川崎重工業株式会社は、地雷探知・除去車両「BULLDOGシステム」の実証実験を7月よりカンボジアで開始する。
BULLDOGシステムは、地雷探知車「MINE DOG」(マインドッグ)、対人地雷除去車「MINE BULL」(マインブル)と、遠隔操縦操作装置で構成されるシステム。
MINE DOGは8チャンネルの地雷探知センサーや、可視カメラにより地雷探知を行なう地雷探知車。8チャンネル地雷探知センサーは、地面の凹凸に合わせて自動的に上下し、地中内部の対人地雷、不発弾を探知。可視カメラで散布地雷の探索や、わな線の探知などを行なう。探知センサーからの情報は独自のソフトウェアで解析され、対人地雷や不発弾、地中の空洞、岩石などが正確に識別可能という。
MINE BULLは、車体前方に高速掘削ドラムを搭載。地面を掘削しながら対人地雷を爆破処理する。掘削深度モニターや遠隔制御装置、GPSアンテナ、経路監視カメラなどにより、掘削や走行時の精度を向上させている。また、永久磁石プーリィ、鉄片回収バケットなどを備え、対人地雷爆破後に発生した鉄片などを回収、爆破確認作業を効率化する。
いずれの車両も、カンボジアでの活動を前提とし、草木対応の機能や軟弱地盤での走行機能が付加されているほか、MINE BULLには粘着土壌に対応するため、付着土除去ブラシが追加されている。
川崎重工では、6月にMINEBULLをカンボジアに投入、7月より同国シェムリアップの地雷原にて地雷除去試験を開始。8月にはMINEDOGを投入して、10月から性能試験を開始する予定。
BULLDOGシステムは、日本政府による無償資金協力事業の一環として、すでに2004-2005年にアフガニスタンで実証実験を行なっている。今回はアフガニスタンでの実験結果をうけて、改良を加え、さらにカンボジアの植生や土壌、地形に適合したシステムを開発することを目的とし、同地の実地雷原において、地雷除去等の実験を行なう。
■URL
川崎重工
http://www.khi.co.jp/
ニュースリリース
http://www.khi.co.jp/khi_news/2006data/c3060621-1.htm
( 清宮信志 )
2006/06/23 17:30
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