8月4日、株式会社プロダクション・アイジー(プロダクションI.G)と日産自動車株式会社は、プロダクションI.Gが製作するアニメーションシリーズ「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」の劇中に、日産のコンセプトカーを登場させると発表し、記者発表を行なった。自動車メーカーがこのような形でアニメ作品に参画するのは世界でもあまり例のない試みだという。
また、このコラボレーションを記念して、銀座にある日産ギャラリー内で特別展「攻殻機動隊S.A.C. meets NISSAN」展を開催する。
作品中に登場する車の1つであり、国内初公開となる日産「スポーツコンセプト」の実車展示ほか、コラボレーションの説明パネルや原画、コンテなどが展示、本編予告編が上映される。日程は8月5日(土)~8月14日(月)。開場時間は10時~20時。
「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」は、士郎正宗氏原作のSFアニメーション作品最新作。コンピュータ技術やロボット技術が発展した西暦2034年を舞台に「公安9課」の活躍を描く作品だ。同作は「スカイパーフェクTV!」で9月1日に放映されたあと、11月24日には、バンダイビジュアルからDVDとしてリリースされる予定。攻殻機動隊S.A.C.シリーズは、国内だけでDVD 150万本以上を売り上げているという。
作品中に登場するコンセプトカーは「スポーツコンセプト」とインフィニティ「クラーザ」の2車種。
特別展会場で開かれた記者発表会では「スポーツコンセプト」の前で、日産自動車のチーフデザイナー 中島敬氏、プロダクションI.G代表取締役社長の石川光久氏、そして「攻殻機動隊S.A.C.」監督の神山健治氏がトークセッションを行なった。司会は、プロダクションI.Gの社外監査役を務めている東京大学大学院教授の浜野保樹氏。
【お詫びと訂正】初出時、日産自動車 中島氏のお名前を間違って掲載しておりました。お詫びとともに訂正させていただきます。
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日産のチーフデザイナー 中島敬氏
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プロダクションI.G代表取締役社長 石川光久氏
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「攻殻機動隊S.A.C.」監督 神山健治氏
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会場となる銀座・日産ギャラリー
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今回のコラボレーションは、もともと、ある展覧会の二次会で、I.Gの石川氏と日産の若手デザイナーたちが知り合ったことから始まったという。また現在の若手デザイナーはもともとアニメーション作品から大きな影響を受けているそうで、日産の中島氏は「これからもバーチャルな世界に刺激を受けて新しいものを作っていきたい」と語った。
また、神山氏は以前から「S.A.C.」のなかで、本来不可視のものである「情報の疾走」を、アニメのなかで可視化した表現の1つとして、車で走るシーンを意識して多用していたという。
今回のコラボレーションでは、実際に原寸大の車のデータをエクステリア、インテリア双方にわたって取り込んで製作したそうで、このような製作手法がアニメで取られたことは珍しいという。
なお、「スポーツコンセプト」は作中では主要登場人物の1人、トグサが乗る車として登場する。劇中では前輪駆動の車という設定で、実際の車らしい動きを表現したという。
また、テールランプの点滅や、スタートボタンを押すシーンが、演出の吉原正行氏のこだわりだそうだ。
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劇中に登場する「スポーツコンセプト」
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フロント
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リア
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劇中ではトグサの愛車として活躍するという
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スポーツコンセプトの運転席
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運転席に収まり興味津々の神山監督
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記者会見では、タチコマ型のロボットも登場した。
タチコマは「攻殻機動隊S.A.C.」中に登場する人工知能搭載の完全自律型ロボット。ユーモラスな動きや言動でファンの間では熱烈な人気を誇っている。
今回製作されたロボットは脚1つに3自由度、全体で19自由度を持ち、四つ足で歩行する。腕やカメラ部分、胴体後方部分なども可動する。実際の声優に吹き込まれた声で音声出力を行なう。
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【動画】タチコマロボット。会場で簡単なトークを披露した
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製作にあたったロボガレージの高橋智隆氏(写真右)とバンダイビジュアル株式会社の国崎久徳氏
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製作者は、京都大学ベンチャー・ロボガレージの高橋智隆氏。バンダイビジュアル株式会社 第1プロデュースグループ アシスタントゼネラルマネージャー プロデューサーの国崎久徳氏の熱意で実現したそうで、今後、プロモーションなどに登場させていくという。たとえば、タチコマロボットを使ったミニ実写作品なども検討されているそうだ。
現時点では、残念ながら発売予定はないそうだが、今後に期待したい。
なおタチコマロボットは、8月19日、20日に幕張メッセで開催されるキャラホビ2006で出展され、声優の玉川紗己子氏とタチコマロボットとのかけあいなどが予定されているという。
【お詫びと訂正】初出時、高橋氏のお名前を誤って記述しておりました。お詫びとともに訂正させていただきます。
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発売の予定はいまのところ無い
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全身で19自由度を持つ。内訳は、脚各3×4、眼球(正面)×2、眼球(側面)各1×2、腕各1×2、ポッド接合部×1。サーボはJR製
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重量は約1kg
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タチコマの裏側
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後部のタンクにCPUボードやスピーカなどを搭載している。ボードはヴイストンから発売されている「Robovie-i」と同じもの
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■URL
日産
http://www.nissan.co.jp/
コラボレーションページ
http://www2.nissan.co.jp/EVENT/KOUKAKU/top.html
バンダイビジュアル
http://www.bandaivisual.co.jp/
プロダクションI.G
http://www.production-ig.co.jp/
C3×HOBBY キャラホビ2006
http://www.chara-hobby.com/
( 森山和道 )
2006/08/04 22:03
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