ソニー・エクスプローラサイエンス「第15回分解ワークショップ」レポート

~ソニー製品を分解して学べる体験イベント


会場は、普段は3D映像を上映する大型スクリーンが設置されている「シアター&ワークショップゾーン」

 お台場のフジテレビ本社前にある、ソニーが運営する施設メディアージュ。その5階には、同社の各種技術を活用した、光と音とエンターテイメントが題材の体験型サイエンスミュージアム「ソニー・エクスプローラサイエンス」がある。ここでは、年に数回、無料の体験イベント「分解ワークショップ~モノの仕組みをしろう~」を開催している(ソニー・エクスプローラサイエンスの入場自体は有料)。小学3~6年生とその保護者の2名、総勢24組48名が参加できるイベントだ。

 内容は、ノートPCのVAIOやブルーレイディスクプレーヤーなど、ソニー製品をその開発者の方々に手助けしてもらいながら、一緒に分解して中味を見ることができるというもの。製品は若干前のモデルだが、電源が入り、まだ使えるものばかりで、同社のファンじゃなくても「もったいない!」と思ってしまうだろう。実際、お子さんよりもお父さんが分解したくて子供をダシにして参加するという人も多く(記者も人のことがいえないが)、高性能なソニー製品を分解して中味を見られるということで非常に競争率の高いイベントとなっている。

 第15回は、6月27日(土)、28日(日)に開催され、今回、同館の協力を得て、記者が小5の娘と一緒に実際に参加、体験させてもらった。最後の方は、思わず取材も子供の面倒を見るのもそっちのけで(笑)楽しんでしまったのだが、その模様をお届けする。

楽しみながら精密機器を分解して学べる体験イベント・分解ワークショップ

 ソニーの創業者である井深大氏は、幼少時に体験した「時計の分解」が自分にとってのものづくりの原点となったという。記者もこっそり時計を分解して、完全に元通りに直しきれず、目覚まし機能を壊してしまった記憶があるが、そうしたことをいまの子供たちに経験させてあげたいということでスタートしたのが、分解ワークショップというわけだ。

 同社OBで、「カリスマ分解博士」こと金子金次氏がそうした経緯を語るところから同イベントはスタート。また金子博士は、「分解」も「破壊」も物をバラバラにすることでは一見同じようだが、行為としてはまったく異なるということも漢字を使って説明してくれた。分解は「分けることで解る」だが、破壊「破って壊れる」であり、改めて説明されて、分解という熟語の奥の深さにうならされた次第だ。

 金子博士は、今回のイベントで機器を分解して、機械の仕組みを理解していってほしいとコメント。また分解ワークショップでは、「コミュニケーションと協調の育成(対話と相互理解)」「親子で力を合わせて分解に挑戦」「社会で活躍する大人と話ができる」「道具が正しく使えるようになる」「機械の中を見て仕組みに関心を持つ」の5つを体験できるとした。

 そして前述した通り、サポートとして実際にソニーの各企業で開発に携わっている開発者・技術者=「博士」たちが参加してくれる点も、同イベントの特徴。各日15人ずつの参加だが、どの人も携わっている部門がほぼバラバラ。VAIO部門所属の人もいれば、メモリースティック部門の人もいるし、テレビ、半導体、カメラ、カーオーディオ、などなどさまざまな部門の人たちがいて、実に多種多様。店頭で売られている製品そのものの開発に携わっている人もいれば、そうした機器の内側に搭載されているCPUなどのコアの部分の開発をしている人もおり、改めて、同社がどれだけ多くの製品を開発しているかがわかった次第。

 博士たちは、イベント冒頭の同館館長の挨拶、前述した金子博士の話に続き、全員が自己紹介とひと言ずつの挨拶を実施。白衣を着た博士たちがズラリと並んだ姿は、なかなか壮観だった。これだけの部門の開発者・技術者が垣根を越えて集まるということはそうそうないそうで、また博士たちも、自分の担当する以外の製品の中味を見られるということは滅多にないので、皆さんそれぞれこの日をとても楽しみにしていたそうだ。中には、自分が分解したいという博士もいたほどである(笑)。

ソニーOBで、カリスマ分解博士こと金子金次氏ソニーの多種多様な開発部門からはせ参じた15人の博士たち

 今回の体験で用意された製品は、2日間で48台。ノートPCとデジタルビデオカメラが2日間各日5台ずつ、デジタルスチルカメラが3台ずつ、カーオーディオ、ブルーレイディスクレコーダー、液晶デジタルテレビ(BRAVIA)、HDDコンポ、DVDレコーダーがそれぞれ2台ずつというラインナップだ。記者たちは2日目に参加させてもらったのだが、娘が選んだのが、カーオーディオ。VAIOやブルーレイディスクレコーダーなどを選びたかったところだが、本来は抽選の所を取材で参加させてもらっている立場の手前、人気製品を選ぶのは少々気が引けるので、無難な選択である(基本的には会場に到着した先着順で製品を選択していく)。

娘が選んだのはカーオーディオ。カーショップなどに行かないとこの姿はなかなか見られないVAIO。これを分解できてしまうのだから、このイベントはすごい
ブルーレイディスクレコーダー。これもまた持って帰りたい(笑)1台デジタル液晶テレビ「BRAVIA」。バラバラにするのがもったいなさ過ぎる製品ばかり

最初に分解カルテを記入していよいよカーオーディオの分解をスタート

 分解は、まず分解カルテの一部を書くところからスタートする。製品名、型式・型番(モデル番号)、シリアルナンバーなどを、製品のどこかに貼られたシールなどから見つけて記入し、そして機器に使われているであろうネジの本数を予想する。娘の場合は、カーオーディオ、型番がMEX-BT2600、シリアルナンバーが62である。使われているネジの予想本数は、20本。予想と実際の本数との差が10本以内だと、特別なお土産をもらえるというわけだ。あとは分解終了後に、気になった部品の図、難しかったところ、分解して一番の発見などを記入するという構成になっている。そして、分解前にカーオーディオを電源につないでスイッチオン。まだ稼動するところを見て、実際にCDもローディングしてみて、動作する製品であるところをチェックする。なんとも、もったいない気がしてしまうが、無駄にしないためにもしっかりと分解して、親子共々いろいろと学びたいところだ。

分解カルテを記入中。ネジの予想本数は20本だがはたして?使用する道具の数々。初めてのドライバー体験で、しっかり回せるのか?電源をつないで、まだしっかり作動する製品であることを確認。やっぱりもったいない気が

 記者の娘のように、ドライバーやニッパーなどの道具をまともに持つのが今回初めて、というような子もいるので、丁寧に道具の使い方の説明もしてくれる。なんとなく普段使っている記者だが、ここでも改めて勉強になった。正直、記者の娘は学校の勉強は普通だが、少々ぽや~んとしたところのある天然系(よくいえば癒し系)なので、危なっかしいからドライバーを持たせたことなどなく、まともに扱えるのか少々心配だった。

 ところが、意外にもしっかりと扱うので、新たな発見である。4人兄妹の末っ子だから甘えん坊なので(親も末っ子だけに甘やかしてしまうのだが)、すぐこっちに頼ってくるかと思っていたら、そんなこともない。予想外に自分だけでやろうとする。面白そうだと思ったことに対する、子供の集中力の凄さに驚かされた次第だ。ほかの親御さんも何人かが最後の感想の際に述べていたが、親が思っていた以上に初めてなのにうまく道具を操っている子が多かったようで、子供の新しい部分の発見ができてありがたい限りである。

 そしていよいよ分解のスタート。本人的には、見た感じでなんとなくカーオーディオを選んだようだが、VAIOやデジタル液晶テレビほど大きくもないので、持ち上げてひっくり返したりするのが楽そうだった、というのはあったかも知れない。

 持ち上げて角度を変えてみたり、ひっくり返したりして、ネジを探しては、1本ずつ外していき、ネジ受けの小皿に少しずつ溜めていく。ただ、カーオーディオは車載器であるために振動に対して他製品より強く作られており、ネジも外れにくくなっているという。そのため、あらかじめ用意されていたドライバーだとちょっと回しにくいものもあったのだが、すぐに博士が合いそうなサイズのドライバーを見つけてくれ、娘は当初の3本から倍になったドライバーを取っ替え引っ替えして回していく。

 タイミング的に残念だったのは、前日にはカーオーディオ部門の博士がいたのだが、この日はいなかったこと。専門家に話を聞けなかったのは少し残念だが、それでもほかの博士にいろいろと話を聞かせてもらえ、実にためになる。

裏面に頭の大きなネジを見つけ、まずはそこから回し始める。意外としっかりと使いこなす最初のネジを外したところ。ネジは小皿に入れていく段々と溜まっていくネジ。結構いろいろな種類がある

 ちなみに、カーオーディオを分解する上で難しいのは、ネジがガッチリしていることだけではない。振動を考慮した設計のひとつとして、パーツ同士もガッチリとツメを引っかける形でかみ合うようにして組み合わされている点もポイントだ。そのため、ネジを外すそばからパーツをどんどん外せるようになる、というわけにはいかないのだ。それでも、最初の外装パーツがひとつ外れる。背面のオーディオ端子などがある部分のものだ。それが外れると、また新たなネジが見つかる。娘は、パズルゲーム感覚で、ネジ探しとパーツ外しを楽しんでいるようだった。

裏ブタとでもいうのか、裏面の外装パーツを取り外したところ記念すべき分解パーツ第1号今度は横に戻して、上面のネジを外していく
フロントパネルも外せた。フロントパネル自体にネジがついているフロントパネルで隠れていた部分のネジを外していくネジは外したのに引っ張ってもフロントパネルの内側の黒いパーツが外れない?
そういう時は観察が重要。この後、何とか取ることに成功

 ただし、どうしてもネジだけでは外せるパーツに限界がある。そこでまた先生がアドバイスをしてくれ、マイナスドライバーを使って、テコの原理でかみ合っている部分のフックをずらすなどして、外装パーツを外す方法を伝授してもらう。それで上ブタも外すことに成功し、いよいよ中味との対面である。中味は、CDの機構部分がまず詰まっている感じ。次は、これを外すのが目標だろう。

上ブタを外すには、新テクニック、マイナスドライバーをテコとして使う術を利用上ブタがずれて外れそうに
実際に上ブタを外すことに成功上ブタを取った中味。すぐ見えるのは、CDの機構部分

ほかの製品の分解は意外と大変そう

 今回のイベントは、4組でひとつのグループになっており、記者たちのテーブルのほかの親子は、VAIO、ブルーレイディスクレコーダー、デジタル液晶テレビを選んでいた。VAIOに関しては、専門の博士がいたこともあり、分解した状態で電源を入れ、その状態で液晶モニタが光っている所など、なかなか見られないところを披露してもらえ、貴重な体験である。

VAIOの液晶モニタを外したところこの状態でも電源を入れられ、ノートPCや液晶モニタに関する博士の解説が複数のテーブルで行なわれた
ブルーレイディスクレコーダーの上ブタを取ったところこちらはデジタル液晶テレビの裏ブタを取ったところ

 ちなみに、VAIOも、ブルーレイディスクレコーダーもデジタル液晶テレビも、筐体が大きいだけに部品も多く、ゆえにネジも多いく、結構大変なことが判明。腕力のなさはピカ一(笑)の娘なので、コンパクトで軽量なカーオーディオで大正解だったようである。同イベントは4時間あり、分解にかけられる時間はおおよそ2時間から2時間半ぐらいなのだが、その間に終えるのは娘だとちょっと大変そうで、記者もドライバーを回しまくらないと厳しそうである。ぽや~んとしたところのあるホンワカ系の娘であるが、今回のチョイスは間違っていなかったようだ。

 そうやってよその家族の分解の様子を見させてもらっている内に、娘はCDの機構部分を取り外すことに成功していた。中には基板が残るだけとなり、それもネジを外し、外装のケースから取り出す。手にしていろいろな角度から眺めていたが、色がついていて部品としてはハデだからか、かなり気に入った模様。部品の一部を持って帰れるのだが、この基板を選んでいた。そして基板や外装ケースはもうこれ以上はバラせないので、CDの機構部分など残りのパーツのさらなる分解に取りかかっていく。

CDの機構部分を取り出したところCDの機構部分を手に持って見ているところケースとその中に残っている基板
ここまで分解したパーツを並べてみた基板を取り出してしげしげと眺める。娘はなぜだか基板を最も気に入ったらしい

 続いて、CDの機構部分に取りかかったのだが、ネジで組み合わさっているというよりは、金属パーツ自体をかみ合わせているようで、バラバラにするのは大変そうな雰囲気。とりあえず、外側から見えるネジを外していく。すっかりマイナスドライバーをテコにして外す方法を習得したようで、ネジを外し終わって、あとはかみ合っているだけと見切ると、マイナスドライバーの先端を差し込んで、グリグリとこじ開けていく。子供たちの扱いがとても上手な同館広報のHさんもあちこちで手伝っていたようだが、この時は娘の作業を手伝ってくれ、なかなか外れきらない上ブタをきっちり外してもらった。

すき間にマイナスドライバーの先端を突っ込んでテコの原理で上ブタをこじ開けるCDの機構部分の上ブタが外れかかるが、なかなか完全には外れない
同館広報のHさんもあちこちで手助けしてくれていたやっとこさ外すことに成功

 これを外したことで、CDを回転させるモーターやピックアップなどのさまざまなパーツが出現。どう外すかは、まさにパズルである。部品点数を少なくする方向で設計は常に進化しているし、やはりカーオーディオという振動を非常に考慮しなければいけない製品のため、ほかの据え置き型の装置などとは若干違うようで、かみ合っているパーツをどう外すかがポイントのようだ。まずは小型の基板を外すことに成功するが、コード類が何本もついているため、致し方なくニッパーで切断。ドライバー類に続いて、ニッパーも初体験だったが、ハサミとそれほど感覚は違わないので、普通に使えたようだ。

内部がより見えてきたことで、解説をしてもらうCDの機構部分に接続されている小型基板を外すのにコードが邪魔なため、先にニッパーで切断
小型基板を外したので、さらにまた機構部分が見えるように博士の説明を受けているところ

 だんだんと簡単に外せる部分もなくなり、記者も小さなネジを見つけてあげては教えてあげるなどするが、少々分解のペースがゆるやかに。次に何とか外せたのが、モーターのひとつ(CDを回転させているモーターらしい)。これは当然まだ壊れていないので、電池を使えば勢いよく回るというわけで、それを見せてもらう。なんかお土産によさそうなパーツだが、娘的にはあまりパッと来ない感じらしい。

ペースはゆっくりになってきたが、少しずつパーツを外していき、モーターを外すことに成功モーターは電池を使えばまだ勢いよく回る

 さすがにそろそろ娘にはお手上げな感じ、というか分解を堪能してお腹いっぱい(?)になってきたので、記者が本格参入。撮影の手を少々止め、「まだ終わらんよ」とばかりに小さなネジを見つけては外し、フックをラジオペンチで曲げてはパーツのかみ合わせを解き、細くて小さなバネも引っかかりを外し、とにかく外せそうな部分は徹底的に外していく。

 というわけで、いい感じにバラバラになり、カーオーディオの分解は終了。時間もちょうど2時間ぐらいで、そろそろエンディングの認定証の授賞式がスタートという時間帯だ。娘に分解カルテの感想などを書かせ、提出。ちなみにどんな内容かというと、まず「分解に使った工具」。プラスドライバー(いろいろ)、マイナスドライバー、ペンチ、ニッパー、ピンセット、虫めがねという具合。最終的にネジの数は44本となり、予想の倍以上。しかし、VAIOのように160本以上というような、外すだけで気が遠くなりそうな本数の製品もあり、カーオーディオはやはりネジの数的にもちょうど娘のレベルに合っていたようだ。

 今後の分解ワークショップに参加する方は、お子さんがまだ下の学年だったり、今までドライバーを持った経験のないような女の子だったりする時は、欲張らずにカーオーディオなど、ネジが少なめの製品を選ぶのが無難だ。

ほぼバラバラになったカーオーディオ残りを書き込んだ分解カルテ。一部、字が間違っているのはご愛敬ネジは全部で44本

 さらに、「気になった部品の図(イラスト)」は部品の絵を描くのだが、よくわからない(笑)。うーん、基板だろうか? それと連動した設問の「何のための部品でしたか」には、コードみたいなのを差す場所と書いていた。「むずかしかったところ」は、小さなネジを外すのが大変だったこと、何か変なねばねばしたものが指に……、外れると思ったけど、外れなかった物も……という3つが書いてあった。

 何か変なねばねばした物とは、放熱のために伝導性を高めるよう、一部のパーツに塗布してあるシリコングリースのことで、知らない間に指について白くなっていて、それであちこち触ってしまったというわけである。

 「分解してわかったこと、驚いたこと、一番の発見は何ですか?」に対しては、いっぱいネジがあったことと、いろいろな種類のネジがあったこと、としていた。いや、本当にいろいろな種類のネジがあって、種類別で数えても、たぶん10種類はあったのではないだろうか。

 そして、「今度は何を分解してみたいですか?」という設問に対しては、パソコンと回答。いやー、ネジ160本は2時間じゃ無理。VAIOを分解したお隣のお父さんが言うには、後半はもう中味を堪能している余裕はなくて、ひたすらネジを外しまくって、それでも終わったのはかなり終盤になってからという状態だったそうだ。

 たぶん、記者の娘が取り組むなら、のんびりと分解する気持ちで、本当に丸一日にかけないとダメなのではないだろうか。そういえば、うちにも古~いノートPCがあるから、それを今度、分解させてやるか。たぶん、もう電源をつながなくなって5年以上は経っているはずなので、残っている電気でビリっと来たりすることもないはずだし。

 そして最後の「お手伝いしてくれた博士たちにひと言、また『分解ワークショップ』の感想」に対しては、ふだんは分解できない物を分解できて面白かった、としていた。

 この後、最初に分解カルテを提出した子から順番に分解博士ジュニア認定証の授賞式を開始。金子博士が手渡しし、ひとりずつお子さんにひとことインタビュー。将来はソニーのようなものづくりの企業に入りたいという子もいれば、素直に「いや~」と否定気味な子もいて、面白い。

 親御さんも、「自分が夢中になってしまった」というお父さんも多いし、お母さんの中にも「以前から参加したくて仕方がなくて、やっと子供が3年生になったので応募して、運良く参加できてよかった」などという人も。参加した博士たちも、楽しんでいたようである。

 記者も、最後はムキになってバラせるところをバラすのに夢中になり、すっかりカメラは横に置いたままにしていたほどで(笑)、非常に楽しかった。ちなみに、うちの娘は、将来科学者になりたいという(何の科学者かはまだ決まってない)、もとからの理科が好きなのだが、今回の体験で機械の中味を見る楽しさにハマってしまったらしい。「そういうえば、使ってない古いラジカセあったよね? あれ、分解していい?」といい出す具合。そのほかにも古いFAX電話とその子機、前述の古いノートPC、壊れたハードディスクドライブが複数個、古すぎて売ってもお金にならないドライブの壊れたiMac、壊れたビデオデッキなどなど、結構捨てずにそのままにしてある電子機器はあるので、当分、分解するものに困らなさそうである(笑)。

金子博士から分解博士ジュニア認定証を手渡されたところ分解博士ジュニア認定証。記念撮影は、親子で一緒に行えるお気に入りにはこの基板。お土産にした

 というわけで、分解ワークショップ体験レポート、いかがだっただろうか? 前述したように、もともと理科好きの娘だが、ドライバーの回し方をこの日だけで覚えてしまったし、ほかにもニッパーでパツンパツンとコードを切るなど、急に手先が器用になったように見えて驚かされた。機械にもの凄く興味を持ったようだし、お子さんをエンジニアの道に進ませたいという親御さんは、第16回以降の分解ワークショップを申し込んでみてはいかがだろうか。ソニー・エクスプローラサイエンスでは、こうしたものづくり(今回のような分解だけでなく、工作系もある)イベントを定期的に開催しているので、公式サイトをこまめにチェックして、申し込むようにしよう。



(デイビー日高)

2009/7/8 16:44