オリンパス、“繊毛”でビデオスコープを自走させる「自走機能付きガイドチューブ」
~工業用ビデオスコープとして世界初
オリンパス株式会社は、ビデオスコープを自走させることが可能な「自走機能付ガイドチューブ」の受注を開始した。同社のビデオスコープ「IPLEX FX IV8675」に対応する。東北大学、NPO法人国際レスキューシステム研究機構らとの共同開発によるもので、工業用に対応するものとして自走式は世界初。価格は150万円、別売りの工業用ビデオスコープ「IPLEX FX IV8675」は779万1,000円。
工業用ビデオスコープは、自動車や航空機のエンジン内検査、ビルのメンテナンス、災害救助などに使われてきた。しかし、凹凸のある場所などでは押し込む力が先端まで伝わらないなど、問題もあった。
今回発売される「自走機能付ガイドチューブ」は、ビデオスコープに装着することで、自走機能を持たせることができるもの。ガイドチューブは歯ブラシのような硬い樹脂製の繊毛で覆われ、この繊毛に振動を与えることで、ガイドチューブを前進させる。繊毛は斜めに取り付けられ、振動によって繊毛が「たわみ」と「復元」を繰り返すことでガイドチューブが前進する仕組み。防塵・防滴加工が施されるため、天候に左右されず使用できる。
ガイドチューブの本体サイズは直径25mm、全長7.5m(有効長7m)。電源は「IPLEX FX IV8675」の内蔵バッテリより供給される。
なお、本製品のベースとなる、国際レスキューシステム研究機構と東北大学による「能動スコープカメラ」は「今年のロボット」大賞2008の公共・フロンティアロボット部門にて優秀賞を獲得している。
【お詫びと訂正】初出時、「自走機能付ガイドチューブ」の金額を157万5,000円と記述しておりましたが、正しくは150万円でした。お詫びとともに訂正させていただきます。
「自走機能付ガイドチューブ」 | 工業用ビデオスコープ「IPLEX FX IV8675」に「自走機能付ガイドチューブ」装着した状態 |
2009/6/9 19:11