富士ソフトの二足歩行ロボットが初公開

~正式発表は2010年1月下旬の予定


 富士ソフト株式会社は12月20日、主催する「第21回全日本ロボット相撲全国大会」のイベント中において、開発中のヒューマノイドロボットを公開した。ロボットの開発は同社としては初めて。詳細については、2010年1月下旬の記者発表会で公表される予定だ。

全日本ロボット相撲全国大会は、国技館(東京・両国)にて開催同社が開発中のロボットは決勝戦の前に披露された色違いの2体が登場したが、スペックは同一とのこと

 製品の名称・価格などについては未公開。教材用とされており、大学・高専などを対象として販売される模様だ。

 詳しくは来年の正式発表待ち、と言いつつも、ハードウェア・ソフトウェアのスペックについては、かなりの部分が明らかになっている。

 まずハードウェアについては、PCアーキテクチャがベースとなっている。CPUはIntelのAtom/1.66GHzを採用。この上で、OSとしてリアルタイムLinuxの「Ubuntu」が動作しており、専用ミドルウェアや専用クラスライブラリが提供される。統合開発環境「Eclipse」を使って、ユーザーは自由にアプリケーションを作成することができる。

 ロボットの全高は39.8cm、重量は1.56kg(KHR-3HVとほぼ同じ)。自由度は全体で20軸。腕3軸×2、脚6軸×2、頭部2軸という構成になっており、二足歩行を始めとする本格的な動作が可能だ。今回、デモではテーブル上での歩行が披露されたが、不整地でも安定して歩行できるよう開発が進められているそうだ。

【動画】二足歩行で登場したシーン【動画】力強い四股を披露【動画】選手にエールを送った

 顔認識、音声認識/合成などの機能を内蔵しており、これらをユーザーインターフェイスとして利用できる。また無線LANも搭載しており、天気予報やニュースなど、インターネットを活用したアプリケーションも構築できる。

 前述の通り、価格についてはまだ明らかになっていないものの、コンセプトの1つに「低価格化」がある。デモ中でも、ロボット自身が「本格的なロボットでありながら、コンシューマプライスを実現できた」と紹介しており、期待を持たせた。

会場ではパネル展示も行なわれていた配布されていたパンフレット

(大塚 実)

2009/12/21 14:41