「トランスフォーマー:リベンジ」レビュー&ワールドプレミアレポート
~六本木アリーナに約7mの実寸大バンブルビーも登場!
ワールドプレミアのフォトセッションの様子。後ろに見える黄色いのはバンブルビーの脚部 |
いよいよ19日に世界最速の先行上映(20日から全国超拡大ロードショー)が迫った「トランスフォーマー:リベンジ」(監督:マイケル・ベイ、配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン)。8日には日本でのワールドプレミアが行なわれ、プレス向け試写会も実施。ワールドプレミアの模様と合わせて、レビューをお届けする。
●試写会を観てひと言「面白すぎていうことなし!!」
「新たなるトランスフォームは、“リベンジ”から始まる」のキャッチコピーがつけられた「トランスフォーマー:リベンジ」。はっきりいって、面白すぎて四の五のいう必要のない完成度であった。もう、「面白いから観ないと損」、いや「面白い!!」のひと言で伝えるべきは十分、という具合である。映画を観た人の中には、もう1回(もう数回?)劇場に足を運ぶ人もいるだろうし、どれだけの人がDVDまたはBlu-rayの購入決定リストの第1位に「トランスフォーマー:リベンジ」を入れるかわからないほどだ。もう、レビューで触れるのはここまででいいや、と記者的には思ってしまったりもするのだが、さすがにそれもどうかと思うので、もう少し、あえて間接的な表現でどれだけすごかったかを記してみたい。
まず、プレス向け試写会がマスコミ関係者には結構過酷な(笑)条件のもとに行なわれたことから紹介したい。ワールドプレミアと同じ今月8日に行なわれたのだが、朝8時半までに六本木ヒルズのTOHOシネマズに集合という具合。記者も原稿が溜まっていたので、朝まで徹夜で記事をまとめてから2時間仮眠して、久しぶりに7時台の通勤電車で押し合いへし合いされて現地に到着したという次第である。ワールドプレミアだけに違法録画は徹底的にチェックするということで、バッグにウエストポーチにポケットに、ありとあらゆる収納スペースをすべて係員に見せて録画・録音機材を隠し持っていないことを見せ、なおかつ空港のセキュリティチェック並みに金属探知器で検査を受け、携帯も電源オフにした状態でハサミがない限りは封を切れない袋の中にしまって、映画館の中へ。睡眠不足のところに来てこの厳重な検査だけで早くも疲れが出てきて、そこへ持ってきて映画館のイスのいいこと。映画上映中に眠ったら最悪なので、仮眠しておくべきか、でもスタート時に起きられなかったらどうしよう、ということで悩んだが、結局起きていることにして、これはやばいとがんばりつつ、開演を待つ。が、後から後から大量に報道陣が入ってくるので、予定より遅れ気味。やっとこさスタートして、居眠りしませんように……と思っていたら、あっという間の2時間半。大げさでもなく、面白いところしかなく、こんなにアクションエンターテイメントとして完成度の高い作品があっていいものなのか!? と、いま観てきたものが信じられないぐらいであった。
オプティマスプライム。今回は、彼の秘密の1つが明らかにされる。そうだったんだと手を叩きたくなるはず | バンブルビー。ボディガードというよりは顔といい、仕草といい、ペットという感じ |
ザ・フォールン。デザイン的にほかのディセプティコンとは少々違う感じが…… | ディセプティコンのナンバー2のスタースクリーム。彼もリベンジしたい1人のはずだけど? |
居眠りどころか、2時間半、本当に瞬きすらしなかったのではないかというほど、集中していたというか、まさに魅入られてしまったような感じ。食い入るように観て、知らずにヒジ掛けをガッチリ握りしめていたりして(時たま気がつくと、腕に力が入っている)、スタッフロールになった途端、ものすごい疲労のビッグウェーブである。集中していた上に、身体にも知らない間に力が入っていたから、もうクタクタ。これだけは警告しておこう。しっかりと前日は休息を取って万全の状態で鑑賞しないと、見終わった後にイスから立ち上がれないかも知れない、と。しかも、寝不足で行ったものだから、上映中は集中しているのでアクビが出なかったが、スタッフロールになった途端、アクビが止まらない状態に。ギネス記録になりそうなぐらいにアクビを連発するものだから大粒の涙がこぼれてきて、周囲の人には「こいつ、泣いてるよ(笑)」と思われたに違いない(苦笑)。絶対に泣くような映画ではないのだけれど。
というわけで、あえてまったく内容に触れてないのだが、どれだけ面白かったか、理解してもらえただろうか? いやー、見終わって、これだけスカッとできて、「あれはどうなの? これはどうしたの?」とツッコミを入れてみたり、複雑な仕組みなどを解明しようと乏しい知識をもとに頭脳をフル稼動してみたりしたくなるような要素が一切ない映画は、本当に久しぶりである。逆に、あまりジ~ンとしたり、余韻が残るといったりしたことはないので、観終わって少なくとも1週間は考え込みたい、なんて作品を求める人には向いてないかも知れない。でも、アクションが少しでも好きな人なら、観てしまったら最後。観る前はいろいろと考えていたとしても、観始めたら、即「面白い!!」となり、観終わったら必ずや「いやー、面白かった!」となることを保証する。
●注目はジョン・タトゥーロ演じるシモンズ
内容に関してはなるべく触れないつもりだったけど、あえて1点だけ。前作で、政府内の秘密組織セクター7の捜査官として登場したシモンズ(ジョン・タトゥーロ)。今回は、実は影の主役は彼ではないか? というぐらい、大活躍する。まず登場の仕方からして意表を突く、「おい、ここでかよ!?」だし、もうとにかくキャラが立ちまくり。彼がいなかったら「トランスフォーマー:リベンジ」の面白さが何割か減るだろうな、というほどなので、いろいろな意味で彼の活躍には注目してほしい。身体を張ったアクションでの見せ場もあるし、それ以上に笑いを取りまくる。スピンオフして、彼を主役にした作品を作ってほしいぐらいなので(笑)、全世界で彼のファンがきっと増えるに違いない。あとは、サムの大学生活で登場する美少女アリス(イザベル・ルーカス)も要チェック。記者的には、ヒロインのミカエラ・ベインズ(ミーガン・フォックス)よりも好みかも。
右が主人公サムで、左がシモンズ。何やら普通の人っぽい服装だし、物騒なものを持っているし、何か変? | アリス。大学のサムの部屋で彼を押し倒したところにミカエラがやってきて…… | ヒロインのミカエラ・ベインズ。かな~りセクシー |
それから、「やじうまRobot Watch」での記事で、ストーリーをかいつまんで紹介したのだが、いくつか推測がはずれたところがあったので、訂正しておきたい。なにぶん資料があまりなく、トレーラー映像から推測したため、実際には違っていた。まず、冒頭でサムが拾った破片。曾祖父のアーチボルトの遺物と書いたが、これは間違いで、オールスパークの破片らしい。前作の戦いで、破片がポロっとサムの上着のポケットに入ってしまったようである。
さらに、トランスフォーマーたちが大挙して地球にやってくるタイミング。トレーラー映像でも観られる、北大西洋の第2艦隊が壊滅してしまう時は、あくまでもメガトロンを復活させるための先発隊という感じで、大小5体前後がやってくる。この中にスタースクリームがいるようなことを書いてしまったが、この場にはいない点も訂正。エジプトに落ちてくるのは後半に入ってからで、どっちの陣営のどんなのが落ちてくるかは、内緒。観てのお楽しみ。あと、ザ・フォーレンと・ザ・フォールンという2つの表記があるようだが、日本語版はザ・フォールンで統一された模様。彼が何者なのかは、意外と早い段階で明かされ、「へ~」となること間違いなし(今回は「へ~」の連発となること確実)。
これ以上は、実際に観て、楽しんでいただきたい。ベイ監督は、映画は映画館で楽しんでいただきたいというポリシーを持っている人なので、記者もそれに従うことにする。でも、せっかく入手できたので、30秒テレビCMを2本お見せしよう。FORM編とGREATENEMY編の2つだ。
【動画】30秒テレビCMのFORM編 | 【動画】30秒テレビCMのGREATENEMY編 |
●ワールドプレミアは実寸大バンブルビーが登場!?
続いては、ワールドプレミアの様子を紹介しよう。本来は、主人公のサム・ウィトウィッキーを演じたシャイア・ラブーフ氏やベイ監督ら、来日したキャスト&スタッフが主役であるところだが、例によって例のごとく、Robot Watchらしく、ロボットからまずはフォーカスしたい。
ワールドプレミアということからわかるように、日本でのこのイベントが世界で最初、ということになる。会場は、六本木ヒルズアリーナ。ステージ上には、クルマ好きには嬉しい、バンブルビーのビークルモード時の姿であるシボレー「カマロ コンセプト'06」を展示。GMの1ブランドであるシボレーの、21世紀型にリファインされたアメリカンマッスルカーなのだが、量産前のコンセプトカーのため、なかなか生では拝めない1台。これを見られただけでもラッキーであった。レッドカーペットがスタートし、日本人ゲストに続いて、来日キャスト&ベイ監督が登場。そして、その後はステージイベントに。大音響とともにディセプティコンが襲撃してきたという設定で、カマロがレッドライトで照らされ、炎が吹き上がり、スモークも焚かれ、大音量で緊急事態的な雰囲気が演出される。そして、会場に詰めかけた来場者が「バンブルビー!」と叫んで、入場時に配布されたミラーキューブ(オールスパークをイメージしたプレゼントアイテム)を掲げると、アリーナが暗転。同じく入場時に来場者に配られたTシャツにUVライトが当てられ、オートボットのマークが映し出されるという寸法で、実寸大のロボットモードのバンブルビーが登場するというわけだ。
シボレー「カマロ コンセプト'06」。21世紀のアメリカンマッスルカー。記者的には好きなデザイン | それが突然赤く照らされて、炎が上がる。ディセプティコンの襲撃という設定 | スモークも焚かれてカマロの姿が消えると…… |
ライトに照らされたスモークの中から現れてきたのは、ロボットモードに変形したバンブルビー | オプティマスプライムの、「オートボッツ、ロールアウッ!」の声が聞こえそうなバンブルビーの勇姿 |
キャスト&ベイ監督とのフォトセッションも行なわれたことから、その巨大さがわかるはず。全高は6.7mで、重量は4.5tもあるそうだ。身長は設定通りと思われるが、車重は4.5tもないだろうから、本当のバンブルビーはもっと軽いはずである。さすがにカマロが変形したわけではないし、手足が稼動したりするわけでもないが、タイヤの部分はちゃんとタイヤを使っているし、顔は言うに及ばず、全身の造形も細かく作っている。劇中の姿と比べると角度によっては少々プロポーションが異なって見えるのだが、合格点といえるのではないだろうか。できることならワールドプレミア終了後、ステージ上に上がってもっと接写したかったのだが、さすがにそれはできず。足首から下が照明機器でどうしても隠れがちだったのだが、その巨大さや造形を堪能していただきたい。
キャスト&ベイ監督とバンブルビーの比較。その大きさがわかるだろうか | 頭部のアップ。結構細かく作り込んである | 上半身のアップ |
右半身側から | 右真横から | 左真横から |
右真横から上半身のアップ | 左真横から上半身のアップ | 腹部のアップ |
脚部のアップ | 脚部を右真横から | 足首のアップ |
ワールドプレミアのタイトルが表示されたスクリーンの横に展示された |
●来日キャスト&ベイ監督・レッドカーペット&ステージ
それでは、プレミアイベントならではの、主要キャスト&ベイ監督のレッドカーペットの模様を紹介。今回来日したキャストは、主人公サム役のシャイア・ラブーフ氏、ヒロインのミカエラ役のミーガン・フォックスさん、米空軍レノックス大尉役のジョシュ・デュアメル氏、米空軍技術軍曹エッブス役のタイリース・ギブソン氏、サムの大学のルームメイトのレオナルド・ポンス・ド・レオン・スピッツ役のラモン・ロドリゲス氏、大学でサムに迫りまくるアリス役のイザベル・ルーカスさん、そしてマイケル・ベイ監督という布陣だ。
ステージイベントの最後は、タカラ(現タカラトミー)の創業者で、トランスフォーマーだけでなく、古くはだっこちゃんに始まり、リカちゃん人形、チョロQ、人生ゲーム、フラワーロックなどを次々とヒットさせた「おもちゃの王様」こと佐藤安太氏が登壇。2002年にタカラを退き、現在はNPO法人ライフマネジメントセンター理事長を務める佐藤氏が、オリジナルと思われるコンボイ司令官と映画版のオプティマスプライムがあしらわれた記念品をベイ監督に贈呈。佐藤氏は、「自分たちが生み出したトランスフォーマーを、よくぞここまで素晴らしい映画にしてくれました」とベイ監督を褒め称えた。ベイ監督はそれに謝意で答え、また会場のファンに対しては、トランスフォーマー生誕の地である日本に来られた非常に嬉しい旨を伝えていた。
タカラ創業者の佐藤安太氏から記念品を贈呈されるベイ監督 | 佐藤氏とベイ監督のツーショット | コメントするベイ監督 |
ちなみに、レッドカーペットの日本人ゲストは、20名以上。ほしのあきさんやDAIGO氏、ソフトバンクの携帯電話のCMでお馴染みのダンテ・カーヴァー氏(お兄さん役)、髭男爵などなど、タレント、俳優・女優、お笑い芸人、スポーツ選手などなど、各界の著名人が集まった。
ほしのあきさん。かなり胸元がセクシーな衣装だった | DAIGO氏。ウィッシュ! |
ダンテ・カーヴァー氏(中央)。この日は、お父さんは一緒に来ず(笑) | 髭男爵。お笑い芸人は、ほかにも電撃ネットワークの南部虎太氏や、エスパー伊東氏などがいた |
以上、「トランスフォーマー:リベンジ」レビュー&ワールドプレミアレポート、いかがだっただろうか。もう、クドクド説明しているより、まずは映画を観て! という具合なので、使いされた常套句だが、「だまされたと思って」映画館に足を運んでみてほしい。変に予測したり、あれこれ考え込んだりしてから足を運んでしまうと「イメージとは違う」ということがあるかも知れないが、少なくとも、予告動画や記者が記事を書く上で入手した情報の程度では、面白さには何の影響もなかった。とにかく面白いので、お金がない人は家族や友人・知人に借りてでもして、時間がない人は仕事を1つ捨ててでも(笑)、映画館に足を運んでみよう。必ず、それだけの価値はあるし、見逃すことのデメリットの方が大きいと断言しておく。ぜひあなたも、大スクリーンで堪能し、「面白かった~!」と大満足してみてほしい。
(c)2007 DreamWorks LLC and Paramount Pictures. All Rights Reserved.2009/6/18 18:25