映画を観る前に読む「ターミネーター4」ガイド

~ターミネーター全10体+αを一挙紹介


西暦2018年時点でも旧式のT-600。そんなT-600による、オチャメな待ち受けFLASH画像をどうぞ

 今週土曜日の13日にいよいよ全国ロードショーとなる「ターミネーター4」(T4)。ここでは、現在Robot Watchが入手可能な画像をかき集め、また動画からのキャプチャーも許可を得て実施し、T4に出てくるターミネーターのガイドをまとめてみた。毎度のごとく、記事執筆担当がアレ(笑)なので、推測と想像に加え、妄想も入った形で紹介させてもらう。劇中での活躍の様子などもネタバレにならない程度に記してみた。これを読んで、どんなターミネーターが出てきて、どんな活躍をするのかを知ってもらって、1人でも多く映画を観に行ってもらえれば幸いである。

Robot Watch的ターミネーターチェック

 続いては、Robot Watchらしく、ターミネーターのチェックと行こう。これまでも幾度か登場ターミネーターを紹介したが、ちょっと情報が錯綜しているところもあったので、今回は映画を観てきた内容と、入手できた最新資料を基に紹介したい。ただし、資料が豊富というわけでもないので、例によって、記者の想像というか妄想というか(笑)、予想も交えての解説となる。その点は、ご了承いただきたい。なお、今回登場するターミネーターは以前にもお伝えしたとおりだが、マーカスを除いて全10体。これは間違いない。名称と大まかな用途・タイプは、下記の通りとなる。

・エアロスタット:偵察用小型機
・トランスポート:輸送用・マンハント部隊母艦
・ハーヴェスター:マンハント用大型機
・ハイドロボット:水中型哨戒・偵察用ウミヘビ型
・ハンターキラー:対地・対空攻撃用航空機型
・モトターミネーター:偵察用バイク型
・T-100:拠点防衛用戦車型
・T-600:旧式の潜入型(人型)
・T-700:新型の潜入型(人型)
・T-800:最新型の潜入型(人型)

 この中で、残念ながらエアロスタットの画像だけは入手できなかったのだが、そのほかは画像やコンセプトアートも入手できた。また、今回は許可を得てテレビCMやトレーラー映像などの動画からキャプチャーした画像も使用している。そのため、画像のクォリティーにバラつきがあるが、ご了承いただきたい。

エアロスタット

 偵察用の小型機で、UFO型をした飛行ターミネーター。深夜の通販番組で紹介されているオモチャを思わせるような雰囲気もあるが、もちろん中味は別物。人間1人1人の顔の識別なども行なえ、カイル(とマーカスとスター)はこれによってスカイネットにその所在が発覚してしまい、トランスポートやハンターキラー、ハーヴェスター、モトターミネーターなどの人間狩りを目的とするターミネーター部隊の襲撃を受けてしまうことになる。小型で機動力を有しているが、攻撃力はないようで(体当たりで子供ぐらいは襲えるだろうが)、耐久性も低そう。たぶん、記者でも金属バットでもって会心の一撃を加えられれば、破壊できるにちがいない(笑)。もしかしたら、情報収集用途として、耐久性などはあまり考慮せず、安価に量産して大量にばらまいているのかも知れない。

トランスポート

 ハーヴェスターが捕獲した人間をスカイネットへ運ぶための輸送機型の大型ターミネーター(今回登場するターミネーターの中では最も大きい)。人狩りを目的とするターミネーター部隊の母艦でもある。数々のターミネーターを搭載しており、少なくともハーヴェスターを1機、モトターミネーターを2機(ハーヴェスターに搭載)、ハンターキラーを2機搭載している模様。ハーヴェスターはトランスポートの中央部にバイクにまたがるような感じでドッキングする。全長は、ハーヴェスターとの対比から、少なくとも3体分はありそうなので、70~100mぐらいか(もしかしたら100m以上)。

 水平から垂直まで角度を自由に可変させられるターボファン型のジェットエンジンに見える推進器を、前後2器ずつ計4器装備している(前の2器は着陸時のみに使うものと思われる)。ハーヴェスターが機上で闘っても大丈夫なことから、空中でもかなり安定感があるようだ。また、各所に牢獄のような人間の収容スペースが用意されており、ハーヴェスターは捕獲した人間たちをそこに上から放り込むという物扱いをしている(カイルもそうやって放り込まれた)。ちなみに、ハイドロボットを搭載しているかどうかまでは未確認。デザイン的には、同じ航空機型ということでハンターキラーと意匠が似ており、そのまま大気圏外にも飛び出して行けそうな、かなり宇宙SF系のものとなっている。

左側がトランスポート。右はハンターキラーハーヴェスターがドッキングするシーンは、同時にトランスポートの巨大さがわかるシーンでもある

ハーヴェスター

 全高は約25m。一般的な学校のプールを縦にした高さで、ガンダムよりも7m高い。胸部に人捕獲用のアームを有しており、腕の数は計4本。肩部にはキャノン砲を1門有しており、弾種は未確認だが、車両などは一発で粉砕してしまうのでかなり強力だ。また防御力も高く、並みの爆発ではダメージを負わせることもままならない。よって、抵抗軍もかなり苦戦しているものと予想される。両スネにモトターミネーターを少なくとも1機ずつ格納。捕獲に失敗してクルマなどで逃走した人間がいると、モトターミネーターに執拗なまでの追跡を行なわせ、最終的には連れ戻す。

 ちなみに、マックG監督のお気に入りということだが、一般の人気も結構高そう(かくいう記者もお気に入り)。デザイン的には、人のように頭部がないので、Tシリーズの潜入型とは若干系統が異なる感じがする。25mを支えるために試行錯誤した結果、そうしたデザインとなっているのかも知れない。それとも、スカイネットの人工知能の中にも、下位プログラムとして複数のデザイナープログラムがあって、Tシリーズのデザイナーとは異なるとか?

ちょっとわかりづらいが、下には建物の屋根がある。そこから大きさが想像できるだろうかハーヴェスターはその巨体さと4本の腕、1門のキャノン砲が特徴
ハーヴェスターの胸部の腕が人を捕獲したところスネからモトターミネーターを発進させるシーン

ハイドロボット

 ウミヘビのような外見と、かなりどう猛な動きをするのが特徴の水中型ターミネーター。全長は120cm。一度取りついたら、ドリルを回転させて食い破って致命傷を与えない限りは人間を離さないという、非常に残虐である。音や振動に反応して寄ってくるという特性があるので、1機倒すそばからどんどん寄って来るという実にイヤらしい特性を持つ。ただし、水中に向かって撃ったマシンガンで倒せることから、耐久性はそれほどでもないようだ。また、ランプが赤く光っているので(カメラアイのように見えるが、目は備えていないそうである)、夜などは特に接近してくるのがわかりやすいという親切な(?)一面もある。あちこちの水辺に大量に放たれているらしく、抵抗軍のテリトリーの近くの河川であってもウヨウヨしている。水中からも飛び上がってくるほどなので、船で渡ったりするのも危険(低空飛行しているヘリコプターの装甲ぐらい簡単に食い破ってくる)。また、食い破る以外にも、尾を突き刺すという攻撃方法も有する。尾は突き刺して大量出血させられるように中空構造の針となっており、実に禍々しい設計。そんな狂暴なターミネーターであるが、抵抗軍の兵士たちから見ると比較的弱い部類に入り、捕まえることはそんなに難しくないらしい。

 以前、ターミネーター展の取材の際にインタビューした、レガシー・エフェクト(旧スタン・ウィンストンスタジオ)のキー・メカニカル・デザイナーのリチャード・J・ランドン氏らがこのハイドロボットの開発に関わり、撮影時のプロップスの操作も担当したそうである。時には水中に潜ってハイドロボットの操作も行なったということだが、その動きはまさに見事のひと言。どう見ても、生物のようにしか見えないリアルな動きだった。さらには、どうやってどこで動かしているのかもわからず、その内、本当にどこからどこまでがCGでどこまでが実写なのか、完全に区別が付かなくなってしまうのではないだろうか。それにしても、こんなのが水中をウヨウヨしているのでは、西暦2018年の人々は海水浴(笑)とか水辺での遊びは楽しめなさそう。

ハイドロボットのどう猛さをイメージするコンセプトアート。口中にドリルを突っ込んで延髄に貫通日本科学未来館で今月28日まで開催されている「ターミネーター展」で撮影したハイドロボット
非常に重要な作戦のためのあるテストを、ハイドロボットを使って行なっているシーン同じくテストのシーン。ハイドロボットを大人しくさせることに成功

ハンターキラー

 第1作から登場しており、ファンも非常に多い航空機型のターミネーターで、機械軍の空軍戦力の主役。前述した通り、トランスポートにも格納されている。デザイン的にトランスポートと似ていて宇宙SF系で、エンジンも同じ系統のものが使われているのがわかる。ただし、トランスポートもそうだが、燃料に何が使われているのかは不明。普通にジェット燃料のケロシンとかかもしれないが。今回は基地から直接単体で発進する機体はなかったと思うが、おそらくトランスポートに格納されているだけではないはず。拠点にはきっと配備されていることだろう。

 ハンターキラーは対人戦闘に投入されることから、A-10同様に本来は対地攻撃機ではないかと思われる。実際、A-10よりは優れているようだが、空中戦で圧倒していたというわけではない。おそらく、F-22ラプターやF-35ライトニングIIなどで戦えるとしたら、比較的楽に倒せるのではないだろうか。ただし、ジャッジメント・デイが2004年なので、F-22は残っていたとしても少数、F-35に至っては試験機のみのはず。よって、アメリカ製のF-15イーグル、F-16ファイティングファルコン、F/A-18ホーネット、ロシア製のSu-27フランカーなど、開発国以外でも使用されていて、総生産数の多い第3世代戦闘機を抵抗軍はなんとか発掘すべきではないだろうか(ジャッジメント・デイ以降、整備されていないとしたら、飛べない可能性が非常に高いのだが)。なお劇中では、マーカス&カイル(+スター)のチームがハンターキラーに狙われるが、捕らえて引きずっていたモトターミネーターを吹っ飛ばしてぶつけてダメージを与えるという、拍手したくなるような離れ業を披露してくれる。

ハンターキラー。ジェットエンジンの角度を可変させられるので、ホバリングも可能橋の上での死闘。このあと、マーカスたちの強烈な逆襲がハンターキラーの撃墜シーン。A-10に対空ミサイルが積まれており、ブレアたちが撃墜する

モトターミネーター

 ハーヴェスターのスネに格納されている、追跡を目的とした2輪車型のターミネーター。コンピューターならではの、人間には絶対に不可能な、瞬間的でいて正確無比なアクセルとブレーキのコントロールを行なえる。それにより、MotoGPライダーですら吹っ飛ばされること確実のハイサイド状態ですら制御下に置き、超絶的なマシンコントロールで障害物の回避を行なう。また劇中では、モトターミネーターの視界も描写され、時間感覚が人とは異なり、コンピューターの圧倒的な速さが見て取れる(クルマの残骸の落下速度が非常にゆっくりとしている)。視界内では、どこを目標に移動するかというナビゲーションが行なわれると同時に、クルマの残骸の落下地点や運動ベクトルなども表示されている。興味深いのは、英語での表示があるというところ。スカイネットは生みの親に敬意を払って(?)、英語を利用しているらしい。

 弱点は、やはり2輪車ということで一度転倒してしまうとなかなか立ち上がれないということ。抵抗軍は、そこを突いて破壊する戦法を取っているようだ。どれだけ反射的に対応できても、物理的な運動エネルギーはすぐには消せないので、劇中でジョンはとある古典的な罠でモトターミネーターを転ばせてみせる(ここもちょっとそのローテクっぷりに笑える)。ちなみに、モトターミネーターにはグリップが用意されており、人が乗れるようにもなっている(シートは痛そう)。スカイネットは人間に使わせるつもりでは開発していないだろうから、T-700やT-800ターミネーターに足代わりとして使わせるつもりなのだろうか? なお、マックG監督がお気に入りのイタリアの2輪車メーカー・ドゥカティの協力を得て製作されたそうで、撮影用に4台の大排気量車が提供されたそうだ。

モトターミネーターの側面を描いたコンセプトアート同じくモトターミネーターの正面同じくモトターミネーターの上面
ターミネーター展で展示されていたモトターミネーターモトターミネーターの視界。左下に英語の表示があるのがわかるだろうかマーカスたちがぶっ飛ばしたクルマの残骸を超絶的な姿勢制御でかいくぐるモトターミネーター

T-100

 拠点防衛用の戦車型で、T3に出てきたT-1の発展型。機動力はないが火力が強力なため、T-600などとともに、スカイネットの人間収容所などに配備されている。武装は6連ガトリングガンなど(ターミネーター展に展示されていた機体は、両腕ともガトリングガンだった)。こんなものを向けられた日には、黙っていうことを聞くしかなく、スカイネットに捕らえられた人々も、黙々と従っている。ただし、背面からの攻撃には結構弱そうで、おそらく抵抗軍も囮が引きつけておいて、背後から一撃を加えるという戦法を取っているのではないだろうか。特に、尾部には後方への転倒を防ぐための(T-100はその形状から重心が後方に寄っていると思われる)3つ目のクローラがあり、ここは構造的に弱点なのではないかと思われる。なおT4では、シリーズでお馴染みのターミネーターが骸骨を踏み潰すシーンとして、T-100のクローラが次々と踏み砕いていくシーンがある。ターミネーター展に展示されていたT-100が1分の1ということなら、全高はおよそ2m。全長は1.8m、全幅は2mぐらいだが、T4の映像から判断すると、全高は人の倍近くはありそうなほどのサイズを有するようだ。

ターミネーター展のT-100。威圧感は抜群後部のキャタピラ。ここは構造的に耐久力が低そうな感じ。おそらく、弱点の1つ収容所の1シーン。手前のT-600に目がいってしまうが、画面奥中央と右にボンヤリとT-100が写っている

T-600

 潜入型と呼ばれる、抵抗軍に紛れ込むことを目的とした人型ターミネーターの初期モデル。2m19cmの巨漢で、皮膚もゴム製なら、音声も人工的と、潜入型なのに潜入は事実上無理といえる外観と機能となっている。2018年時点ですでに生産が終了しており、稼働中の機体は拠点防衛やパトロールなど閑職に利用されている。しかも、劇中の映像から判断するに、ゴム製のマスクはどの機体もボロボロとなっており、すでに手入れもあまりされていないという雰囲気(保証期間が終わって、サポート打ち切り?)。ロサンゼルスの街中でパトロールしていた機体に関しては、歩き方もどことなくぎこちないなど、関節周りに整備不良を起こしつつある雰囲気も感じられた。また、フレームの材質がT-800型ほど高品質ではないようで、長い年月の間にエンドスケルトン(内骨格)のボディがさびている機体も多い。ジョンのラジオ放送によれば、「運動皮質が首の後ろにのぞいており、そこを刺せば追跡機能をマヒさせられる」ということだ(どれだけ犠牲を払って、これを発見したのだろうか)。この追跡機能をマヒさせないと、上半身だけでもはいつくばって追いかけてくるほど。

 デザイン的には、1984年のT1でT-800が登場しているため、それよりも古い感じを出す必要があり、苦労したようである。なお、T-600、T-700、T-800のエンドスケルトンの見分け方は、胸部フレームの形状の差異が比較的わかりやすい。もちろん、T-600とT-800では、T-800の方が非常にスリムなので、並べればすぐ区別がつくのだが、単体で、しかも劇中では暗かったりして色味もわかりにくかったりするのだ。また、胸部の縦のフレーム(人間でいうところの胸骨)もそれぞれ異なっており、T-600の胸部フレームには縦の長方形がかたどられていて、その下のみぞおちに近い辺りには漢字の「小」の字のような3本ラインが入っているのがワンポイントとなっている。ちなみに、身長は2m40cmという資料もあるが、T-800の1m83cm(おそらく、生体細胞を待とうと、最終的にアーノルド・シュワルツェネッガー氏の1m87cmという身長になるのだろう)と比較すると、だいたい2m19cmとなる。T-700の解説で紹介するT-600、T-700、T-800、マーカスの4体のエンドスケルトンが並んだ画像があり、同縮尺と仮定してドット数から計算すると(T-800はまっすぐ立ってないようなので、少し測りにくいのだが)、T-800のエンドスケルトンはターミネーター展で1m83cmと表記されていたことから、2m18cm±1cmという結果になる。よって、2m19cmが正解だろうというわけだ。

T-600のアートワーク。大型でごついターミネーター展のT-600等身大のT-600フィギア。ロサンゼルスの街中をパトロールしていた機体がベースと思われる
イベントなどで利用されている、顔を振ったり、口の開閉を行なえたりするラジコン型のT-600ブラックホークに踏み潰された状態で、ジョンに撃たれるのはT-600上半身だけでも追ってこようとするので、頭部を破壊して確実にとどめを刺す必要がある
序盤の戦闘場面と思われる。腕の太さなどから、おそらく上半身だけで迫ってくるT-600これもT-600。スカイネット内での一場面同じくスカイネット内での一場面で、ジョンが後方にいる。こちらもT-600
メイキングカット。ラジコン型のロボットのT-600の調整をしている様子

T-700

 潜入型の中ではT-600型の次に開発されたタイプ。T-600型よりも小型化しているが、それでもまだT-800やマーカスと比較すると大きい。T-600同様に、4体のエンドスケルトンが並ぶ画像を使って比較すると、2m±1cmとなった。特徴としては、T-600よりもより俊敏にも動ける点が挙げられる。今回は直接T-700と抵抗軍が戦闘するシーンはあまりなかったように思われ(動きが速いと、色味的にも似ているので、T-600と区別するのが難しく、見落としているだけかも知れない)、スカイネット内でエンドスケルトンの骸骨のみが映されたぐらいだったように思う。もしかしたら、最新モデルのT-800型の量産が始まっているので、T-600同様に生産停止となっているのかもしれない。

 なお、ゴム製の皮膚もしくは生体細胞などをまとった人間に化けたタイプも出てこなかったようだ。おそらくは、低くなったとはいえ身長がまだ2mもあるので潜入型には不向きと判断され、なおかつ肝心の生体細胞に関する技術が完成していなかったからではないかと予想される。ほかの人型ターミネーターとの区別方法は、やはり胸部フレームの形状。そして胸骨に当たる部分に、形状は異なるが、上下に2つのほぼ四角の穴が開いており、わかりやすい(防御面で弱点になるのではないかと思うのだが、重量軽減のための措置か?)。また、T-600とT-700のエンドスケルトンの顔の見分け方については、額がポイント。T-600は四角くヘコみがあるのだが、T-700は「V」の字が2つ並んでいるような、稲妻型になっており、ここがわかりやすい違いだ。

T-700のアートワークT-600、T-700、マーカス、T-800の順でのエンドスケルトンを並べたアートワークT-700の首。額の部分に稲妻型の彫り込みがある

T-800

 ご存じ、旧3部作でアーノルド・シュワルツェネッガー現カリフォルニア州知事が演じた潜入型のターミネーター(正確には、T3ではT-850型)。2018年時点では、量産が始まって間もない最新型で、スカイネットの工場区画内で、過剰生産で余剰在庫が発生しているのではないかと思われるほど、次々と生産されている。シュワルツェネッガー型は「モデル101」と呼ばれ(旧3部作では、サイバーダイン101とも呼ばれた)、モデルナンバーが異なると、顔立ちや体つきなどが異なる。身長や手足の長さまではおそらく変更できないのではないかと思われるので、モデルが異なっていても、上背とプロポーションは似たようなものになることだろう。今回は既報の通り、T-800型モデル101が初陣を飾る。シュワ氏がデジタル出演しており、若返って暴れるのだ。

 ちなみに、デジタル出演とあらかじめ聞いていても、実際に目の当たりにしたら、1984年頃の若い本人にしか見えず、目を疑ってしまった。たぶん表情がないことが、CGでもリアルに見える要因ではないかと思うが、これでT5、T6もシュワ氏が直接出なくても安泰だ? ちなみに、T3に登場したT-850はT-800のバージョンアップ版という設定だが、演じるシュワ氏が50代に突入して20年前の若々しい肌つやではなかったから、ということらしい(T-800初老バージョンということで、生体細胞のはりや艶が落ちている?)。もしシュワ氏が直接出演していたら、もう還暦を迎えているので、T-860になるに違いない(笑)。なお、T-800が原子力で動作するのに対し、T-850は水素電池で動作するというクリーンな(?)設定だった。しかし、今回のT-800は、やはり原子力(詳細は不明だが、放射性物質を利用していることは間違いない)のようだ。T-800の見分け方は、フレームが銀色のタイプならすぐ見分けがつくが、フレームが黒系の地味な色をしたタイプもあり、そんな時はやはり胸部のフレームの形状が一番。また胸骨部分は、T-600のようにマークのようなものはないし、T-700のような穴もないので、これまた見分けやすくなっている。

T-800のアートワークT-800を生産する工場を描いたアートワークまだ生体細胞の残るT-800モデル101。初の実戦投入された機体で、量産初号機?
スカイネットに侵入したジョンを待ち受けていたのは、生産中の多量のT-800T-800は、24時間フル操業で増産に次ぐ増産が行なわれているようだが、未完成品ばかりの模様台車に乗ってやってくるT-800のエンドスケルトン。目が赤いため、起動はしている
かなりわかりにくいが、おそらくT-800。フレームが黒色のバージョンもある攻撃を受けて、生体細胞が燃えていくT-800

マーカスの内部に迫る-スカイネットの最新技術が導入されたターミネーター?

 せっかくなので、合わせてマーカスのボディのことも触れておきたい。エンドスケルトンの画像を見る限り、肋骨を模した胸部フレーム、腹部に絡み合うようにして収められたケーブル類、同じくケーブルが四肢に伸びているなど、Tシリーズとはかなり異なるコンセプトがうかがえる(肩の辺りは似ているが)。T-800と身長が変わらないことから(計算によれば1~2cm高いぐらい)、ダウンサイジング技術が導入されており、もしかしたらT-800よりも新しいのかも知れない。

 もし2018年に近くなってからマーカスのボディが開発されたとすると、その間、マーカスの脳と心臓はどうやって生かされていただろうか。おそらく、スカイネットはT-800の生体細胞に見るように、栄養や必要物質などを接種せずに生かしておける技術を有しているとので、それを活用したのだろう(生体細胞の維持技術が何年の時点で完成したのかは不明だが)。実際、劇中でマーカスは、ほかの登場人物とは異なり、一切食事を取らない。そのため、マーカスがハイブリッド・ターミネーターであることをまったく知らない人が観ていても、彼が普通の人間ではないことが徐々に感じられるようになっている。となると、マーカスのエネルギー源が、原子力系だと心臓や脳によくないから、生体細胞にはダメージを与えないものを利用しているのではないだろうか(放射線などを完全に遮蔽しているということも考えられる)。

 また、彼のフレームの構造だが、これだと人と違う構造をしていると、身体に触れられたら普通ではないことがわかってしまうような気がする。暖を取るために服を着たまま身を寄せ合っただけだが、ブレアは特に気がつかなかったようである。生体細胞は筋肉も完全再現しているようなので、それでわからないようにしてあるのだろうか。

 また、人間は身体の各所でさまざまなホルモンが分泌されており、副腎髄質から分泌されるアドレナリンのように脳神経系に影響を及ぼすものもある。そこら辺はどう対処しているのか不明。それから、脳には血液が送られているはずだが、赤血球を生産する骨髄がない点はどう対処しているのだろうか。寿命が来て壊れた老廃物となった赤血球は人工透析機のような濾過装置などで間に合わせられるかも知れないが、人工血液でも使っているのだろうか? 心臓と脳だけを維持するというのは非常に大変そうである。

マーカスのエンドスケルトン実にいい表情のマーカスによるPC用壁紙。映画を鑑賞し終わった後に見ると、いろいろと思うところが

 以上、ターミネーターガイド、いかがだっただろうか。スカイネットの中で、どのように設計し、実際に開発を行なっているのか、できることなら取材したいところである(笑)。そんな冗談はさておき、いよいよ今週末から全国ロードショーなので、各ターミネーターがどんな活躍をするのか(人類をどれだけ苦しめるのか)、あれこれ予想しつつ映画館に足を運んでみてほしい。

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(デイビー日高)

2009/6/8 18:42