようになり、リモートブレインを実現できる。
杉原エス・イー・アイの北爪隆行氏(システム開発部 システム開発2課リーダー)によれば、「現状ではロボットからのセンシング情報を数値データとして取り込んでいるが、アプリケーションを開発すれば、これらの情報をベースに、トレースなどもできるようになる」という。
また、ZigBee規格に本格対応するようになれば、1対nの通信(理論的に65,000個のメッシュ構造が可能)でセンサネットワークを構築できるため、将来的には一体のロボットだけでなく、多数のロボットを協調させた動作が可能になるかもしれない。まだ先の話になるだろうが、多数のKHR-2HVが半自律的に動いて、サッカー競技を行なうことも、もはや夢の話ではないようだ。
このワイヤレスモジュールは2007年の第1四半期には登場する見込みだ。価格については現時点では未定となっている。
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ワイヤレス送受信モジュール。2.4GHz無線モジュール「SUC-M100」によって、双方向での高速ワイヤレス操作を可能にする
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デモンストレーション用にカスタマイズしたGUIソフトウェア。モーションのコマンドメニューをクリックすると、無線通信でKHR-2HVが動作する
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【動画】ワイヤレス通信によるリモートでの操作その1。KHR-2HVに側転の動作をさせるデモ。これだけ見ると通常のモーションと変わらないが、PCから無線経由で操作している
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■URL
杉原エス・イー・アイ
http://www.ssei.co.jp/
近藤科学
http://www.kondo-robot.com/
( 井上猛雄 )
2006/09/15 15:37
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