主要キャラクターを一挙紹介する「トランスフォーマー百科」

~劇中シーンとタカラトミーの玩具で解説


テレビCMでお馴染みのジオラマバックのオプティマスプライムとバンブルビーのツーショット

 いよいよ全国ロードショーに突入した期待の超大作SFアクション映画、「トランスフォーマー/リベンジ」(監督:マイケル・ベイ、配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン)。世界最速先行上映日の19日に劇場に足を運んだ、熱心なファンもいることだろう。既報の通り、今回は、敵味方総勢60体以上のトランスフォーマーたちが登場するのだが、映画をご覧になった人で、どれだけ見分けられただろうか? 味方の主役級のオプティマスプライムやバンブルビー、また敵のボスクラスのメガトロンやザ・フォールン、そのほか活躍した特徴あるトランスフォーマーたち、せいぜい20体ぐらいがいいところではないだろうか?

 ベイ監督の「ファンには映画館で楽しんでもらう」という意向があるため、トランスフォーマーの劇中の画像の使用は限定されており、なかなか公開前はお見せできなかった。しかし、今回はタカラトミーの協力を仰ぐことが得られたので、劇中で活躍するオートボットとディセプティコン両陣営の主立ったトランスフォーマーたちを多数紹介しよう。大多数のトランスフォーマーが玩具での紹介となるが、キッズ向けの商品と思うなかれ。トランスフォーマーを生み出した本家タカラトミーが開発している玩具である。価格に対してかなり精巧に作られており、劇中のイメージを損なっていない。まだ劇場に足を運んでいないという人は、ぜひここで各トランスフォーマーたちの姿を脳裏に焼き付けてもらって、誰がどの場面で活躍するのか確認するのに役立ててほしい。とにかく、戦闘シーンは猛烈なスピードで展開するので、予備知識があるとないとでは大違いなのである。

まずは劇中に登場するオートボットから紹介

 今年は「トランスフォーマー/リベンジ」の商品を展開していくというタカラトミー。秋以降の商品はまだ紹介できないのだが、それでも、5月から8月にかけて発売の多数の玩具「トランスフォーマー ムービー」シリーズの写真を入手することができた。もちろん、ビークルモードとロボットモード(トリプルチェンジャーの場合は、3つ目のモードも)の両方ともである。まずは、正義のトランスフォーマー戦士オートボットから紹介しよう。順番は、目立っていた者から。トランスフォーマー名の後ろのカッコ内は玩具のナンバー、発売時期、価格だ。

【オプティマスプライム(RA-01/発売中/7,140円)】
 ご存知、1980年代に国内で放映されたアニメ(現在では「ジェネレーション・ワン」、略して「G1」と呼ばれる)では、「コンボイ司令官」として紹介されていたオートボットのリーダー。ビークルモードはトレーラー(ヘッド)だ。今回はパワーアップ形態も登場するのだが、こちらはネタバレ的な要素が多分に含まれるため、詳しい話は伏せて、画像を1点だけ紹介しよう。名前は「ジェットパワーオプティマスプライム」だ。また、今回の映画ではオプティマスプライムの過去が語られる点もポイントとなる。彼がどういう存在なのか、ということがよくわかるはずだ。前作時に発売された玩具は、劇中のデザインとは若干異なる部分があったが(映画は最後の最後までCGを修整するのだが、玩具は製作期間の都合上、若干以前のデザインで金型を起こさざるを得ないため)、今回はその部分が修正されている。なお、電池を使用することで、ボディの各部が光る仕組みだ。

RA-01オプティマスプライムのロボットモード。エナジーソードの二刀流で闘う姿を再現劇中でのワンカット。スフィンクスの横に立つオプティマスプライム劇中でのオプティマスプライムの戦闘シーン。右手のエナジーソードが見える
US版ポスターの1つ。そこら中が傷だらけのオプティマスプライム。激戦を物語るイラストだRA-01オプティマスプライムのビークルモードのトレーラー劇中でのオプティマスプライムのトレーラー
パワーアップした勇姿。その名もジェットパワーオプティマスプライム

【バンブルビーおよびカノンバンブルビー(RA-03/発売中/2,415円、RA-14/8月上旬/2,415円)】
 人間側の主人公のサム・ウィトウィッキーのボディガードで、トランスフォーマー側では、オプティマスプライムと並ぶ主役級の活躍をする。こちらも前作時に発売された玩具から一部金型が変更されており、映画版通りの設定となっている。また、8月上旬には、武装強化バージョンの「カノンバンブルビー」も発売される。こちらはロボットモード時には顔の両脇に、ビークルモード時にはボンネットの両脇にカノン砲(12連ガトリングガンにも見える)を備えたデザインとなっている。このスタイルのバンブルビーは前作で登場したのだが、今回は目が追いつかず、未確認。入手しているトレーラー映像や画像を見る限りでは、終盤の戦闘シーン時も備えていないので、今回はこのスタイルにならなかったかも知れない。

バンブルビーのロボットモード。接近戦用のソードを備えているロボットモードのバンブルビーを別角度から映画のバンブルビーの顔のアップ
予告ムービーからの1カット。顔の前にフェースガードを展開したバトルモードUS版ポスターの1つ。こちらも汚れまくりの傷だらけだが、オプティマスプライムほどダメージはなさそう六本木で開催されたワールドプレミアで登場した、全高6.7mの1/1バンブルビー
バンブルビーのビークルモード。GMのブランドの1つであるシボレーの「カマロ コンセプト'06」劇中でのカマロ コンセプト'06。1960~1970年代に流行したアメリカン・マッスルカーの21世紀版デザインが特徴ワールドプレミアで展示されたカマロ コンセプト'06。市販車は3月に米国で発売され、日本では秋を予定
カノンバンブルビーのロボットモード同ビークルモード

【スキッズ(RA-10/発売中/2,415円)】
 劇中では、コミックリリーフおよびキッズ向け担当として、ケンカ相手でもある双子のマッドフラップとともに活躍する新登場の1体。ビークルモードは、コンパクトカーのシボレー「ビート コンセプト」(市販車名は「スパーク」)だ。特徴は、スキッズもマッドフラップも、なんでこんなにひどい顔? というぐらい出っ歯だったり左右非対称だったりするところ。なお、この双子は劇中では合体して、アイスクリーム屋のバンにも変形。今回の8月までに発売されるラインナップには、双子が合体する機構を有した玩具はないのだが、もしかしたら9月以降にはあるかも?

スキッズのロボットモード。目が左右非対称だし、出っ歯だったりする映画のワンカット。双子が砂まみれになっている様子。左がスキッズで右がマッドフラップ
スキッズのビークルモード。シボレーの「ビート コンセプト」に変形する撮影時の様子を映したと思われるカットから。ビート コンセプトはコンパクトカーだ

【マッドフラップ(RA-15/8月上旬/2,415円)】
 前述のスキッズの双子の兄弟。ビークルモードは、シボレー「トラックス コンセプト」。後ほど紹介するが、今回はオートボット側にこの双子のほか、兄弟が2組ほど出てくるのだが、トランスフォーマーの生態については、非常に興味を覚えるところだ。兄弟姉妹ということは、人間の概念が通用するなら親が一緒なのだろうし、さらに双子ともなれば同時期に同じ母体から生まれたと考えられる。もっとも、人間の概念が通用しない可能性もあるが。今回、トランスフォーマーたちの生態に関しても描写されるシーンがあるのだが、さすがにこの疑問に答えてくれるほど細かい部分までは語られておらず、ぜひ詳細を知りたいところである。

マッドフラップのロボットモード。かなり歪んだ顔をしているが……デバステーターの吸い込み攻撃で最大のピンチを迎えてしまう、マッドフラップ
マッドフラップのビークルモード。シボレー「トラックス コンセプト」に変形するマッドフラップが変形するシボレー「トラックス コンセプト」の実車

【ジェットファイアー(RA-13/8月上旬/7,140円)】
 いくつもの戦いに参加してきた古参の戦士。その顔は、まるで老人が長い髭を生やしているかのように見える。ビークルモードは、退役して長い時間が経つが、かつて米軍の有人超音速高々度偵察機として活躍した「SR-71ブラックバード」。そのランディングギアを杖代わりにしている辺りも、老人をイメージさせられる。しかし、彼もまたトランスフォーマーの生態を知る上で、貴重な生き証人となる。よって、映画館に足を運んだ時は、彼の一挙手一投足を見逃さないようにしよう。なお、要チェックなのは、ビークルモード時の左主翼のエンブレム。オートボット側のはずなのに……? でも、ディセプティコンのエンブレムにしても何か変な感じが。目の色もオートボットのブルーではなくて、レッド。ここら辺の答えも映画館で語られているし、オートボットとディセプティコンの戦争のあり方についても少しわかるので、聞き逃さないこと。

ジェットファイアーのロボットモード。単体では大型の部類に入るトランスフォーマージェットファイアーを別角度から劇中の1シーン。長い髭を生やしたガンコそうなじいさんという感じ?
目が赤いので、ディセプティコンのカラーリングなのだが……ジェットファイアーのビークルモード。左の主翼のエンブレムには隠された意味が

【オートボットウィーリー(RA-09/発売中/2,415円)】
 ラジコンカーのモンスタートラックがビークルモードの、偵察型の小型トランスフォーマーで、笑わせ役の1体。劇中では単にウィーリーと呼ばれている。彼にも秘密があり、この記事を読んでから映画館に行くと、劇中で彼が初めて登場してきた時には、きっと疑問に感じることがあるはず。だけど、物語が進んでいく内に、意外な形でその疑問は解消されるので、お楽しみに。

ウィーリー。女性の母性本能をくすぐる(?)かわいくてコミカルなトランスフォーマー同ビークルモード。モンスタートラックのラジコンカーに変形

【サイドスワイプ(RA-04/発売中/2,415円)】
 今回新登場する1体で、ビークルモードは、シボレー「コルベット スティングレイ コンセプト」。ちなみに同車は、今年2月のシカゴモーターショーで披露されたばかりの1台だ。劇中では、バンブルビーのカマロとスピードで競り合うようなシーンを見せるなど、高速戦を得意とするトランスフォーマーのようである。また、足がタイヤになっているが、ロボットモード時はそのままローラースケートで滑るようにして走行。なお、ヨーロピアンスーパーカーに変形するディセプティコンの「サイドウェイズ」とは名称が似ているが、何か関係があるのだろうか? ロボットモード時のプロポーションは異なるのだが、同じようにスーパーカーに変形する高速タイプという、似ている部分もある。もしかして悪に走ってしまった兄弟とか?

サイドスワイプのロボットモード。銀色のボディがカッコイイ同ビークルモードのシボレー「コルベット スティングレイ コンセプト」コルベット スティングレイ コンセプトの実車。撮影時の1カット

【クロミア(RA-11/発売中/2,415円)】
 前作時の玩具の中には、映画未登場だったのだが、唯一の女性型の「アーシー」があった。今回の映画では、その名を引き継いだ、アーシーと2人の姉妹が、バイク型の小型トランスフォーマーとして登場する。この3姉妹の内の1体が、クロミアというわけだ。特徴はロボットモード時に1輪車になること。後述するディセプティコンの「デモリッシャー」のように超大型というわけではないため、劇中では被弾するとバランスを崩しやすいようで、大規模な戦闘や乱戦にはあまり向かないのだが、逆に小型ならではの、また2輪車ならではの、小回りが利くというほかにはない特徴を持っている。

 また、マッドフラップのところで述べたが、映画のトランスフォーマーの生態に関してはまだ謎が多く、性別もまたその1つ。高度な精神性を持っていることから、人と同じように恋愛をしたりする可能性も考えられるわけだが、子供の誕生は、人を初めとする地球の大多数の生物と同様に両親がそろって初めて可能になるのか? 親の特性は引き継がれるのか? 前作では、オールスパークの影響で突然ゲーム機のコントローラーや自販機などがトランスフォーマーとなってしまっていたが(今回も似たような大騒ぎシーンあり)、正確にはどうやって子孫を増やしていくのか、興味津々である。今回の映画では、わずかながらそこら辺にも触れられたのだが、大部分は謎のまま。次回作に期待したいところである。

クロミアのロボットモード。一輪車型なのが大きな特徴同ビークルモード。バイクに変形する。アーシー3姉妹は3人ともバイク型のビークルモードになる

【アイアンハイド(RA-02/発売中/3,990円)】
 前作から引き続いて登場の、オートボットの歴戦の勇士。ビークルモードは、GMの1ブランドであるGMCの大型ビックアップトラック「トップキックC4500」。前作で登場したトランスフォーマーたちは、バンブルビーやオプティマスプライムを除くと、今回は見せ場が少なめだが、それでもアイアンハイドらは常に激闘の最前線に立っており、その頼もしい勇姿は冒頭から最後までずっと見ることが可能だ。

オートボットの攻撃担当アイアンハイド。ロボットモード時は正面から見るとX字的デザインが見える映画の1カット。オプティマスプライムの左手にいるのが、アイアンハイド。ゴリラっぽい
アイアンハイドのビークルモード。GMC「トップキックC4500」トップキックC4500の実車。リヤにオートボットのエンブレムが見え、荷台には武器はない

【デザートトラッカーラチェット(RA-08/発売中/3,990円)】
 ラチェットも前作から引き続いて登場する1体。破損(負傷?)したオートボットの修理を担当する看護・医療兵。前作も同じハマー「H2」のレスキュー車だったが、今回はその砂漠仕様ということで、わずかにデザインが変わっているようだ。GMはハマーブランドを中国・四川騰中重工機械に売却するといわれており、次回作でラチェットのビークルモードの扱いがどうなるのか心配なところ。今回は、アイアンハイド同様にあまりスポットは当たらないが、終盤、オプティマスプライムがパワーアップする際にはジョルトとともに活躍する。なお、ジョルトは8月までの玩具ラインナップには入っていないため、残念ながら今回はそのロボットモードを紹介できないが、ビークルモード時の車両、シボレー「ボルト」の後ろ姿は紹介しておく。

ラチェットのロボットモード。戦うドクターだ同ビークルモードのハマー「H2」。ハマーブランドは、GMから中国自動車メーカーに売られるといわれている
ハマーH2砂漠仕様の実車。カラーリングが異なるように見えるのは、光の加減と思われるジョルトのビークルモードはシボレー「ボルト」。ロボットモードは残念ながらお見せできず

続いては悪の軍団・ディセプティコン

 次はディセプティコンのトランスフォーマーを紹介。こちらはそれほどネタバレ的なことはないため、メガトロンから順を追って紹介していく。

【メガトロン(RD-01/発売中/7,140円、RD-11/8月上旬/3,990円)】
 前作のラストで倒され、北大西洋の海底に投棄されたメガトロン。2年の間にすっかり沈没船のようにこけむしてしまった姿で登場する。そして部下たちによって復活させられるのだが、その際にディセプティコンの、仲間に対しても非情である一面を見ることが可能だ。なお、玩具は2種類が発売される。RA-01オプティマスプライムに対応したRD-01メガトロンは、電池をセットすることでこちらも全身の各部が光る。また、左腕が完全修復していないなど、造形がとても細かいのがポイントだ。ビークルモードのエイリアン・タンクも雰囲気をバッチリ再現。8月発売のRD-11はロボットモード、ビークルモードともに若干RD-01とは形状が異なっている。両者を揃えて比較してみるのも一考。

RD-01のメガトロン。左腕は装甲がなく、フレームが剥きだし状態今回のメガトロンのビークルモードはエイリアン・タンク。劇中のイメージはこちらに近いはず劇中での1シーン。海底でコケむしているメガトロンという、ちょっとショッキングなシーンだ
ヒロインのミカエラを威圧するメガトロンRD-11メガトロン。劇中で左腕にこのような武器が備わるのかどうかは未確認RD-11メガトロンのビークルモード。RD-01と比べると雰囲気が異なっており、やや平べったくなった感じ

【ザ・フォールン(RD-10/7月中旬/3,990円)】
 劇中では「ザ・フォールン」と呼ばれ、メガトロン以上の邪悪な存在といわれる、悪の大ボスクラス。今回のキーとなるトランスフォーマーで、ネタバレ関連が多いので、ぜひ映画館でチェックしてほしい。大多数のトランスフォーマーが地球の乗物をスキャンしているため、ロボットモード時も地球的なデザインが見受けられるのだが、ザ・フォールンはメガトロン同様に別格。ビークルモードもエイリアンジェットだし、ロボットモードも結構異質である。そこら辺の理由は、すべて映画を観ればわかるとだけいっておこう。

ザ・フォールン。異質なデザインが特徴だ。ジェットファイアーにも似ているような?ザ・フォールンが暴れる劇中の1シーン。なんとなくデザイン的にエジプトっぽい雰囲気がある
ザ・フォールンをバックにした、ティザーポスター。非常に邪悪な雰囲気が出ているビークルモードはエイリアンジェット。前作のメガトロンのエイリアンジェットとはまた異なる

【スタースクリーム(RD-02/発売中/3,990円)】
 前作では唯一地球を脱出した、ディセプティコンのナンバー2。ビークルモードは、前作から引き続き米空軍の最新機F-22ラプターだが、ボディにタトゥーのような模様を入れ、ワイルドな雰囲気になっている。US版ポスターを見ると、「俺が新しいボスだ!」といわんばかりだが、復活したメガトロンには折檻されてしまうシーンもある。前日端を描いた小説では、メガトロン不在のディセプティコンでボスを気取るが、カリスマ性がないためにほかがなかなかついてきてくれなかったり、今回はメガトロン以上というザ・フォールンが出てきたりと、ナンバー2の座も危なそうな雰囲気だ。

スタースクリームのロボットモード。意外と手足が短く、かわいい雰囲気もある同ビークルモードの米空軍のF-22戦闘機。機体上面にはタトゥーのような模様が入れられているのが今回の特徴弱い者には強い(笑)、スタースクリーム。サムを威圧しているところ
復活したメガトロンに折檻される場面。俺を置いて逃げやがってと締め上げられるUS版ポスター。俺がディセプティコンのボスだ! といわんばかりの自信に満ち満ちた表情とポーズ

【デバステーター(EZコレクション(全7種)/7月18日/各630円)】
 建機系の7体が合体して50m級の超巨大トランスフォーマーとなるデバステーター。7体合体を再現しているトランスフォーマー ムービーシリーズの中の「EZコレクション」を紹介させていただく。7体は、腹部となるダンプトレーラーの「オーバーロード」(D1)、頭部となるコンクリートミキサー車の「ミックスマスター」(D2)、右前腕となるブルドーザーの「ランページ」(D3)、胸部と左右の上腕となるパワーショベルの「スカベンジャー」(D4)、左脚部となるホイルローダーの「スクラッパー」(D5)、右脚部となるダンプトラックの「ロングハウル」(D6)、左前腕となるクレーン車の「ハイタワー」(D7)となっている(カッコ内は玩具ナンバー)。玩具は、単体でもロボットとビークルの変形が可能な上に、デバステーターにも合体可能という、非常にデザイン的に優れている点が特徴だ。なお、デバステーターとは「荒廃させる者」の意味。建設機械軍団なのに、破壊の限りを尽くすという矛盾するようなキャラクターは、過去のトランスフォーマーシリーズに登場したビルドロンなどに通じているようだ。

建設機械が7体合体して完成するデバステーター。EZコレクションもそれを見事に再現デバステーターを別の角度から劇中での合体シーンの1カット。ミックスマスターに触手が結びついて持ち上げていくところ
何でも吸い込んで粉砕してしまうブラックホールのような、広範囲に及ぶ攻撃を繰り出す合体時は腹部となるダンプトレーラーのオーバーロード頭部となるコンクリートミキサー車のミックスマスター
右前腕となるブルドーザーのランページ胸部と左右の上腕となるパワーショベルのスカベンジャー左脚部となるホイルローダーのスクラッパー
右脚部となるダンプトラックのロングハウル左前腕となるクレーン車のハイタワー

【サウンドウェーブ(RD-04/発売中/2,415円)】
 要望の多かったサウンドウェーブも今回は登場し、アニメG1と同じ情報収集を担当する。ただし、活躍の場は衛星軌道上で、衛星回線のハッキングなどで情報を得て、仲間をバックアップするという具合だ。彼は、ロボットモード、ビークルモード(宇宙船)に加え、衛星軌道上ではサテライトモードという第3の形態を取れるトリプルチェンジャーである。サテライトモード時の頭頂部にある黒いミサイル状のパーツは、惑星上に撃ち込むと偵察用途のジャガー型機械生命体「ラヴィッジ」となる。自分は衛星軌道上で情報収集をしつつ、同時に現地での隠密行動を取りたいような時に派遣するというわけだ。

サウンドウェーブのロボットモード。かなりゴテゴテとしている同ビークルモード。宇宙船に変形同サテライトモード。衛星軌道上で情報収集を行ない、仲間を案内。頭頂部の黒いパーツがラヴィッジ

【ラヴィッジ(RD-13/8月上旬/2,145円)】
 前述のサウンドウェーブに備えられている。惑星上の施設への侵入や偵察などを、サウンドウェーブに代わって担当するようだ。自らが入り込めないような警備が厳重な場所であったとしても、空調施設などほんのわずかなすき間を見つければ、口からスーパーボール程度のサイズの、トランスフォーム機能を有した小型スパイメカ(最初は鉄球の形を取っている)を大量にはき出し、偵察や陽動、情報収集、攪乱、破壊活動などを行なうことが可能だ。

 なお玩具のラヴィッジは、サウンドウェーブから発射される際の黒いミサイル状のパーツがビークルモードという解釈のようで、ミサイルのような形態に変形することができる。映画でもそう解釈することも可能なのだが、変形の瞬間そのものは描写されていない。そのため、ミサイル状のパーツはラヴィッジを収納した大気圏突入カプセルであるとも取れる。ミサイル形態から変形するようならトランスフォーマーだが、変形しないようなら、前作の「スコルポノック」同様に厳密にはトランスフォーマーとはいえない機械生命体というわけだ。ただし、劇中では登場時には存在しなかった2連のバルカン砲(ビーム砲かも知れない)を途中で出現させるなど、身体の一部は変形機構を有しているのが確認できる。

ラヴィッジ。映画関連の資料では、ジャガー型の機械生命体とされているこのシーンの直前にミサイルが沖合に着弾し、間を置かずしてラヴィッジが海中から上陸してくる前作のスコルポノック同様に珍しい動物型で、完全にネコ科の肉食動物を思わせる動きを見せる
ミッション終了時には腰部に武器を出現させ、脱出を開始。一部変形機構を有するようだ劇中のラヴィッジは見せない、玩具のラヴィッジだけの大気圏突入モード

【デモリッシャー(RD-03/発売中/3,990円)】
 破壊者の名を冠した大型ディセプティコンで、ビークルモードはパワーショベル。ロボットモードは、デバステーターを構成するスカベンジャーと似たようなヤジロベエ型だ。なお、両者はビークルモードが同じ上に、ロボットモードも形状が似ているのだが、別の1体である。似ているのは、たまたま同じパワーショベルをスキャンしたためなのか、それとも兄弟など何らかの血縁(?)関係があるのかは不明だ。序盤の上海での戦闘で大暴れする1体で、その豪快さはデモリッシャーの名に値する。ちなみに、どれぐらい大型かというと、オプティマスプライムがぶら下がった時に子供がプロレスラーにぶら下がったように見えてしまうほど。ビークルというよりは、もはや移動する建造物状態といってもいいぐらいだ。

頭に一輪を担いでいるので、バランスが悪そうなデモリッシャーのロボットモードデモリッシャーのビークルモードは巨大なパワーショベル上海での戦闘シーン。オプティマスプライムがぶら下がっているのがわかるだろうか?

【サイドウェイズ(RD-05/発売中/2,415円)】
 ヨーロピアンスタイルのスーパーカーに変形する、高速戦が得意と思われるディセプティコン。ロボットモードに変形した際もタイヤが足として接地していることから、オートボットのサイドスワイプ同様にローラースケートのように走れるようだ。デモリッシャー同様に序盤の上海での戦闘に登場する。複数の予告トレーラー映像に収録されており、彼が建物をぶち破って飛び出してきて、ギチョガショとビークルモードに変形するシーンは序盤の見せ場の1つだ。また、サイドスワイプの紹介の際に述べたように、名前から想像するに両者の関係が気になるところ。正義と悪に分かれてしまった兄弟なのだろうか?

サイドウェイズのロボットモード。プロポーションは上半身マッチョサイドウェイズはヨーロピアンスタイルのスーパーカーに変形上海の下町を疾走するサイドウェイズ。ロボットモードからスーパーカーに変形して一気に逃走

【ディセプティコンランページ(RD-06/発売中/2,415円)】
 ランページ(RAMPAGE=大暴れ)という意味の名を持つ、デバステーターを構成する7体の内の1体(右腕になる)。サウンドウェーブと同じトリプルチェンジャーで、ロボットモードとブルドーザーのビークルモードのほか、ジャックハンマーモードという形態を持つ。この第3のモードは、ロボットモードの1ポーズにも見えるが、脚部をピタリと閉じてつま先立ちをするというもの。ロボットとジャックハンマーの両モードでは、ブルドーザーのクローラを両腕それぞれにムチのように持って武器とするのだが、おそらく第3のモードではしばきまくる(笑)のではないだろうか。足を揃えてつま先立ちしているので、おそらくはバレエダンサーやコマのようにクルクルと旋回しながらしばきまくるのだろう。

ランページのロボットモード。ドSキャラ?同ビークルモード。建機に化けている際に建設した建物を自分で壊していたりして同ジャックハンマーモード。コマのように回ってムチを振り回すのかも?

【ディセプティコンミックスマスター(RD-12/8月上旬/3,990円)】
 ランページの仲間で、デバステーターの頭部になる。彼もまたトリプルチェンジャー(デバステーター構成員はみな第3の形態を持つ?)で、ロボットモードとコンクリートミキサー車のビークルモードに加え、ミサイルランチャーモードがある。ちなみにロボットモードは足が短めで少しかわいい。

ミックスマスターのロボットモード。足が短くてかわいいミックスマスターのビークルモードはコンクリートミキサー車ミサイルランチャーモード。遠距離から援護したい時にこのモードを取ると思われる

【スカルペル(RD-14/8月上旬/1,260円)】
 劇中では、「ザ・ドクター」と呼ばれる。もしかしたら別のトランスフォーマーということもあり得るが、同一のものと想定して紹介させていただく。ザ・ドクターはディセプティコン側の医療担当で、6本足の昆虫を彷彿とさせるロボットモードが特徴。メガトロン復活の際にも尽力する。小型なので、前作のフレンジーのようにディセプティコンの階層の中では比較的下位に位置するのかと思いきや、特殊な技能を持っているためか、意外とポジションは高い模様。体格的には優に勝っているディセプティコンのほかのメンバーにも命令したりするし、メガトロンもある程度敬意を払う言い方で命令する。サムの取り調べも担当し、修理するよりも解体することの方が好きそうな怖い医者ぶりを披露。顕微鏡に変形するので、ビークルモードとはいわないはずだが、プロダクトモードとでもいうのだろうか?

スカルペル(劇中名はザ・ドクター)。6本足の昆虫型なので、ラヴィッジほどではないにしてもちょっと異質スカルペルは顕微鏡に変形。こうした機器に変形するような場合は、何と呼ぶのだろう?劇中の1シーンで、サムをいたぶりつつ取り調べをしているところ。切り刻まれそうで結構怖い

 以上、タカラトミーの協力を得て実現した、トランスフォーマー百科、いかがだっただろうか? 実際のところ、劇中での60体以上というと、まだまだ紹介できていないトランスフォーマーもいるのだが、敵味方の主要メンバーはほぼ紹介できたので、映画を視聴する際は必ず参考になるはずだ。まだ足を運んでいないという人は、ぜひこの記事を参考にしてから映画を観てほしいし、既に観てしまったという人は、DVDやBlu-rayが発売された際にどのトランスフォーマーがどれかチェックするのに利用してみてほしい。

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(デイビー日高)

2009/7/2 15:24