スピーシーズとセガトイズ、コミュニケーション・ロボットを共同開発へ
スピーシーズ株式会社と株式会社セガトイズは共同で、コミュニケーション・ロボットの新商品を開発する。スピーシーズ代表取締役の春日知昭氏が、米シリコンバレーで開かれた起業家向け会議「TiEcon 2009」で明らかにした。スピーシーズのロボット開発ノウハウとセガトイズのブランド・マーケティング力といった双方の強みを持ち寄り、2010年初旬をメドに新しいロボットが商品化される見込みだ。
スピーシーズの春日氏は今後の事業拡大と海外展開のために、米国の投資家などから10億円の出資を受けたい考えだ。このためインド系起業家の主要会議である「TiEcon」で、投資家向けに会社概要と事業モデルを発表した。そのマーケティング戦略の中で、同社がセガトイズと協力していることが明らかになった。
スピーシーズが発表・デモを行なったレセプションの会場 | 事業発表するスピーシーズ代表取締役の春日氏 | ロボット「SPC-101C」を使ったデモをする春日氏 |
【動画】ロボット「SPC-101C」のデモ | 【動画】ロボットが笑って最後にくしゃみをするデモ | マーケティング戦略の中にセガトイズの社名が |
スピーシーズは昨年、「ロボット放送」のサービス展開について発表したが、今回はそれを一歩進めて、人間と双方向にやり取りができるコミュニケーション・ロボットの開発方針について明らかにした。
同社はインターネットにつなげたロボットの家庭利用について突き詰めようとしているが、ロボットと人間の双方向のやり取りを可能にする音声認識エンジンと、ロボットの発声を担うスピーチエンジンなどを含むシステムを開発した。また、各ユーザーの特性や趣味などを蓄積しておく「Robot Information データベース」の開発にも取り組んでいる。将来的には、このデータベースの情報をもとに各ユーザーにあった広告を提供するサービスも考えている。
これらの機能はネットワーク側にあり、ユーザーはロボットを通じたサービスとしてスケジュール管理やニュース・情報の取得ができるので、スピーシーズではIT業界で流行している「クラウドコンピューティング」の一種であると位置付けた。
春日氏は会議前にシリコンバレーのベンチャーキャピタルもまわったが、「ロボットはパソコンよりもfriendly(フレンドリー)なITデバイスであると話すと、米国の投資家には分かりやすいようだった」と語っている。
また、「ロボット放送」の発表時に明らかにした、小型ヒューマノイド・ロボット「NNR-1」の価格帯は6~8万円を想定していたが、セガトイズと開発する新ロボットは「200~500ドル」の価格帯を狙っている模様だ。なお、春日氏によると「NNR-1」の開発は現在、中断しており、セガトイズとの共同開発を優先させているという。
スピーシーズの考える“クラウドコンピューティング” | 新ロボットが狙っている価格帯は200~500ドル |
2009/5/18 14:50