大阪市・扇町キッズパークに最先端ロボットが大集合!!「ロボットパーク」8月9日まで開催

~NEC「PaPeRo」のプログラムを体験するワークショップを実施


 8月4日(火)~9日(日)まで、キッズプラザ大阪・扇町キッズパークの1Fアトリウムにて、RT(ロボットテクノロジー)関連企業の製品やパネルを展示する「ロボットショールーム 2009」が開催されている。主催は大阪市・ロボットラボラトリー。時間は、10:00~18:00。入場料無料。

 大阪市は「ロボットラボラトリー」が中心となり、RTを活用したビジネスの創出支援に力をいれ、新製品・サービス開発の支援を行なっている。ショールームには、2mの二足歩行ロボット「はじめロボット33」やさまざまなコミュニケーションロボット、RTを搭載したシステムが展示されている。8日(土)、9日(日)には、ロボットの実演も行なわれる。

ロボットショールーム有限会社はじめ研究所の2mロボット「はじめロボット33」。扇町キッズパーク

NECのPaPeRoをプログラムするワークショップ

 5日には、NECのコミュニケーションロボット「PaPeRo(パペロ)」のプログラムを作成するワークショップが実施された。小学生高学年を対象としていたが、幼稚園児も参加して、初めてのプログラミングでロボットを動かした。

ぱぺろっち! ワークショップNEC コミュニケーションロボット「PaPeRo」

 子ども達は自己紹介を終えると、3~4名でチームを編成した。プログラミングには、MIT Media Labが開発した子供向けプログラミング環境「スクラッチ」を使用。最初に、PaPeRoを前進させたり、しゃべらせたりという簡単なモーションの作成をしながら、スクラッチの使い方を覚えた。モニターの左側にある「動き」「制御」「見た目」などのブロックをドラッグ&ドロップでスクリプトエリア内に配置し、PaPeRoを前進させたり、ほほの色を変える方法を学んだ。

自己紹介の後、チーム分けをしてワークショップを開始モーション作成画面例題にしたがって、スクラッチでのプログラムを学ぶ

 20分程で一通りの学習を終えると、チーム毎にPaPeRoが1日働くことになったという設定で、プログラムを作った。作例として「歌が下手なミュージシャンが、カエルの歌を歌う」というPaPeRoの動きが披露された。モーションのストーリーは、PaPeRoが「歌を歌うね!」と言って、カエルの歌を歌う。しかし、ヘタなので恥ずかしそうにテレてしまう。その後、「楽器を演奏するね」といって、上手に演奏する、というもの。

サンプルプログラム。「歌がヘタなミュージシャンがかえるの歌を歌う」歌った後に恥ずかしそうにウロウロするPaPeRo

 30分の制限時間で作るにはかなり難しい課題だと思ったのだが、子ども達はチーム内で相談しユニークなプログラムを作成した。

 まず、プログラムに取りかかる前に、「PaPeRoモーション設計書」にどんな性格のPaPeRoが、いつ・どこで何をするのかを書き込む。事前に用意されている「キャラクタ」カードには、店長や芸人、学者、先生などの職業が描かれている。職業を選び性格を決めて、それにふさわしい動きを考える。そして、PaPeRoの基本的な動き、「(顔を)あっち向きこっち向き」「行進する」「右往左往する」「お腹を触ると照れる」が書かれているカードを選び、設計書に貼る。

 カードの裏にはサンプルコードが表示されているので、設計書に従って順番に作業を進めれば、小学生低学年でもカンタンにオリジナルのモーションを作成できるカリキュラムになっていた。

 例えば、わさびチームは「酔っぱらいが、ウロウロしながら叫ぶ」ストーリーを作るために、「酔っぱらい」キャラクタと、動きとして「右往左往する」と「キーボードの動きに合わせてPaPeRoを動かす」のカードを選択。「叫ぶのはどうするの?」と言われて、「いろいろしゃべる」カードを追加していた。

PaPeRoモーション設計書。キャラクタと、モーションカードを貼り、ストーリーを考えるScratch*PaPeRoカード。ピンクがキャラクタ(職業)、オレンジが動作、赤がセンサーのプログラムサンプルモーションカードの裏には、サンプルコードが記述されている
チームで話し合い、PaPeRoの職業を決めストーリーを考えるストーリーどおりにPaPeRoが動くか、動作チェックプログラムを組む子、ロボットの面倒を見る子と自然と役割分担をしていた

 単にプログラムを学んでロボットを動かすのではなく、チーム内で相談してストーリーを考えることが目的のワークショップになっていた。マウス操作が得意な子、ローマ字入力が出来る子、ロボットの面倒を見る子と役割分担しながら、全員が楽しそうに参加していた。

 プログラムが完成すると、作品の発表会を行なった。チーム全員で前に出て、設計書を示しながらどんなモーションを作ったのか苦労した点を発表し、実際にPaPeRoを動かした。

作品発表会サバチームの「恐がりな先生」のモーション設計書さばチームは、「恐がりな先生が、夜の教室でお化けがでてきて驚く」というストーリー。PaPeRoが後ずさりして、「ヘルプ・ミー」といった後に「きゃ」と叫ぶ
わさびチームのPaPeRoは、「さけーさけー」「もぉえぇぇ」と言いながらほほを染めて動き回る。本当の酔っぱらいみたいで面白いと好評最後にPaPeRoを抱いて記念撮影ワークショップ後のミーティング。
参加した子ども達の感想。「動かせて楽しかった」という声が多い

「ロボットショールーム2009」展示ロボット

 ショールーム内には、「ロボカップ世界大会2009」で総合優勝しベストヒューマノイド賞を受賞したダルムシュタット工科大学(ドイツ)が使用したのと同型の自律サッカーロボット「はじめロボット18」や、身長2mの二足歩行ロボット「はじめロボット33」のほか、ホビー用二足歩行ロボットキットや、学習用ロボットなどが展示されている。また、「HELLO kitty ROBO」と会話したり、恐竜ロボット「PLEO」に触れたりできる。

自律サッカーロボット「はじめロボット18」。「ロボカップ世界大会2009」でベストヒューマノイド賞を受賞したのと同型(有限会社はじめ研究所)株式会社メディアフィッシュの「The Cube」。床に投影された映像が、人の動きに反応する二足歩行ロボットアミューズメント機器「プチロボキャッチャー」は1日5回体験操縦のチャンスがある(メカトラックス株式会社)
国際バイタルディバイス有限会社の「インファノイド」は、子ども達と、「あっち向いてホイ」で遊ぶビジネスデザイン研究所の成長する恐竜ロボット「PLEO」フルタニ産業株式会社の「横招きロボット」。夏休みの自由研究に適したロボットキットの作品例
ヴイストン株式会社の教材ロボットシリーズ「Beauto Chaser」「Beauto Racer」「Beauto Balancer」超音波センサー搭載ロボットカー「スターアイ-RT」。超音波で対象物の位置や動きをリアルタイムにとらえ、自律移動するネットワークロボット開発と技術の実用化への取り組み
RT創造都市を目指した取り組み最新ロボットテクノロジー紹介パネル

(三月兎)

2009/8/6 16:28