「ロボカップジャパンオープン2009大阪」開催

~2mオーバーの巨大二足歩行ロボットから手のひらに乗る小型ロボットまで


 2009年5月8日(金)~10日(日)の日程で、「ロボカップジャパンオープン2009大阪」が開催された。今年の会場は大阪府・京セラドーム大阪。フィールドにマットを敷いた状態で、ロボカップジュニアも含めたすべての競技が一面に配置されたため、観客は各リーグ間を積極的に移動しながら観戦することができたようだ。もっとも、最終日になると午後のほぼ同じ時間帯に各リーグの決勝が組まれてしまうので、どのリーグを見に行こうか迷ってしまう日程になっていたのは残念だった。

大阪ドームのフィールド全面に広がったロボカップ。ベンチの類がないため、内野席が一部開放されていた同じ会場ではロボファイト9も行なわれていた。レポートはこちら
パンフレットは折り曲げると六角形になるもの。いくつかのリーグは対戦スケジュール表も掲載されていた「Team OSAKA」の中心的存在だったヴイストン社は今回物販スペースの他にロボット組み立て講習会を開催。3日間で述べ190体以上のロボットが送り出されたという

ヒューマノイドリーグ

 2003年に結成以来、ヒューマノイドリーグでいわば“絶対王者”として君臨していた「Team OSAKA」が不参加となったことで、自動的に新王者誕生が約束された今回。高さが30cm以上60cm未満のロボットで争われる【キッズサイズ】には6チーム、同100cm以上180cm以下のロボットによる【ティーンサイズ】には4チームが参加した。

 会期の前半では、主に試合ではなくサッカーにつながる技術的な課題をクリアする競技「テクニカルチャレンジ」が両サイズで行なわれた。

 【キッズサイズ】はフィールドに置かれたボールを頭の後ろまで持ち上げ、投げる“スローイン”、ランダムに置かれた障害物を回避しながらドリブルでボールを持ち込んでシュートする“障害物回避”、2機が障害物を挟んでパス交換しながら最後にシュートする“ダブルパス”という3つを制限時間25分以内にこなす、という課題が設定された。

 ほとんどのチームが制限時間内に成功することができなかったが、昨年も好成績を収めていた「CIT Brains」(千葉工業大学)は“障害物回避”で1位タイム、“ダブルパス”は唯一の成功チームとなり、“スローイン”でも2位の飛距離を記録して総合1位を獲得した。昨年初参加した企業のロボットサークルという社会人チーム「波道」が今年も参加していたが、“スローイン”で「CIT Brains」をしのぐ距離を記録して1位になるなど活躍を見せ、2位に入った。

 【ティーンサイズ】では、身長210cmという「HAJIME TEAM」(関西学院大学・はじめ研究所)の「はじめロボット33号機」が大注目を集めた。本来の規定では180cm以下とされているのだが、ルールの例外規定(ロボットの重心位置に関わるもの)があり、それを満たした上で参加が可能になったという。制作者の坂本元氏はいろいろな人に「大きいですね」と聞かれるたびに「昔からガンダムを作るのが夢ですから、身長18mに比べればまだまだです」といった趣旨の答えを返していた。

 「HAJIME TEAM」は決して見かけ倒しというわけではなく、この超大型機をしっかりと動かし、テクニカルチャレンジの“フットレース(徒競走)”で4mを片道24秒で歩ききった。“スローイン”でボールを持ち上げるところまでの中間ポイントを獲得したほか、成績こそ残らなかったが“障害物回避ドリブル”にもチャレンジ。2位に入った。

 【ティーンサイズ】のテクニカルチャレンジを制したのは、【キッズサイズ】と同じく「CIT Brains」。“スローイン”でボールを投げ、“障害物回避ドリブル”でもペナルティエリアまで達して中間ポイントを獲得。“フットレース”では往復8mを36秒で参加ロボット中唯一のクリアを記録した。

【動画】【ティーンサイズ】のテクニカルチャレンジ、“障害物回避ドリブル”にチャレンジした「STEPKIT」(金沢工業大学)。1歩目で倒れてしまう【動画】【ティーンサイズ】のテクニカルチャレンジ“フットレース”の「CIT Brains」と「HAJIME TEAM」巨大な「はじめロボット33号機」を整備する坂本元氏

 会期後半は、【キッズサイズ】で3on3のサッカー対戦、【ティーンサイズ】で“ドリブル&キック”の競技が行なわれた。

 3on3では、テクニカルチャレンジで好成績を残した「CIT Brains」がBブロックを2勝で通過。同リーグとなっていた「波道」は「CIT Brains」に0-5で負けたものの、「DU-HRC」(大同大学)に2-0で勝利し、2位で準決勝に進んだ。もう一方のAブロックでは、全試合が(消極的な)引き分けで終わり、PKのタイム勝負でも決着が付かず、最終的に抽選で「JEAP」(大阪大学)が1位、「夢考房SltiK」(金沢工業大学)が2位で準決勝に進んだ。

 そんな状態だけに、決勝の顔合わせは調子のいい動きを見せていた「CIT Brains」対「波道」のリベンジマッチという形に。どちらのロボットもフィールド上を積極的に動く試合となり、ボールもよく動いたが、ボールに寄せる速度の差が大きく、「CIT Brains」が5-0のスコアで初優勝した。

 「波道」チームからは、「実力は出せた」と、現時点では満足というコメントがあった一方、「相手より先にボールは見つけても、自分たちがたどり着く前に相手が寄せてしまうことが多くて……」と、ロボットの性能部分での差に残念さを見せていた。KHR-1HVベースだった昨年とは異なり、今年のロボットは近藤科学製のKRS-40xxを組み合わせた汎用フレーム(ROBO-ONE界ではおなじみの、イトーレイネツ製だ)を組み合わせた機体に変更されている。動きの安定度がだいぶ向上したようだ。

 「CIT Brains」の林原靖男氏は初優勝に喜びを見せながらも、「Team OSAKAに出てきてほしかった」と残念そうにコメント。「やっぱり、居ると居ないとでは燃え方が違いますから。また出てきてほしい」と呼びかけていた。

【動画】3on3決勝「CIT Brains」対「波道」【動画】【ティーンサイズ】の“ドリブル&キック”「CIT Brains」対「HAJIME TEAM」。時間切れとなったが、角度のないところからあきらめていない動きは驚き【動画】【ティーンサイズ】の“ドリブル&キック”「CIT Brains」対「HAJIME TEAM」。こちらは見事に成功
【動画】「HAJIME TEAM」のはじめロボット33号機はシュートを決めることはできなかった「CIT Brains」は機体の損傷を防ぐために緩衝材を各所に組み込んでいる。また、軽量化のため、大きな板金パーツの中にはマグネシウム製のものもあるという「波道」のロボットは市販パーツを組み合わせてパン/チルト機構を実現
イトーレイネツ製パーツを組み合わせた「波道」の足部分【キッズサイズ】【ティーンサイズ】の二冠を達成した「CIT Brains」チーム

小型機リーグ

 小型機リーグでは、従来からの「直径18cm、車輪型」のロボットによる対戦の他に、サブリーグとして「ヒト型」の機体を使用した「SSL Humanoid」が開催された。これは昨年のジャパンオープンでエキシビションとして公開されたもので、一見すると全く別のリーグのように見えるのだが、フィールド全体を上から見下ろすグローバルビジョンを使用し、戦略などロボットが“考える”部分はリモートブレイン(PC)に任せているなど、小型機リーグのシステム上で“選手”が「ヒト型」に変わったものと考えると、同一リーグなのも納得がいくだろう。

 「車輪型」の試合は、この大会までにジャパンオープンを3連覇している「RoboDragons」(愛知県立大学)が中心となった展開に。緒戦の「KIKS」(豊田工業高等専門学校)戦を8-0と完封勝ちすると、その後「Owaribito-CU」(中部大学)戦、「ODENS」(大阪電気通信大学)戦、「fWing207」(電気通信大学)戦と3試合をすべて10-0で勝利。実績通りの力を見せつける。決勝では「KIKS」に1点を奪われたものの、5点を取って快勝。目標である世界大会の優勝に向けて、順調な調整ぶりがうかがえた。

 4チームがエントリーした「ヒト型」の試合では、その「RoboDragons」が準備不足でしっかりと動かすことができないという。ここで強さを発揮したのが、3月に「SSL Humanoid」をにらんだプレ大会を主催した豊田高専の「KIKS」である。同じプレ大会に参加していた「ODENS++」(大阪電気通信大学、大阪府立工業高等専門学校)も寄せ付けず、3戦全勝で優勝した。

 グローバルビジョンのためのシステムには費用がかかるものの、市販の比較的安価なロボットを“選手”として使用できるため、全体的なコストはこれまでの車輪型ロボットよりも低く抑えることができるという、「SSL Humanoid」。PCを胴体内に積み込む必要があるヒューマノイドリーグよりも手軽で、プラットフォームが指定されているSPL(スタンダード・プラットフォーム・リーグ)よりも自由度や工夫の余地もある。今後の展開が楽しみだ。

【動画】小型リーグ【車輪型】決勝戦「RoboDragons」対「KIKS」【動画】今大会の「SSL Humanoid」の試合の中で、一番ボールが動いた戦いだろう、「KIKS」対「ODENS++」「SSL Humanoid」のコートサイズは、ちょうど【車輪型】の半分(手前側)

中型機リーグ

 中型機リーグは6チームが参加。サッカーのリーグ戦+トーナメントと、技術的課題を設けた“テクニカルチャレンジ”が行なわれた。

 リーグ戦は「Hibikino-Musashi」(九州工業大学、北九州市立大学、北九州産業学術推進機構)が、世界大会で好成績を収めている実力そのままに、5戦5勝、失点0という圧勝でトーナメントに進み、そのまま決勝に進出する。どのチームが王者「Hibikino-Musashi」に対抗できるかが焦点となったが、決勝でぶつかったのは、リーグ戦の緒戦で0-2と惜敗した「WinKIT」(金沢工業大学)。リーグ戦も2位で通過しており、文字通りの頂上決戦となる。

 試合は「WinKIT」が「Hibikino-Musashi」からこの大会初の得点を奪ったが、「Hibikino-Musashi」のほうはリーグ戦を上回る5得点を記録。結局5-1で「Hibikino-Musashi」が2連覇を飾った。

 テクニカルチャレンジは、フィールド内にランダムに置かれた異なる柄のサッカーボール3種類を指定されたゴールに入れるというもの。ただし、事前にボールを登録できるわけではなく、5秒間だけ見せられるボールの特徴をロボットが記憶して探さなければならないという。しかもボールは普通に人間が使う、白に模様のあるボールが含まれる(試合で使用するボールは判別しやすいオレンジ色)。ボールの特徴をつかみ、壁やフィールドのラインと同じ色のボールを見つけ出すのはかなり難しいという。

 そんなテクニカルチャレンジで優勝したのは「Team KCT」(北九州工業高等専門学校)。サッカーではチームメイトである兄貴分の「Hibikino-Musashi」を上回るポイントを獲得し、こちらも2連覇となった。

 今大会では6チームのうち4チームが色なしゴール(白いゴール)に対応しており、本大会に近い条件で行なわれる試合が増えた。ロボカップサッカーの中では、最終到達地点(2050年に人間のワールドチャンピオンチームと試合をして勝利する)を現時点で最も意識させてくれるリーグだけに、目に見えるステップアップがあるのは期待感を高めてくれる。一方、実際に人間と試合を行なったエキシビションマッチなどを見ると、2050年はまだまだ遠い未来なのかなと思わせられた。

中型ロボットリーグ決勝戦「Hibikino-Musashi」対「WinKIT」AIBOで台車を操作していた「KOOGEI-RV」(東京工芸大学)の機体。効率は良くないはずだが、観客の人気はトップクラス【動画】「Hibikino-Musashi」のテクニカルチャレンジ、成功と失敗2つ
【動画】「Team KCT」のテクニカルチャレンジ。これが最後のトライで、シュートは成功しなかったがそれまでの成功と合わせたポイントで上回った【動画】対人間のエキシビションマッチ【動画】元サッカー日本代表であり、現セレッソ大阪アンバサダーの森島寛晃氏をゲストに迎えてボール遊びのデモ。子供たちとロボットのPK対決も行なわれた

シミュレーションリーグ

 PC内の仮想空間で“エージェント”と呼ばれる選手が試合を行なうシミュレーションリーグ。平面上のマップで戦う【2D】に13チーム、立体的なフィールドが表示される画面で戦う【3D】に5チームが参加した。

 【2D】では、昨年までに3連覇していた「HERIOS」(産業技術総合研究所)が、今年も予選で10戦10勝という圧倒的なパフォーマンスを発揮。一方、昨年準優勝だった「Fifty-Storms」(芝浦工業大学)は予選初日から負け越すなど苦しい戦いが続き、決勝トーナメント1回戦で「TDUThinkingAnts」(東京電機大学)に1-2で敗退した。

 決勝トーナメントでも「HERIOS」の勢いは全く衰えず、「Ri-one」(立命館大学)に1点、決勝戦で「NCL」(東洋大学)に1点を許しただけで、全試合に勝利。ジャパンオープン4連覇を果たした。

 【3D】は今年からSPLで採用されている「Nao」をモデリングしたエージェントを使用してプレーが行なわれていた。予選リーグ1位(3勝1分け)の「opuCI_3D」(大阪府立大学)と2位(3勝1敗)の「FUT-K」(福井工業大学)という顔合わせとなった決勝戦は最終的にスコアレスドローとなり、最後はゴールラインとセンターラインのあいだの歩行時間を計測するというダッシュ勝負で「FUT-K」が勝利した。手違いで試合用のPCの能力が非常に低いものになってしまったということで、かなりスローな試合映像にしか見られなかったのは残念だった。

 シミュレーションリーグのサブリーグとして行なわれている「Mixed Reality(マイクロロボット)リーグ」は、4チームが参加。実体を持ったエージェントとして使用されているシチズン製の超小型ロボット「Eco-Be!」は今回小型化し、フィールドが大きくなったこともあって、よりサッカーらしい“ボールが動く”試合が見られるようになった。これまでのジャパンオープンでは「Eco-Be!」は基本的に非売品とされていたが、今回は大学などの研究機関向けと限定しているものの、販売されている旨の掲示があった。フィールドが場所を取らないことを考えても、ロボカップの中で参加しやすいリーグの1つだと思うので、今後も注目していきたい。

【動画】最初が【2D】の決勝トーナメント準決勝「HERIOS」対「TDUThinkingAnts」。次が敗者復活戦トーナメントの「opuCI_2D」対「NCL」【動画】【3D】の「opuCI_3D」対「NomoFC」(大阪大学)。実機のSPLの動画と比較するとリアルさがわかる。バランスを崩して倒れることも【動画】「Mixed Reality(マイクロロボット)リーグ」、青がブラジルの「BahiaMR」(Bahia State University)、黄色が「Fukui United」(福井工業大学、福井工業高等専門学校)

四足ロボットリーグ

 2006年に生産が終了し、それを受けてリーグの終了も予告されていた四足ロボットリーグだが、今年も4チームが参加してリーグ戦が行なわれた。

 チーム数が減ったため、今年は予選リーグで各チームが2回ずつ対戦した。予選トップは6戦5勝の「FC Twaves」(東海大学)。優勝をかけた大一番に進むため、予選2位と3位で戦った順位決定戦では「BabyTigersDASH」(大阪市立大学・龍谷大学)が「Jolly Pochie」(東北大学)を破った。

 決勝では、予選で2戦して2-3、0-2と一度も勝てなかった「BabyTigersDASH」が、この決勝の大舞台に来て3-2と勝利した。

 日本から「Asura-fit」(福岡工業大学)、アメリカから「SpelBots」(Spelman College)という2チームのみが参加したSPLは、「Nao」の熟成が進んでいないこともあって3日間で5試合行ないながら数えるほどしかボールに触れられないという状態。すべての試合が引き分けとなり、今後に期待するしかない結果となった。AIBOをプラットフォームとして開発し始めた頃は“突撃系”の機体を作って試合をすることもできたと言うが、はるかに動きが悪いためにそれもできず、現状ではお手上げだという。

 すでに世界大会では「Nao」を利用したSPLが始まっているが、今年の世界大会でも四足ロボットリーグのエキシビションマッチが予定されている(日本からもチームが出るという)ということなので、もう少し、AIBOたちのかわいい姿を見ることができそうだ。

【動画】決勝戦前半。青チーム「FC Twaves」対赤チーム「BabyTigersDASH」。両チームともにAIBO同士がぶつかる音が響く激しい戦い。おなかの下にボールを通す“ウミガメ”は盛り上がった【動画】決勝戦後半。勝ち越しゴールの場面などは、人間のサッカーのような抜け方(?)
【動画】「DEN-INU」(東京電機大学)の機体によるハーフタイムショー(?)。他の大学にはないオリジナリティの高い愉快な動き【動画】「Nao」の試合動画。顔の動きを見ると、一番近くの機体はボールを見つけているのはわかるが、他の機体は見つけていないようだ

ロボカップレスキュー

 人工知能研究の流れをくんでサッカー競技を行なう“ロボカップサッカー”とは違い、そこで進化したロボット技術を災害時の人命救助に活かせないかという目的で始められた、ロボカップレスキュー。実機を使う「レスキューロボットリーグ」と、PC上の災害をシミュレートする「レスキューシミュレーションリーグ」が開催された。

 今回新設された天井が低い部分には、棒状のものが突き出している箇所がある。これは2004年の新潟県中越地震に派遣されたレスキューロボットが実際に出会った障害物で、遠近感が掴みにくく、人間が見るよりもずっと難しいのだという。そういった新たな障害が加えられたフィールドで、どれだけ多くのヴィクティム(要救助者)を、位置や状態を正確に把握して探索することができるかという競技が行なわれた。

 予選1回目からトップを走ったのが、自律ロボットと手動ロボットの2機体制で挑んだ「SHINOBI」(電気通信大学 松野・長谷川研究室)。55ポイント(2位は27ポイント)でスタートすると、2回目で47.5ポイント、3回目は56ポイントを記録し、2位「G-TAN」(東北大学 田所研究室)を大きくリードして決勝に進んだ。

 決勝でも「SHINOBI」は順調に稼働し、1回目こそ53.75ポイントで2位スタートとなったが、2回目では103ポイントという高得点をたたき出し、圧勝。2位には決勝1回目で56.35ポイントを出して一時トップに立ったタイの「BART LAB Rescue」(Center for Biomedical and Robotic Technology Faculty of Engineering, Mahidol University)が入った。

 「SHINOBI」の手動ロボットは機体の姿勢が変わってもカメラやセンサーを水平に保つ機構があるほか、機体の姿勢も感知し、PC上でモニタリングできるようになっていた。また、操縦にiphoneの使用を試みていたが、これを今後、ロボットのカメラ映像を手元に表示して、より直感的に操作できるようなシステムに進化させていければ、とコメントしてくれた。

 レスキューシミュレーションリーグでは、昨年、強豪イランに続く2位だった「SUNTORI」(名古屋大学大学院)が実力通りに予選からトップを守り、優勝した。

【動画】「SHINOBI」の競技スタートから途中までの動画。走破性が高く、素早くフィールドの奥までたどり着くことができる「SHINOBI」のコントローラーだったiPhone「SHINOBI」の自動ロボットはマップも自動生成していた。これがそのプリントアウト
タイから参加した「BART LAB Rescue」(Center for Biomedical and Robotic Technology Faculty of Engineering, Mahidol University)【動画】レスキューシミュレーションで優勝した「SUNTORI」の競技。解説はありがたい

世界大会はオーストリア・グラーツ

 ジャパンオープンは世界大会に向けた前哨戦という意味合いもある。各リーグの有力チームが、6月29日~7月5日にオーストリア・グラーツで開催されるロボカップ2009世界大会で活躍することを祈りたい。



(梓 みきお)

2009/6/3 00:00