「ロボティクスTOWN小倉」開催
~北九州市小倉の繁華街に北九州市のロボットが大集合
3月28日(土)~29日(日)、北九州市小倉北区の繁華街で「ロボティクスTOWN小倉」(主催:ロボティクスTOWN小倉実行委員会)が開催され、地元北九州市の多数のロボットが登場した。
ロボティクスTOWNとは、北九州市のロボットを市民にもっとよく知ってもらうために北九州市が行なっている活動であり、今回は「小倉さくらまつり」のイベントの1つとして実施された。
今回のロボティクスTOWN小倉は、北九州市・北九州産業学術推進機構(FAIS)ロボット開発支援室といったロボット開発に関係した団体だけではなく、北九州商工会議所や小倉中央商業連合会などの幅広い団体が参加して行なわれた、大規模なロボットイベントである。
ロボティクスTOWN小倉の会場は、「JR小倉駅JAM広場」「リバーウォーク北九州」「小倉井筒屋屋上」「小倉井筒屋クロスロード」「勝山公園」の5カ所。いずれも人の集まる場所だ。
これには北九州市のロボットを北九州市民に強くアピールするために、北九州市で一番の繁華街を選んで実施された意味合いがあり、実際小倉さくらまつりに訪れた数多くの市民が足を止めてロボットを見物していた。
JR小倉駅前にある小倉祇園太鼓の銅像。右奥に会場の1つとなったリバーウォーク北九州が見える | 小倉さくらまつりのゲート | 小倉城と桜。当日は桜が満開だった |
勝山公園で開催された「小倉BQ食KING!」。小倉焼きうどんや富士宮やきそばなど、日本各地からB級グルメが集まった | 勝山公園に設置されたセグウェイ体験会場 | イベント会場の端に設置されたためか、人は少なめだった |
●ASIMOも登場した、メイン会場のJR小倉駅JAM広場
ロボティクスTOWN小倉のメイン会場となったのが、JR小倉駅にあるJAM広場。九州各地のミニ物産展などのイベントも開催される場所だ。
JAM広場には安川電機のスマートパルをはじめとするロボットたちが集まり、また時間を決めてロボットたちがパフォーマンスを披露した。
JAM広場の1日目の土曜日は開会式が行なわれ、来賓の挨拶の後、テムザック4も参加したくす玉割が行なわれた。
そして1番観客を集めたのが、2日目の日曜日に行なわれたホンダのASIMOショーだ。さすがに知名度があるだけにショーが始まる前から多数の人がステージ前に集まり、熱心にASIMOのショーを見ていた。
ショーは「家庭にASIMOが導入された未来」という設定で、ASIMOが家族からメールを受信し、自分で判断して家庭内のお手伝いをする内容。サッカーやダンス、トレイを運んでくるパフォーマンスを披露。観客から歓声が上がっていた。
ASIMOのショーを見に集まった人 | 【動画】踊るASIMO | 【動画】トレイを運ぶASIMO |
人越しにASIMOの姿を | 北九州モノレールとASIMO | ASIMOは家族からメールを受信できるという設定になっていた |
家族からのメールを受けてダンスを覚えるASIMO | サッカーをするASIMO |
●Hibikino-Musashiとロボスクエアが参加したリバーウォーク北九州会場
リバーウォーク北九州は、北九州市小倉にある、地元では有名な商業施設だ。特徴のあるデザインの建物で知られ、多くの買い物客を集めている。
ここでは、ロボカップ中型リーグで何度も優勝しているHibikino-Musashiのパフォーマンスと、福岡市から出張してきたロボスクエアによるロボットショーが行なわれた。
Hibikino-Musashiは小さなコートを作り、サッカーロボットの紹介をしていた。
ロボスクエアはi-SOBOTやROBONOVA-Iによるショーを提供。やはり人型のロボットは人気があるようでショーが始まると多くの買い物客が集まってきていた。
小倉城とリバーウォーク北九州 | リバーウォーク内の会場。普段は小さな噴水が買い物客を楽しませている場所だ | Hibikino-Musashiはコートを作ってサッカーロボットの紹介を |
ロボスクエアによるROBONOVA-Iのショー | ショーが始まると人が集まってきた | リバーウォーク会場で販売されていたマサノヴァ・アートのストラップ。電子部品をリサイクルしたものだ |
●小倉井筒屋屋上では、鯛ロボットとロボカップジュニアサッカーロボットが活躍
井筒屋は地元福岡県の老舗デパートとして知られている。同じ小倉にあるコレット井筒屋のオープンの時には、安川電機のスマートパルが参加して盛り上げに一役買ったこともある。
今回のロボティクスTOWN小倉では、小倉井筒屋本館屋上、それに小倉井筒屋本館と新館の間にあるクロスロードを会場として提供した。
井筒屋小倉店 | 井筒屋小倉店屋上会場 |
井筒屋屋上のメインとなったのは、北九州市立大学山本郁夫研究室で開発された鯛ロボットだ。
デパートの屋上に水槽を持ち込み、その中で鯛ロボットを泳がせた。本物の鯛とのそっくりぶりが話題となっていただけに、ここでも多くの人を集めていた。
【動画】泳ぐ鯛ロボット | 泳ぐ鯛ロボットを見る子供たち |
フランスのチャンネル5のスタッフに鯛ロボットの説明をする山本郁夫教授 | 井筒屋のマークと鯛ロボット。どこかシュールな光景だ |
また北九州市内ロボカップ会がロボカップジュニアサッカーのロボットを紹介。特設テントの中でプログラミング体験や、サッカーロボットの対戦などを実施していた。
北九州市ロボカップ会のテント。黒尽くめで怪しいが、中は「磁気・外光の外乱もなく快適」だったとのこと | 中で行なわれていたプログラミング教室 | サッカーロボットの対戦 |
キットヒットの会話ロボット「たねちゃん」 | キットヒットが開発中の窓ガラススピーカー |
●街角で援竜も動いた、クロスロード会場
クロスロードは小倉井筒屋本館と新館の間を通っている道路で、紫川にかかる橋を渡って小倉城やリバーウォーク北九州に行くことができる。
ここで2日目の日曜日だけ、テムザックのT-53援竜が動き、操作体験をすることもできた。デパートの前で大型レスキューロボットが動くことだけでもすごいのだが、そんな場所で操作体験ができるというのは極めて珍しいことではないだろうか。
井筒屋の本館と新館の間にあるクロスロード | 1日目は静態展示のみだったT-53援竜 | ポーズを取るT-53援竜 |
【動画】援竜の操作体験 | T-53援竜が動き出すと、人々が集まってきた | 操作体験はドラム缶のアームでの移動 |
操作体験を後ろから |
今回のロボティクスTOWN小倉は、特に新しいロボットが出ていたわけではないが、「多数のロボットを小倉の繁華街で一般市民に向けて公開する」という試みは大胆なものだと思う。
ロボットを出展した側も一般市民との接触で大いに刺激を受けたようで、今回のロボティクスTOWN小倉いろいろな意味で刺激的なイベントだったと言えるだろう。
2009/5/25 14:40