最新技術とソリューションを提供する専門技術展「TECHNO-FRONTIER 2009」が開催

~ロボット関連技術も目白押し


【写真1】幕張メッセ で開催された「TECHNO-FRONTIER 2009」。幅広い産業で活躍する設計開発技術者を対象とするイベントだ

 4月15日(水)から17日(金)の3日間、幕張メッセにおいて「TECHNO-FRONTIER 2009」(テクノフロンティア 2009)が開催された【写真1】。主催は社団法人 日本能率協会。本イベントは、あらゆる産業の設計開発者、生産技術者、関連専門家を対象に、最新技術情報と課題解決手法を提供する専門技術展である。会期中には、さまざまなシンポジウムも催され、それらを総称してTECHNO-FRONTIERと呼んでいる。

 本展示会は「あらゆる産業」と銘打つとおり、モータ技術、ボード・コンピュータ、電源・バッテリ、熱対策、R&D・生産技術、電子・機械部品洗浄技術、EMC・ノイズ対策など、幅広い分野を網羅している。ここでは本誌に関連が深いロボットや機械要素部品などを中心に、「モータ技術展」「モーション・エンジニアリング展」「メカトロニクス制御技術展」から、ユニークな製品をピックアップしてレポートしよう。

サーボモータを中心とした技術でロボットを制御

 まず目に付いたのは、ロボット用のモータで有名なマクソンジャパンだ。このブースでは、同社の高性能モータが採用されている米航空宇宙局(NASA)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙探査ロボット(模型)【写真2】【写真3】や、ヴイストンのハイエンドサーボモータ「V-SERVO」を利用した二足歩行ロボット【写真4】などが並べられていた。主力製品である各種サーボモータのデモ展示【動画1】はもちろんのこと、ギア付およびエンコーダ内蔵モータ、小型位置決めユニットなど、駆動系に関わる新製品も出展【写真5】【写真6】。

【写真2】マクソンジャパンのブースで展示されていた惑星探査ロボットの模型。同社の高性能モータが採用されている【写真3】NASAの無人探査車「スピリット」とJAXAの探査ロボット「ミネルバ」。こちらもマクソンのモータを利用。スピリットは火星表面を移動し、水が存在した証拠を探った。一方、ミネルバは小惑星イトカワの調査のため小惑星探査機「はやぶさ」に搭載された【写真4】ヴイストンのハイエンドサーボモータ「V-SERVO」を利用したヒューマノイドロボット。V-SERVOの「VS-SV1150」(トルク115kgf・cm)は、マクソン製のコアレスモータを採用している
【動画1】プログラマブル位置制御ユニット、ドライバ、DCコアレスモータなどを利用した多軸制御のデモ。マスタ/スレーブ制御ユニットをCANバスを介してコントロール。「MAXON」の看板が高速に回転して停止後、もう1台のモータ軸に付いた「X」の文字板が前進。看板に抜き打ちされたXを通過し、さらにXの文字板が高速に回転【写真5】新製品のブラシレスフラットモータ「EC9.2 flat」とエンコーダ内蔵の「EC6+エンコーダMILE」。このほかにも本展示会に向け、19mm厚の 「EC-i40/20W」などの薄型モータも発表された【写真6】外形28.2×54.5×9mm(幅×奥行き×高さ)、重量10gと小型軽量なデジタル位置制御モジュール「EPOS2 Module 36/2」。インクリメンタル型エンコーダ付きDCモータやブラシレスDCモータを駆動・制御できる。USB、CAN、RS-232Cに対応

 ダイナックスのブースでは、産業用向けに開発した、低コストなスカラーロボット「miniSCARA」や垂直多関節ロボット「miniCRANE」のデモを実施していた【写真7】【動画2】。いずれのロボットも小型ACサーボモータ/ドライバやハーモニックフドライブギアを採用しており、1kg前後の低重量部品のピッキングと搬送に適用されるという。標準ソフトウェアとしてロボット言語「Fics-PIII」を搭載。ラダープログラミングでの制御も可能だ。

【写真7】ダイナックスの垂直多関節ロボット「miniCRANE」。3軸/4軸タイプで、エンコーダはアブソリュート型およびインクリメンタル型を選べる。ロボット本体にモータドライバが組み込まれているため、制御ボックスも小さくて済む【動画2】スカラーロボット「miniSCARA」と垂直多関節ロボット「miniCRANE」を組み合わせ、ボールをピッキングするデモ

 ワコー技研は、無人搬送車の走行デモを行なっていた【動画3】。これは、同社のバッテリー駆動用の車輪付ACサーボモータと2軸ACサーボドライバを車体に組み込んだもので、簡易型シーケンサからの指令によって回転や速度をコントロールする。床に埋められたマーカーをガイドセンサーで検出しながら、正確に進行方向を制御できる。またパナソニックの技術者がスピンアウトしたスマックでは、「ECOパワーユニット」を搭載した電動車両を展示。このユニットは、DCブラシレスモータ、インバータコントローラ、バッテリ、充電器などで構成される【写真8】。減速時の回生電流を有効利用することで、走行距離を向上できるという。

【動画3】ワコー技研による無人搬送車の走行デモ。同社のバッテリ駆動用車輪付ACサーボモータ「SWRシリーズ」と、2軸ACサーボドライバ「ABH2シリーズ」を利用したもの。床に埋め込まれたマーカーに沿って動く【写真8】スマックの電動車両。DCブラシレスモータ、インバータコントローラ、バッテリ、充電器などで構成される「ECOパワーユニット」を搭載。同社は、誘導モータ、永久磁石同期モータ、リラクタンスモータなど、あらゆるモータに対応できるユニバーサルインバータドライバを主力に展開

 次にアクチュエータ関連の製品について見てみよう。三菱電機は、ACサーボモータやDD(ダイレクトドライブ)モータ、ドライバ/コントローラなど、最新の制御機器を幅広く出展していた【動画4】。たとえば各種モータを利用した事例として、5軸Pick&Placeデモ機を展示。このシステムは、低慣性なACサーボモータ「HCシリーズ」や、リニアサーボモータ「LMシリーズ」のほか、回転テーブルにDDモータ「TM-RFシリーズ」で構成。制御系は2軸一体型のサーボアンプを利用することで、5台必要だったアンプを3台で済ませ、従来より制御盤の設置面積を42%削減したという。

 近日発売予定の「ワンタッチサーボJNシリーズ」【写真9】では、小型アンプと17ビットエンコーダ内蔵ACサーボなどを用意。特にアンプは負荷慣性モーメント比の推定やゲイン調整、機械的な共振抑制など、サーボ調整をワンタッチボタンで実現できる点がウリだ。サーボモータは50~400Wまで4種類があり、ギア付き/ブレーキ付きタイプも用意されている。

【動画4】三菱電機は、同社のサーボモータの応用例として5軸Pick&Placeデモ機を展示。同社のモーションコントローラ「Q170MCPU」と、サーボアンプ「MR-J3W」、モータ5台で構成。2軸一体型のサーボアンプのためアンプは3台で済み、従来より制御盤の設置面積を42%削減できた。回転テーブルのθ軸にはDDモータ「TM-RF002C20」を採用【写真9】簡単設定が特徴の「ワンタッチサーボJNシリーズ」。アンプ前面になるボタンを押すだけで、サーボ調整を自動で最適化してくれる。アンプ(100W/200Wタイプ)の外形は従来より23%ほど小さくなった

 またサーボシステムコントローラのネットワークについての展示もあった。同社では、サーボシステムネットワークを構築する際に、光ファイバーケーブルに対応する新世代の通信規格「SSCNET III」をサポートしている【写真10】。光ファイバーを利用するため、ノイズに強く、高速で通信できるというメリットがある。このSSCNET IIIは、同社のサーボコントローラ、各種ドライバ(サーボアンプ)、オプション製品のほかに、旭エンジニアリングのステッピングモータ/ドライバ、北陽電機の光リピータ、ジイエムシーヒルストンのリニアモータ、日機電装のDDサーボモータやリニアステージにも対応するそうだ【写真11】。

【写真10】三菱電機のサーボシステムコントローラのネットワーク「SSCNET III」。ドライバ群やオプション製品などの下階層を光ファイバで接続することで、ノイズに強く、高速な通信を可能にした【写真11】「SSCNET III」パートナー製品群の1つ、日機電装のDDサーボモータ「τDISCシリーズ」および、サブミクロン単位の位置決めが可能なτリニアステージ「NSTシリーズ」

 このほかにも、耐圧/防爆など特殊用途で利用されるサーボモータやインダクションモータを展示したバルドージャパン【写真12】、大容量サーボモータを出展した日立産機システム【写真13】やファナックの大手ブースも目を引いた。大容量サーボモータは、主に塑性加工、射出成形機などの油圧システムに用いられ、DD方式によって油圧では不可能だった精密制御を実現する。

【写真12】バルドージャパンのブース。新製品として展示されていたオールステンレス製モータ/減速機。ハウジングにSUS304、シャフトにSUS416を使用し、過酷で腐食性のある液体や気体の環境下で利用できる。IP64保護構造に適合【写真13】日立産機システムの高トルク・大容量ACサーボモータ「AD-MEGAシリーズ」。写真は中空軸タイプの「AD-MEGA37H20」。油圧システムをACサーボモータにリプレイスし、油圧で不可能な精密制御を実現する

ロボットに必要不可欠な要素部品、精密なギアやアクチュエータも

 ここからは、ギア、ベアリング、カップリング、リニアガイドなどの機械要素(アクチュエータ関連を含む)について見ていこう。ノンバックラッシュの高性能ギアで有名なハーモニック・ドライブ・システムズのブースでは、同社のギアの原理を説明したデモが行なわれていた【動画5】。またギアドモータの応用事例として、東京大学で開発された多関節ロボットハンドも紹介【動画6】。このほかにも、ギア単体だけでなく、中空軸・扁平構造のACサーボアクチュエータ「SHAシリーズ」【写真14】や、小型ギア付モータ【写真15】などの新製品も紹介していた。SHAシリーズは、17ビット磁気式アブソリュートエンコーダを内蔵し、モータ軸保持ブレーキも搭載可能なACサーボモータだ。

【動画5】ハーモニック・ドライブ・システムズのブースで行なわれていたギアのデモ。ハーモニック・ドライブは、ウェーブジェネレータ(カムとベアリングで構成される内側の部分)、フレクスプライン(歯が付いた赤い輪の部分)、サーキュラスプライン(内周に刻まれた歯がある部分)で構成。ウェーブジェネレータが回転すると、楕円状にフレクスプラインが変形し、サーキュラスプラインと歯のかみあう位置が移動する【動画6】ハーモニック・ドライブを採用した高速多指(8軸)ロボットハンドのデモ。東京大学では人間と同じように視覚とハンドの協調動作によって、落ちてくるボールを指先でつまむタスクを実行。ここに軽量・高トルクモータとハーモニック・ドライブ・ギアが利用されている
【写真14】中空軸・扁平構造のACサーボアクチュエータ「SHAシリーズ」。17ビット磁気式アブソリュートエンコーダを内蔵し、厚さ109~222mm、最大トルク127~3419Nmのラインナップを揃える【写真15】同社の小型ギアを搭載したギアドモータの一例。写真は高速多指(8軸)ロボットハンドに用いられているものだ

 スターライト工業は、デリファレンシャルギア(遊星歯車減速機)【写真16】やウェーブドライブギア(波動歯車減速機)【写真17】などの樹脂性ギアを出展していた。主要部品を射出成形することがポイントだ。特殊用途で利用する樹脂の材料選定から量産品まで、ワンストップで対応できる。同社のギアは、三菱重工のコミュニケーションロボット・wakamaruにも利用されているという。

【写真16】樹脂製のデリファレンシャルギア(遊星歯車減速機)。主要部品を射出成形で製作し、大量生産が可能。写真は小型の遊星歯車減速機。太陽ギアと遊星ギアが2段になっている【写真17】樹脂製のウェーブドライブギア(波動歯車減速機)。いわゆるハーモニックドライブギアと同様のものだ

 長岡歯車製作所は特殊形状のユニークな歯車を展示していた【写真18】。楕円歯車および楕円系2葉歯車など、通常のように丸い形をしていない非円形の面白い歯車が数多くあった。非円形歯車は複雑で製作が難しいものの、カムに比べてすべりが少なく、複雑な運動を確実かつ高速・高加重で伝達できるという特徴がある。今回の展示ではクランク機構用に等速・早戻りが可能な歯車【動画7】や、軸の平行度に誤差があっても滑らかなかみ合いを可能にする球形歯車【動画8】のデモを行なっていた。球形歯車は、球体の一部を歯車にしたインボリュート型の特殊歯車だ。

【写真18】長岡歯車製作所は、はすば歯車、すぐばかさ歯車や、非円形歯車などのユニークな精密歯車を出展していた。写真左は楕円系二葉歯車、写真右はクランク機構用の等速早戻り歯車【動画7】クランク機構用の等速早戻り歯車のデモ。往路ではスライダーが等速で前進し、復路ではスライダーが素早く戻るように歯車の形状を設計している【動画8】球体の一部を歯車にしたインボリュート型の球面歯車のデモ。軸をずらしても歯がかみ合い確実に動力が伝達される
【写真19】ツバキエマソンでは、各種減速機、電動シリンダー、各種カップリング類を出展。サーボモータ用のカップリングは、ねじり剛性が強く、芯ずれを吸収し、追従性に優れるものが多い

 ツバキエマソンは、各種減速機、電動シリンダや、サーボモータ用の各種カップリング類を出展していた【写真19】。特にロボットに用いられるサーボモータは立ち上がりのトルク曲線が急峻であるため、ねじり剛性が強く、芯ずれを吸収し、追従性に優れる専用のフレキシブルカップリングが求められる。

 また日本精工は、主力製品のベアリング、ボールネジ、ローラ/リニアガイド、メガトルクモータ【写真20】などの幅広い展示や、参考出品の「スマートアクチュエータ」を組み合わせたXYステージのデモなどを実施していた【動画9】。スマートアクチュエータは、ボールねじ、リニアガイド、ベース本体などを一体構造にしたモノキャリア「MCMシリーズ」に、ドライバ/コントローラ一体型モータを採用したものだ。ベアリング類では半導体製造などクリーンルームで利用するロボットに用いられる製品【写真21】や、保持器が樹脂性で液体に浸しても利用できる製品【写真22】が目を引いた。

【写真20】薄型大トルクのメガトルクモータ「PNシリーズ」。モータ高さ85~112mm、最大出力トルク45~180Nmの3タイプがあり、位置決め時間の短縮が可能。このほかモータ高さ35mmの「PN2012KN201」もあった【動画9】NSKのブースで参考出品としてデモ展示されていた「スマートアクチュエータ」。ボールねじ、リニアガイド、ベース本体などを一体構造にしたモノキャリア「MCMシリーズ」に、ドライバ/コントローラ一体型モータを採用。ディジーチェーン方式で接続でき、配線・配置が簡単に行なえる
【写真21】液晶・半導体搬送用などクリーンな環境で使用される真空ロボット用のベアリング(写真左)。アウトガスの放出量が従来の3分の1以下の抑えられ、焼付き寿命も8倍にのびた。また、固体潤滑剤を採用した真空ロボット用のアングギュラ型ベアリング(写真右)も発表。従来より5倍以上の耐久性を実現【写真22】保持器に繊維強化フッ素系樹脂、ボールにセラミックスを採用した自動調心型アクアベアリング。腐食性の溶液中でも使用できる耐食性を持つ

 一方、NTNのブースで面白かったのは、参考出品として紹介されていた磁気エンコーダ一体型のベアリングだ【写真23】。ベアリングとセンサーが一体化された薄型設計になっており、取り付けも簡単だ。水中・薬液中でも使用できる樹脂性のベアリングおよび滑りネジの実演もあった【写真24】。このほかにも、入力軸を回すと出力軸が回転するが、逆に出力軸を回しても入力軸は回転しない逆入力遮断クラッチ「トルクダイオード」【写真25】や、制御歯車のロック/アンロックにより反転切り替え用モータが不要になる反転ユニットなども展示されていた。

【写真23】NTNの磁気エンコーダ一体型ベアリング。仏SNR社との共同開発で、3200ppr(パルス/回転)の分解能を実現。厚さは20.5mm。シンクロスコープにエンコーダの波形出力(A相/B相)が表示されていることが分かる【写真24】水中・薬液中などの特殊環境で使用できる「ミニアチュアすべりネジ」。自己潤滑性の樹脂性材料をナットに採用し、低騒音・無潤滑で滑らかな伝動が得られる【写真25】逆入力遮断クラッチ「トルクダイオード」。この名称は「一方向(入力側)の回転のみ有効になる」という意味合いで付けたという

 THKのブースでは、4条溝から8条溝になり、剛性が大変強くなった新製品のリニアガイド「超剛性/超低ウェーピングLMガイド」などを紹介していた【写真26】。また同社の高度な技術を集結したマイクロアクチュエータ【動画10】や世界一小さい極小XYテーブル【写真27】も印象的だった。マイクロアクチュエータはフルクローズドループにより分解能0.1μmで制御できるという。XY方向にLMガイドを利用し、うまく振動を吸収する免振システムのデモもユニークだった【動画11】。このシステムを使えば、直下型大地震が起きても、被害を最小限に抑えられるかもしれない。地震の際には、LMガイドに掛かる引張り加重に耐えられる強度を実現しているという。

【写真26】リニアガイドの新製品「超剛性/超低ウェーピングLMガイド」。8条溝になり、剛性が高く、振動も抑えられている【動画10】マイクロアクチュエータは、内部にリニアモータと磁気センサー/スケールがコンパクトに組み込まれており、フルクローズドループにより分解能0.1μmで制御できる
【写真27】世界一小さいという極小XYテーブル。リニアガイドやベアリングなどの高度な技術を集結してつくられた【動画11】高剛性のLMガイドを利用した免振システム。デモではXY方向の揺れをうまく相殺し、明らかに揺れを抑えていることが分かった

 展示会場ではセンサー系の出展も数多く見受けられた。たとえば緑測器のブース【写真28】では、角度センサーや、ポテンショメータ、ストロークセンサーなどを紹介していた。またタカノは、ロータリ/ラッチング式のソレノイドや電磁バルブなどを展示していた。特に面白かったのは、ソレノイドのロッドで風鈴を打つデモだった【写真29】。通常のソレノイドではコイルと同一方向に鉄心が可動するが、このソレノイドはコイルの垂直方向に動くというメリットがあるという。

【写真28】緑測器のブース。ホール素子を利用した角度センサーや、ウォームギアで高回転検出が可能なポテンショメータ、バックスプリングを内蔵したストロークセンサーなどを紹介【写真29】タカノのブース。ロータリ/ラッチング式のソレノイドによるデモ。風鈴をソレノイドのロッドで打つ。このソレノイドはコイルの垂直方向に動くため、スペースが狭い場所でも利用できる点が大きな特徴

 ピーアンドシーは、超音波モータによって微小駆動が可能なアクチュエータやコンパクトな位置決め装置などを紹介していた【写真30】。携帯電話に内蔵されたカメラの焦点合わせや、微小部品の測定点のセンタリング合わせなどに用いられるそうだ。またリニアスケールの測定精度の検証事例【写真31】や、XYθテーブルへの応用なども示された。同社の製品は人工関節などへの応用として、産業総合研究所にも採用された実績があるという。

【写真30】ピーアンドシーのブースで展示されていたマイクロアクチュエータ。超音波モータによって微小駆動が可能。1μmから10μmレベルでの精密な位置決め作業が容易に行なえる【写真31】10μm送りでリニアスケールを100μmまで動かして静電容量センサーで検証した事例。ノートPC上に測定値が表示されていた


(井上猛雄)

2009/5/7 21:30