【iREX2009】韓国、台湾のブース


 「2009国際ロボット展」では韓国、台湾の企業もそれぞれのゾーンにロボットを出展していた。円高のためか、前回よりはブースの数も少ない印象があったが、中には日本語のパンフレットを用意して配布していたブースもあり、日本のロボットマーケットに力を入れようとしている会社も増えて来たようだ。目についたものをレポートする。

韓国館

韓国館

 韓国からのロボットは、大韓貿易投資振興公社/韓国ロボット産業協会によって「韓国館」としてまとめて一つのゾーンに出展されていた。

 目立っていたのが「genibo」という犬型ペットロボットを出展していたDASAROBOT社だ。日本人なら誰でもソニー「AIBO」を思い出さずにはいられない外見のこのロボットは2005年に発表された。重さは1.6kg、15自由度で、頭、背中、脇腹、アゴにタッチセンサーを持ち、音声認識で「おすわり」「立て」といった命令に従う。鼻部分はカメラになっていて、顔認識を行なうことができる。目はLEDだ。関節部分にはスリップギアが採用されており、壊れにくいようになっているという。

 「コントロールマネージャー」というソフトウェアを使う事でユーザーはgeniboのモーションを編集してダンスを踊らせたり、音声メッセージやMP3ファイルを録音・再生したりできる。遠隔操縦も可能だ。

 C&Robot社はMicrosoft Robotics Developer Studioに対応したロボット教材、教育カリキュラムなどをアピール。小型ヒューマノイド「CNR-MF01-MRDS」、四足歩行ロボット「CNR-14MI」を出展していた。

 ハンウルロボティックス(Hanool Robotics)社は自動掃除ロボット「オートロS(OTTORO-S)」を出展し、ブース内でデモンストレーションを行なっていた。大きさは37cm、奥行きは12.5cm。重さは4.3kg程度。バッテリはリチウムイオンで自動充電機能を持っている。ブラシではなく排気還流掃除方式を採用。また底面についた埃を静電気掃除布が再度掃除することで清潔さを保つ。これらの特徴によって従来のロボット掃除機よりも清潔になったとして「ヘルスケア掃除ロボット」とPRしていた。

【動画】DASAROBOT社の「genibo」C&Robot社4足歩行ロボット「CNR-14MI」Hanool Roboticsの「OTTORO-S」

 DRB Fatec社は消防ロボット「FIRO-F」や移動ロボットプラットフォームを出展。消防ロボットは現在研究開発中でいま3号機まで作っているが、今回は2号機を出展していた。IMTECHOLOGY社は、「ROBO CAFE」というコンセプトでブース展示を構成。サービングロボットを出展していた。

DRB Fatec社「FIRO-F」IMTECHOLOGY社のブースサービングロボット

 国内でも知名度の高いROBOTIS社は、同社のロボット用サーボモーターDYNAMIXEL(ダイナミクセル)を使ったロボットキット「バイオロイド」と、プログラミングソフトウェア「RoboPlus」をPR。バイオロイドプレミアムキットは、ダイナミクセル「AX-12」を18個使ったロボットで、ジャイロ×2、距離センサー、赤外線センサー×2のほか、半透明キャラクタースーツ付きのヒューマノイドが組めるキット。充電器や+取りアバーなどもセットになっている。

 MINI ROBOT社は「METAL-FIGHTER」という二足歩行ロボットを出展。高さ32.5cm、重量1.2kg。16軸でサーボのトルクは9kg/cm。バッテリはニッケル水素。制御ボードは「MR-C3024FX」で全部で24個のモーターと16のアクセサリーモジュールを接続することができる。「RoboBasic」というソフトウェアを使って教示が可能だ。

 Roborobo社は「ロボキッズ」という幼児向けのロボット教材を出展していた。ブロックを組み立て、「ファニーカード(Funny Card)」と呼ばれるバーコードカードをリーダーに読み込ませることで動きをプログラミングするロボット教材だ。モーター、センサー、CPUもブロック化されている。NTリサーチ社は展示やアニマトロニクスに用いる「遠隔操縦式ヒューマノイド」や6軸のアームモジュール「RoMAN-MD」を出展していた。

ROBOTIS社ブースバイオロイドプレミアムキットDYNAMIXELをPR
MINI ROBOT社「METAL-FIGHTER」Roborobo社の「ロボキッズ」NTリサーチブース

 YujinRobot社はパートナーロボット「iRobi」などを出展。またWEROBO社は韓国のヒューマノイド「HUBO」のペーパークラフトなどを出展し、販売していた。

YujinRobot社の「iRobi」WEROBO社のペーパークラフト

台湾ロボット産業発展協会ブース

台湾ロボット産業発展協会ブース

 台湾からは、「台湾ロボット産業発展協会」のブースに6社が出展していた。2005年に設立されたinnovati社は「BASIC Commander」というボードコンピュータを使ったロボットを出展。「BASIC Commander」と各センサーモジュールやアクチュエーターを「cmdBUS」で接続してロボットを構築する。キットとしてタンクや移動ロボット、6本足ロボットのほか、6自由度、12自由度の二足歩行ロボット、16自由度のヒューマノイドなどを商品化している。

 Shayang Ye Industrial社からも小型ヒューマノイドが出展されていた。またGeStream Technology社からは同社が「世界最小のヒューマノイド」と呼ぶ小型ロボ「BeRobot」が出展されていた。

Shayang Ye Industrial社ブースGeStream Technology社「BeRobot」

(森山和道)

2009/12/2 16:41