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第21回マイクロマウス中部地区初級者大会が開催


 9月3日、第21回マイクロマウス中部地区初級者大会が名古屋工学院専門学校で開催された。

 マイクロマウスとは、マイコンやセンサーを内蔵した自律型ロボットが、独力で迷路を探索し、通過に要する最短時間を競う競技である。日本では、'80年より全日本マイクロマウス大会が毎年開催されている、ロボット競技会としては、草分け的な存在だ。

 現在の全日本マイクロマウス大会は、マイクロマウス競技のみならず、ラインに沿って走行しそのスピードを競う「ロボトレース競技」、迷路内に置かれた円筒を見つけて上下逆さまにし、その円筒の多さを競う「マイクロクリッパー競技」の他、小中学生を対象とした工作教室・競技会等も併催する総合的なロボット競技会となっている。

 マイクロマウス競技で使用される迷路は、16×16区画(1区画180mm)の通路で構成されている。ロボットは左隅からスタートし、ゴールとなる中央の4区間をめざす。持ち時間7分で、5回挑戦できる。走行時間がもっとも短いタイムがそのマウスの成績となる。

 マイクロマウスはロボットの自律性が高いため、競技の難易度は高い。競技会の歴史も長いため、初心者がいきなり本戦に参加するのはハードルが高いといえる。また、フィールドも3×3mと大きいため、自宅での本テストを行なうことはなかなかできない。

 そのため、学生が夏休み中に製作したマウスを披露し、初級者が大会を経験すること。かつ、中部地区のマイクロマウス技術アップを狙いとして、毎年9月に実施されているのが今大会だ。

 本大会に比べて、ルールは初心者向けに緩やかに設定されており、今大会では持ち時間10分、電池交換可となっていた。


迷路の壁は高さ50mm、幅12mmで側面は白、上面は赤。路面は黒で塗装されいる 競技会前の最終調整風景

 迷路は、大会当日に公開されるため、マウスはスタート時点では、自分が走行するべきルートを知らない。そのため、1回目の走行は迷路を調べながらゴールへ向かう。この走行を「探索走行」という。

 ゴール後、マウスが停止すれば、審査員に申請してマウスをスタート地点へ戻すことができる。マウスによっては、帰り道を探索しながら、スタート地点へ自律で戻る場合もある。

 探索走行を無事に終えたら、ここからがいよいよマウス競技の本領となる。

 ゴールに到達するルートは複数存在する。距離は短いが曲がり角が多いルートや、直線が多いルートなどがあるのだ。そのため、マウスは、探索走行でチェックした迷路パターンの中から、自分が最速で走ることができるルートを計算して、ゴールを目指して走行する。

 と、言葉で説明しても、競技を見たことのない方にはピンとこないかもしれない。今大会優勝マウスの動画を紹介する。


【動画】探索走行の後に最速走行をするカムカム カムカム(製作者:中村恵也)

 今回は、17体のエントリーがあり、11体のマウスが完走した。結果は下記の通り。

・優勝:カムカム(製作者:中村恵也) time:0'06"082
・準優勝:こじまうす2(小島宏一) time:0'06"838
・準々優勝:テッツー(渡部哲也) time:0'07"131


【動画】第26回マイクロマウス2005全日本大会 エキスパート クラス優勝「BR3」
 この中部地区初級者大会を皮切りとして、2006年マイクロマウスシーズンが始まる。10月~11月には各地で地方予選があり、11月24日(金)~26日(日)に、山形県長井市で第27回全日本マイクロマウス大会が開催される。

 参考までに第26回マイクロマウス2005全日本大会 エキスパート クラス優勝マウスの走りを紹介しよう。

 この数年、優勝は海外勢に奪われている。今年は日本勢の活躍を期待したい。

 なお、その他の種目の結果は以下の通り。

●ロボトレース競技
・優勝:Tiny-star(桑迫真広) time:11"938
・準優勝:kaku102(長松健司) time:16"709
・準々優勝:ペラリン(菊池徹) time:18"438

●支部サーキット
・優勝:こじまうす2(小島宏一) time:11"972
・準優勝:こてつ1号(今井義弥) time:12"652
・準々優勝:カムカム(中村恵也) time:14"133


URL
  財団法人 ニューテクノロジー振興財団
  http://www.robomedia.org/index.html
  第21回マイクロマウス中部地区初級者大会結果
  http://www.robot-fan.net/modules/smartsection/item.php?itemid=86


( 三月兎 )
2006/09/05 00:09

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