海洋楽研究所「リアルな魚ロボット製作合宿」レポート

~38時間かけて完成! ゴミから生まれた可愛い魚たち


 12月19~20日、静岡県静岡市葵区南沼上公民館で、海洋楽研究所の魚ロボット製作合宿が開催された。小学生からシニアまで14組の参加者が、ペットボトルや下敷き、梱包材などの廃材を持ち寄り、思い思いの魚ロボットを作った。

 合宿の講師を勤めたのは、海洋楽研究所の所長である林正道さん。本誌でも、林さんが製作した水中ロボットを紹介してきた。これらのロボットは、林さんが8年あまり試行錯誤を続けて完成させたオリジナル(特許出願済)だ。

 林さんが作ったウミガメやジンベイザメをTVやネットで見たことがある人は、どれもこれも本物そっくりに生き生きと泳ぐようすに驚いただろう。このリアルで可愛いロボット達が、ペットボトルや下敷き、梱包材などの廃材を加工して作られていると聞けば「ほんとうに?」と驚いてしまう。

 林さんは、これまでに約50種類の魚ロボットを作り、各地を回って、海や川に棲む生き物の素晴らしさや命と自然の大切さを伝えてきた。その傍らで、近所の子ども達にロボットの作り方を教えていたという。最近は、TVやイベントで林さんの魚ロボットを見た多く人から「作り方を教えて欲しい」という要望がたくさん届くようになったそうだ。そうした熱意に応え、今回の合宿が実現した。

 11月中旬にサイトで合宿の告知をしたところ、わずか3日間で1,480名の申込みがあり、慌てて募集を締め切ったそうだ。先着順で選ばれた参加者は、来年創立30年周年を迎える石神井ラジコンボートクラブ(SRBC)のメンバーや四日市ウミガメ保存会、中学や高校の先生、お孫さんへのプレゼントを自作したい男性など多彩な顔ぶれだった。本稿では、残念ながら参加できなかった人達のために、海洋楽研究所の魚ロボットの秘密をレポートしたい。

イルカ、シャチタイプの泳ぎ方を説明する林正道氏(海洋楽研究所 所長)ロボット製作前に見本をよく観察する参加者達会場となった南沼上公民館(静岡県静岡市葵区)

設計図もマニュアルもなし。見本をよーく観察して、製作開始!

 今回の合宿は、参加者が事前に自分の作りたい魚を林さんに伝えていた。各自が写真を持参したり、作りたい魚を横・前・上・下から見た図を描いてきたり、フィギュアやペーパークラフトを用意していた。林さんも、合宿のためにカメ、サカナ、シャチ・イルカ、マンボウのフレームサンプルを用意していた。ちなみに参加者に与えられた資料は、この実物サンプルと林さんの口伝と目の前で見せる実技だけだ。

カメ、マンタ、マンボウの解説図カメのサーボ配置【動画】シャチ・イルカタイプサーボ配置
魚のサーボ配置。シャチ・イルカタイプと比べると尾びれを跳ね上げるサーボがないマンボウのサーボ配置参加者が用意したマンボウの資料

 ロボット製作をするにあたり、設計図もマニュアルもない。サーボを連結するフレームは、林さんのサンプルを見て、現物合わせで大体の長さにアルミ材を切り、ねじ穴をあける。穴の位置もサーボホーンを見ながら決めて、センターポンチも打たずにいきなりドリルで貫通していた。

 サーボとサーボを直結する時は、サーボの耳をニッパーで切り落とし、コンクリに擦りつけて平らにする。「ヤスリより早いよ。表面がざらざらになるから、両面テープがつきやすいし」と林さんは笑いながら、説明した。

 なぜここで両面テープかというと、サーボとフレーム、またはサーボ同士を直接連結する時に、両面テープが活躍するからだ。サーボ同士を両面テープで接着したら、ビニールテープで縦横にぐるぐる撒きにして連結終了。サーボとフレームの固定もビニールテープだ。ビニールテープは熱だれするため、最後にガムテープで巻いておくのが秘伝だという。

 こうしてテープで固定すると、どんなにガチガチに巻いても剛性はでない。これが林さんのロボットが生きもののように柔らかく動く秘密だという。フレームとネジでしっかり固定してしまっては、あの微妙な動きにはならないそうだ。

 カメの前ビレや、各種サカナの首フレームにも秘密がある。首のピッチ軸と頭ヨー軸の接続は、アルミフレームを捻っている。この角度がポイントだ。目の前のサンプルを見ても、どう捻ったらいいのか分からずに困っている参加者の代わりに、林さんはクイックイッと2度捻ってフレームを作っていた。

サーボの耳を切り落とすサーボの耳を取ったら、コンクリで擦ってバリを取る現物合わせでフレームを作成

 各ロボットの頭と、カメやマンタのボディ部分はスタイロフォームで切り出す。カメのボディは胸部分とお尻の方では厚みが違う。マンタは体を大きく動かす泳ぎを再現するために、上半身と下半身でベースを分けてフレームで連結している。スタイロフォームはサーボやバッテリを搭載する部分を削るが、最終的に全体の重心バランスが取れるように配置を検討する必要がある。

 ロボットの骨格に該当する構造ができたら、浮力調整と前後左右のバランスをとるために重しを配置する。重しには廃棄物の鉛パイプを利用した。金バサミで切った鉛を、ガンガン叩いて平らにする。この重しを、サカナやイルカタイプはサーボの左右や隙間に鉛を詰めていく。

 カメやマンタ、マンボウはスタイロフォームに重し用のスペースを作って埋め込んだ。重しのバランスが悪いと、水の中で体が左右のどちらかに傾いでしまったり、頭が重ければ水底を覗きっぱなしになったりして、キレイに泳ぐことができない。どこがバランスの中心なるのかは、サカナの泳ぎ方によって違う。本物の泳ぎを知らなければ決めることができないから、今回は全て林さんがチェックしていた。

 これでようやく内部構造が完成だ。朝9時にスタートして、この時点で16時を過ぎていた。

【動画】ヨー軸とピッチ軸を連結するためのねじれフレーム作成【動画】スタイロフォームを削ってボディの土台を作るヘッドは3Dで切り出し、サーボ部分をくりぬく
ケーブルの接続をチェック【動画】魚タイプのフレームが完成し、動作テストバランス用の重り(鉛)を叩いて平らにする
【動画】前後左右上下のバランスが取れているか、電源をいれた状態で確認する【動画】シャチフレームに重りをつけた状態で稼動テスト。重りが干渉していないことをチェックする。OKなら、ビニールテープで固定

外装は、ゴムシートの梱包材で包み、綿を入れる

 外装は、梱包材として使われているゴムシートだ。ぬいぐるみの要領で3D裁断したシートを、天然ゴムで接着して立体の外装を作って構造をくるむ。その後、綿を入れて全体の形を整える。最後にヒレや、カメの甲羅をつけるという工程だ。

 ロボットの種類もサイズも形もまちまちだから、型紙は林さんが全て手書きしていった。マンタやマンボウ、ジンベイザメはフレームよりも一回り大きなシルエットで切り出すので、比較的簡単だ。

 サカナ、イルカ類は、最初に尾びれを作る。ボディの型紙はアジの開きのような形だ。

 カメはボディを丸い型紙2枚包み、頭は立体の袋を作ってかぶせる。首を長方形の生地でくるりと巻いて頭とボディを接続する。そして最後に腹甲と甲羅でくるむ。カメは他の種類と比べて一番工程が多く、時間が掛かる。

外装のゴムシート。ウェットスーツを作る際にでる廃棄物イルカタイプの型紙。ボディはアジの開きのように作る。魚タイプは尾の角度が違うため、尾の部分の切り込み形状が変わるカメの外装はパーツが多い。甲羅の中にアンテナを巻いていれ、尻尾にコネクタを出す
型紙はひとつひとつ林さんの手書きマンタの型紙。ヒレの点線部分に下敷き製のフレームが入るカメのボディの型紙。他に頭、ヒレ、甲羅、腹甲、首と多くのパーツが必要

 尾びれや胸びれは、下敷きでベースを作って2枚のシートで挟んでいる。尾びれは弾性に変化をつけるために、根もとは3枚重ね、1/3位が2枚、先端は1枚と厚みを変えるのがポイントだ。素材に使うのが下敷きかビデオケースにするかでも、重ね方が変わってくる。

 ちなみに胸びれや背びれは、モーターが入っていない。型紙の一部に下敷きを入れて、ボディの動きに合わせて、自然にひらひらと揺れてバランサーの役目をする。以前、林さんがシーラカンスを作った時は、全てのヒレにモーターをつけたそうだ。「そんなの、必要ないよね。本物の魚だって、全部のヒレを筋肉で動かしたら疲れちゃうよ」と林さんは笑いながら説明した。何度も何度も作り、体験から判ったことだという。

 ゴムシートの接着には、天然ゴムを使う。接着したい面に天然ゴムを塗り、ドライヤーで温めてゴムを溶かす。天然ゴムが透明になったら、接着して指で圧を加えるとゴムが溶着する。2枚貼り合わせた断面にも天然ゴムを塗り温めてから、シートの厚みをつまんでいくと、滑らかな断面が出来上がる。カメの頭やボディのような立体部分は、断面と断面に天然ゴムを塗って溶着していく。

 ドライヤーをあてて天然ゴムが透明になると、乾いてしまったような気がするのか、溶けきる前に接着しようと焦って作業する人が多かった。こうなるとうまく接着できなかったからと、天然ゴムを追加してもムダだ。天然ゴムを薄く塗って、しっかり暖めて溶かし、すばやく圧着するのがコツだ。

 ゴムの外装ができたら、フレームにかぶせて全体に綿を入れていく。綿を入れないと、水に入れた時に水圧でペシャンコになってしまうからだ。この辺りの作業は、ぬいぐるみ手芸のようだった。

尾びれは、下敷きなどを部分的に3層に重ね弾性を変化させている。【動画】ゴムシートと下敷きに天然ゴムを塗ってドライヤーで暖めてから、溶着する。透明になるまで溶かすのがポイント魚タイプなどは、型紙通りに切ったら断面に天然ゴムを塗りつまんで接着する
尾びれとボディを接着【動画】外装がついたら、稼動状況を確認するシャチの背びれと胸びれ。内側の三日月部分に下敷きが入る
【動画】カメのヒレの接着。天然ゴムを塗り、ドライヤーで暖めて溶着する【動画】カメの頭。3Dの外装を作るのは難しい【動画】カメに甲羅をつける。リアリティを追求する時は、甲羅部分を3枚重ねて厚みをつける
マンタやマンボウタイプは、ゴムシートの全面に天然ゴムを塗り、ボディパーツを挟んで接着ヒレと目がついたマンボウヒレがついたシャチ

天然ゴムに水性ペンキを混ぜて塗装

天然ゴムを下塗りしたシャチ

 外装ができあがり色塗りに取りかかったのは、22時を回っていた。普段はとっくに眠る時間の子ども達は、両親公認で夜更かしができることもあって、テンションをあげてはしゃぎまくっていた。

 さて色塗りだが、ロボットにいきなり色を塗るわけではない。まずは、下塗りだ。天然ゴムを全体に塗って、乾かす。これはゴムシートの補強と塗料の発色を助ける意味がある。

 下地処理が済んだら、ベースになる色を3重塗りにする。天然ゴムは水溶性なので、水に入れると溶け出してしまう。ところが、天然ゴムに水性塗料を混ぜると、耐水性になるそうだ。そこで、天然ゴムと水性塗料を2:1の割合で混ぜて色を調合し塗っていく。この時、塗料が多すぎると弾性がなくなってしまい、ロボットを動かす時にバリバリとひび割れが入ってしまう。林さんは何度も試作を繰り返して、この最適な割合を見つけたそうだ。塗っては乾かし塗っては乾かし、丁寧に時間を掛けて作業する。

 作業の早い人達が、ベースの塗りに取りかかったのは、0時を過ぎていた。朝の9時から合宿がスタートし、ほとんど休憩も取らずにここまでやってきた。昼も夜も、近くのコンビニでお弁当を調達してきて、各自が作業の合間をみつけて食べるのが精一杯だった。

 ちなみに参加者は、寝袋持参で合宿に参加していた。塗料を乾かすのに30分程度かかるので、その合間に仮眠を取るためだ。寝袋がない筆者は、ここで一旦、帰宅した。

 翌朝、7時半に合宿所に戻ると、下塗りを終えたロボットが、本塗りの段階に入っていた。カラフルなマンボウや、ホウボウ、背中に水玉が並んでいるジンベイザメなどは塗装に手間暇が掛かる。

 一見、白黒でシンプルに見えるシャチも、素材のゴムが黒いため、腹側の白を薄く何度も重ねなければならないので大変だったようだ。お腹にシャチの名の由来となったサカマタを描き、背中にも白と薄いグレイで模様を入れる。

 イルカは背中のブルーグレイから腹の白へのグラデーションが難しい。尾びれの裏側は、背中と同じ色なので、尾びれから腹に掛けて、V字状に自然なグラデーションとなるように、丁寧に重ね塗りをしていた。

 塗装の段階も、一番手間暇がかかるのは、カメだ。カメは、林さんが作っても4日間かかるという。今回は林さんのリアルバージョンと比較すると、ディティールをかなり簡略化しているが、作業量は他のロボットに比べて格段に多い。カメは甲羅やヒレに、頭や首など細部にまで模様が入っていているからだ。ベースの色が乾いた後、甲羅の色を重ねて塗り、塗料が乾かないうちにすかさず爪楊枝で模様を刻んでいく。こうするとベースの色が上手い具合に覗いてくれる。

 腹甲はもちろん、ヒレの裏表も頭も首も同様に色を塗っては模様を掘る。ヒレの付け根と首は、動かした時の皺を表現するために、横に細かい線を描く。模様の中に甲羅の色より濃い色をポンポンと置くように塗っていくと、カメらしくなる。

 下塗りを始める時に、各ロボットにはぬいぐるみ用の目玉を貼り付けておいた。この目玉にも塗料を塗っておき、全塗装が終わったら目を開ける。目玉の上の塗料を爪楊枝で穴を開けて上下に広げてやると、ちょうどまぶたを開けたようになった。目が開くとカメやイルカの表情が、途端に生き生きとしてくる。

 ここまで来るとようやく完成が見えてきた。サカナ系のロボットは口元にコネクタを出しているので、それを覆うような形で、口を作る。ゴムシートを口の型に切り、内側をピンクに塗りって、ボディに貼り付ける。ボディの塗装同様、下塗り・ベース・腹色と塗り重ねた。

 生き物を再現しようとするのだから、細部までこだわろうと思えば、どこまでも手を掛けることができる。カメの甲羅にフジツボを載せたり、シャチの口にたくさんの歯を生やしたり、拘れば拘るほど本物らしくなる。参加者達は、どこで「よし!」と決めるか、時計を見ながらギリギリまで作業を続けていた。

塗っては乾かし、塗っては乾かしの繰りかえし四日市ウミガメ保存会は、もちろんウミガメを製作。下塗りを丁寧に重ねていたSRBCの宮本さんはジンベイザメに挑戦。仕上げに背中の模様を丁寧に描きこんだ
マンボウをカラフルに塗装する林さん親子。マンボウは子どもの頃はミドリ色だという腹側のグラデーションに拘る村松さん親子。何度も塗り重ねて、ドライヤーで急速乾燥【動画】カメのヒレの付け根や首などの可動部には、細かい横皺を入れてリアリティを出す。塗装が乾く前に素早く作業する

生まれたばかりのロボットを初放流

 公民館の裏に3mプールを設営し、15時から近所に住む人たちの前で完成したばかりのロボットを披露した。製作途中で何度も動作確認しているとはいえ、本当に泳ぐかどうかは、水の中に入れてみるまでは判らない。みんなが期待と緊張でドキドキしながらプールを取り囲んでいた。

完成した魚ロボットやカメロボット泳がせる前に「できたぞーーー!」と記念撮影3mプールを設営して、泳がせた

 一番バッターで、山下さん親子のホウボウが登場した。送信機のアンテナを伸ばし、ロボットの電源を入れみんなが見守る中で、ホウボウを水に放った。緊張の一瞬。無事に浮いたホウボウが、水の中で泳ぎ始めた瞬間、大きな歓声と拍手が湧いた。

 アカウミガメ、アオウミガメ、イルカ、シャチ、ジンベイザメ、マンボウ。生まれたばかりのロボット達が、次々と泳いだ。体を右に傾むけて左の胸ビレで観客に愛想を振るシャチや、水底に沈んで静かに泳ぐマンボウ、頭を上げてジタバタと泳ぎの練習をするカメ。クルクルと回転しながら、泳ぎ回るイルカ。ロボットが、個性的な動きを見せるたびに参加者と見学者から「可愛いーっ。超かわいいよぉー」と声があがった。

 泳ぎ回るロボットを見て参加者も大喜びだったが、一番、喜んでいたのは、講師の林さんだった。今までは林さんが一人でやっているステージに、たくさんの助手が誕生したわけだ。「今日は、たくさんの仲間ができて嬉しいよぉ。みんな、この魚たちを大勢の人に見せてあげて。そして、本物はもっともっと100倍も可愛いんだよって、いろんな人に伝えてほしい」と、2日間の合宿を締めくくった。

【動画】山下さん親子のホウボウ、初放流。ちゃんと水に浮いて泳いだ瞬間、みんなから喜びの声があがる【動画】林さん親子のカラフル・マンボウはちょっと重かったようで、沈みながら泳いでいた【動画】注射器で空気を入れて、浮力を調節したカラフル・マンボウ。ちゃんと泳げるようになった
【動画】佐塚さん親子のカメは「タートル君」。ヒレをパタパタしてちゃんと泳いだ。首を上げるようすが可愛い【動画】すいすいと気持ちよさそうに泳ぐ村松さん親子のバンドウイルカ【動画】久保田さん親子のシャチ。塗装中に背びれの下敷きが折れてしまい心配していたが、ちゃんと泳げた
花木さんのカメSRBCの渡部さんはクジラを製作上田ご夫妻は、シャチを作った
【動画】複数のカメやシャチが同時にプールの中を泳ぎ回る。林所長一人の時にはできなかったデモンストレーションだ

 ハードなスケジュールながら、非常に楽しい2日間だった。正直、材料が廃材であることよりも、大雑把な工作過程に驚いた。電子工作をしたことがある人が林さんの作業風景を見たら、目を丸くするだろう。配線ケーブルは歯で噛んで皮膜を剥くし、アルミフレームは、両手に持ったラジオペンチでクニャッリと曲げる。そもそもパーツの固定が両面テープとビニールテープ、ガムテープだ。率直に言って、剛性もないし、メンテナンス性も悪い。

 林さん自身には「ロボットを作っている」という意識がないのだろうと思う。林さんが作りたいのは、あくまでも“生きもの”だというのを感じた。ロボットだったら、設計図通りに何体でも同じものを作ることができる。でも生きものは、同じカメは絶対にいない。同じアカウミガメであっても、大きさも形も色も泳ぎ方も、全て違っていて当然だ。生きものだから、それが当たり前なのだ。

 合宿の間、林さんが繰り返し言っていた言葉は「よーく見てね」だった。マニュアルに沿って作るのではなく、自分の目で見て、考えて、工夫すること。もの作りをする上で一番大切なことを、林さんが何度も何度も繰り返し、参加者に伝えていたのが印象的だった。



(三月兎)

2009/12/24 22:10