【やじうまRobot Watch】巨大な機械の「クモ」2体が横浜市街をパレード!
~横浜開港150周年記念テーマイベント「開国博Y150」プレイベント
赤レンガ倉庫を歩き回る「クモ」 |
4月19日(日)、横浜市内を2体の巨大な機械仕掛けの「クモ」が歩き回った。横浜市は今年、横浜開港150周年記念を迎え、記念イベント「開国博Y150」を企画している。その宣伝のプレイベントとして17日からは横浜港周辺で、日本初上陸となるフランスのナント市とトゥールーズ市を拠点とするスペクタクルアート劇団「ラ・マシン(La Machine)」による巨大な油圧式の「クモ」のショーが行なわれていた。そして19日は午後2時頃から「クモ」が新港ふ頭から赤レンガ倉庫付近、そして日本大通りへと横浜市内を歩き回った。日曜日の横浜で大勢の人が見物し、街中は大混雑となった。
この「クモ」は高さがおおよそ12m、重さは37t程度。「レ・メカニック・サヴァント」(博識な機械)として、2008年9月イギリス・リバプールで登場したもの。このときは5日間で30万人を動員したという「ラ・マシン」の最新作だ。ちなみに設定では4月17日に横浜に漂着した巨大クモを調教し、歩き回らせた、ということになっている。「開国博Y150」公式Webサイトによれば「『クモ』は『糸』で巣をつくる動物であり、きわめて創造的な生命体」であり、「Y150のさまざまな会場をつなぎ『横浜のゆめ』をつむいでいくと同時に、『Web = クモの巣』型ネットワーク社会のシンボルとして『クモ』が登場することになりました」とのことだ。
足はクモなので8本ある。ただし、この足で歩いているわけではない。実際に胴体を支えているのはディーゼルエンジンとタイヤで動く車体だ。そこからクレーンがのびて胴体に繋がっている。それぞれの足も小型クレーンのような構造となっている。つまり巨大なクレーンの先に小型クレーンがくっついたような形だ。それを1体あたり14人がかりで操作しているのだという。スタッフの数は総勢70名にもなるそうだ。
実際には油圧クレーンとはいえ、大きな腹部に頭部がついた造形が施され、時折、口や腹部から水を噴き出しながらのし歩く様子はまさに巨大クモ。胴体部にも足や頭部を操縦する人が乗っているが、さらに足の先にも人がときどき乗ったり、ぶら下がったりしてパフォーマンスしていた。
また、クモだけではなく同時に他のクレーンも一緒に動いていた。それらの先端部にもそれぞれ人が乗り込み、音楽の生演奏を行なっていた。会場ではマシーンと音楽とが一体となって、2体のクモが出会ってお互いにぶつかったり、コミュニケーションしている様子が見事に演出されていた。腹部から出す水はかなりの量で、数十m離れていても水が観客たちにかかり、そのたびに大きな歓声があがっていた。
日本大通り。休憩のために鎮められたクモ。 | 劇団スタッフたちもクモから降りて休憩中 | マシンも人も休憩 |
胴体下部 | こちらは楽器演奏者が乗っているクレーン | 音楽とメカが織りなすスペクタクルが繰り広げられた |
なお「開国博Y150」の会期中は、クモのうち1匹は「ベイサイドエリア内 Y150はじまりの森」にて「ENEOS ラ・マシン」として常時展開されるとのことだ(4月28日(火)~9月27日(日)、有料)。街中を歩き回ることはないが、マシンアートに興味がある人たちならば必見だろう。
2009/4/20 19:20