株式会社日立製作所 機械研究所は12日、同社のサービスロボット「EMIEW」に、人混みの中でも移動が可能になる技術を搭載したことを発表した。14日より岡山大学で開催される「第24回日本ロボット学会学術講演会」で発表する。
ロボットが移動中に複数の人間とすれ違うようなケースでも、人の間を縫って移動が可能になる技術。ロボットと人の共生を目指すうえで、固定された障害物だけでなく、人間など移動する障害物を検出、回避する機能が必要とされ、開発された。
人の感性に合わせてすれ違うことが可能とされており、人の位置と速度から動きを検出し、人間の周りに一定の距離をもった円を想定する。この円の外周に接するような、最短距離を選びながらロボットは移動する。これにより、人がロボットとすれ違う際に違和感がなくなるという。
障害物の検出にはレーザー測距センサーを使い、毎秒40回のスキャンを行なうことで障害物を認識する。また、人間が歩行速度を途中で変えたり、新たな障害物の発生などに対処するため、障害物の検出、道筋の再作成を0.5秒ごとに繰り返すことで、刻々と変化する状況に対処ができる。なお、0.5秒という時間は、人が一歩に要する時間と同じとされ、人の動きに追随しやすいという。
同社では実際にこれらの機能を使って実験を行ない、8mの経路のなかで、最大1.2m/secで歩く4人の人間の間を、ロボットが0.8m/secで移動しながらすれ違うことに成功したという。
なお、この機能を搭載したEMIEWは、10月23日より、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開催される自動車技術の国際会議「FISITA 2006 World Automotive Congress Yokohama」で実施される予定。
■URL
日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/
ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2006/09/0912c.html
FISITA 2006
http://www.fisita2006.com/
【2006年3月6日】日立、ヒューマノイドロボットEMIEWによるホテルショーを開催(PC)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0306/hitachi.htm
【2005年3月15日】日立、6km/hで動作する倒立2輪ロボット「EMIEW」(PC)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0315/hitachi.htm
( 清宮信志 )
2006/09/13 15:07
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