6月14日、株式会社ビルドアップは、「ハイクオリティ・スーツ“パンダ”」のマスコミ向けスチル・ムービー撮影用デモを狛江市の多摩川河川敷で行なった。
このパンダスーツは従来の着ぐるみよりも優れた表現を可能にするスーツ。一部TV番組で使用され、注目を集めていた。
頭部に仕込まれたサーボモーターで表情を表現できるほか、肉の厚みや自重を表現するインナー部分と毛皮のアウター部分を分離したことで「まるで本物のようなボディ」を実現するもの。
着ぐるみの中に入るスーツアクターは、筋肉の動きや厚みを表現するための、ウレタン製インナーマッスルスーツを着用した上で、ハリウッド映画やテーマパークで用いられているナショナルファイバー製の高級ボア(毛材)毛皮を装着する。
スーツ頭部の目、耳、口など各パーツには合計14個の小型サーボモーターを内蔵しており、外部から3台のプロポによるラジコン操作で動かすことで表情を出す。軸構成は、耳に各1(左右で計2)、眼球に各2(計4)、左右上下のまぶたに各1(計4)、口に1、上下唇部分に各1、首に2自由度。
スーツアクターはグラストロンを着用。外部の様子は従来のような覗き穴ではなく、スーツ頭部(額)に搭載された小型CCDカメラからの画像をグラストロンで見ることで視認する。これにより、自然な演技ができるようになったとしている。
制作費は1,000万円。半分が毛皮代だという。
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ハイクオリティ・スーツ「パンダ」
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頭部内部に14個のサーボモーターを内蔵している
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額中央にCCDカメラを搭載。ここからの画像を中のアクターはグラストロンで見ている
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手のひら
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デモの様子を写真と動画でご紹介する。残念ながら頭部内部やインナーマッスルスーツの撮影は特許出願中とのことで許可されなかった。
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毛並みを整えられるパンダ
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偶然とおりかかった散歩中の犬に出会う
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【動画】吠えられる
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河川敷へ移動中のパンダ
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手を引かれて移動中
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パンダ後ろ姿。本物のパンダよりも毛並みが綺麗
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パンダ立ち姿
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転がるパンダ
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【動画】ゴロゴロするパンダ
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【動画】顔の動き(1) 【動画】顔の動き(2)目が回る
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顔は3人がかりでプロポで操縦されている
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【動画】敢えて手のグローブだけ外してもらった
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同社では今年6月から、法人向けにレンタルを行なっている。システム一式の基本レンタル料金は雑誌・出版用途が30万円、イベント用途などが40万円、広告スチル用途が100万円、CM出演では200万円となっている(いずれも最大10時間までの金額)。
なお、今回パンダを選んだのは、こうした着ぐるみの要望としてもっとも多いものだからだという。次に多いのが宇宙服、そしてクマ。そのため、次回は宇宙服のリアル造形スーツを製作する予定だという。
■URL
ビルドアップ
http://www.buildup.co.jp/
ニュースリリース
http://www.buildup.co.jp/suits/
( 森山和道 )
2006/06/15 01:05
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