月刊ROBOTウォッチング

~今月は海外へ! 香港で開催されたロボットイベントに密着取材

Reported by MANOI Producer Okamoto

 皆さんこんにちは、MANOIのプロデューサーことokamotoです。今月の「月刊ROBOTウォッチング」は、先月に予告しました「テクノロジア」(秋葉原のロボットショップ)さんのレポートから始まり、第48回静岡ホビーショーと海外遠征(香港)を中心にお届けします。海外遠征については、ROBO-ONEとMANOI企画の共同作業なのですが、国内のメディアさんは不在でしたから、本誌の独占レポート!? になるハズです。それでは、今月もMANOI君とロボット業界を出来るだけわかりやすい言葉で、そして、皆さんに近い目線でお届けする「月刊ROBOTウォッチング」、私自身も精一杯楽しみながら始めさせていただきます。どうぞお気を楽にしてお付き合いください。

 さて、今月最初のレポートは秋葉原の「テクノロジア」さんのご紹介です。「テクノロジア」さんについては、本誌でも内覧会の様子を既に報告させていただいておりますが、私は運営者(内覧会関係者)としての目線から、そしていちロボットファンとしても、ご報告させて頂きたいと思います。

 【写真1】をご覧下さい。開店当日にはモノ凄い数の花が飾られていたのは、皆さんもご存知でしょうが、私が所属する「関東ロボット連合」も、しっかり(と言うかチャッカリ!?)とお花をお送りしています(※以前のレポートで一部「関東ROBOT連合」と記載しましたが、正式には「関東ロボット連合」が正解です。この場をお借りして訂正させていただきます)。荒井店長(本当は社長)の人徳が贈られた花の数にも反映されてますね。ここまで関係者が必死に応援しているお店も珍しいと思います。それに、お花の1/3くらいがお酒関連だったのも興味深かったです(荒井さんは大のお酒好き)。

 【写真2】は店内の様子と、内覧会に向けて調整中のモーション・クリエイター「Dr.GIY」さん。GIYさんと私で製作しているMANOI GO(ジーオー)は、内覧会のオープニングをまかされていました。それなのに、このGIYさんときたらMANOIレポートでもご報告しましたが、質疑応答でMC(メイドのコスチューム)さんの名前を質問してしまうという大波乱……。どなたか彼にいい人を紹介して頂けないでしょうか? ぜひともお願いいたします(笑)。

 【写真3】は「テクノロジア」さんでのMANOI君キットの在庫コーナー。何とMANOIシリーズ全11種が全て揃っています。MANOI AT01の全ボディが見られるのは、こちらと6月21日(日)にオープンする、名古屋の「ROBO-BASE」さんだけですので、実物を見てご検討したい方は、ぜひ頭に入れて置いてください。そして【写真4】は工作機械コーナー。使い方のパネルも常設されているので、初心者の方には安心かと思います。

【写真1】しっかりちゃっかり「関東ロボット連合」の寄贈花【写真2】「テクノロジア」さん店内とGO調整中のモーション・クリエイターDr.GIY
【写真3】店内に在庫されたMANOIシリーズ全11種【写真4】店内に用意された工作機械

 ここで、内覧会のオープニングを飾らせて頂いた、MANOI GOの秘密を少しご紹介いたします。【写真5】は先月号でもご紹介した「ちゃぶ台」というダンスです。この技については、画像だとわかりにくいので、もう少し詳しくというご要望がありましたので、少し解説させていただきます。「ちゃぶ台」はリンボーダンスの様に“思いっ切り”後にのけ反った状態から、少しずつ前傾姿勢(通常直立)に戻しながら、且つ前進歩行するというものです。「レッキングクルー・オーケストラ」のダンサーさんでも、コレができるのは発案者のドミニク氏(世界チャンピオン)だけと、かなり高等テクだそうです。【写真6】はGOヘッドスピン! 見た目が派手で、評判も海外からの取材依頼が来るくらい好評なのですが、アグレッシブさが仇となり、破損&故障が多いというのが難点です。リード線の短絡&断線などはあたり前で、皆さん信じられないかもしれませんが、ビスの頭が飛びます!! 私達も完全に想定外です(笑)。ちなみに写真の機体では4カ所ビスの頭が飛びました。交換しようにもビスが外せないので、まったくもって厄介です……。そして【写真7】は、私が普段から持ち歩いている部品ケースのリード線です。GOでデモをする様になってから、リード線の予備は数本では全然足りません。最高で1回の転倒で4本同時に断線したこともあります。GOはまだまだ対策の余地がありますね、今のままだと1日2ステージが限界になりそうです……。

【写真5】世界チャンプ「ドミニク氏」直伝の「ちゃぶ台」を再掲載【写真6】大好評、GOのヘッドスピン!【写真7】トラブル対策に常備されているサーボリード

 ここからは、今年の静岡ホビーショーをご報告いたします。【写真8】はヒロボー社さんのブースに掲載されていた、「X.R.B」(室内ラジコンヘリ)取扱店募集のポスター。どこかで見た事がある写真だと思いませんか? この写真に使われている場所は、MANOI君の取扱店でもあるアールティさんの店内です。アールティさんと言えば、ロボット関連だけでなく、熱心にラジコンヘリのフライトレッスンなどを開催しているので、興味のある方は一度お問合せしてみてください。【写真9】はその「X.R.B」の駆動(稼動)部分を使ったダーツゲームの様子です。ヘリの下にマグネット式のピンが付いており、ダーツにピンが接触すると取れるシステムで、高得点者には賞品なども用意されていました。これって、私が昨年から色々なイベントで行なってきた「ロボホッパー」のゲームに似ていますネ~。各社とも考える事は同じという訳ですね(笑)。ちなみに、「ロボホッパー」のゲームは好評につき、今年も夏休み以降に浜松と富山で開催する予定です。詳細が決まりましたら本誌やMANOIレポートでご報告しますので、こちらもお楽しみに。そして、ホビーショーの最後は童友社さんの新製品【写真10】。“空き缶”や“ペットボトル”を再利用して工作キットに使うという発想がGOODです。これだと子供達も楽しみながら工作に励めそうな気がします。私(MANOI企画)も工作教室などを依頼される関係で、発売開始以降はぜひ取扱いたいと思っています。

【写真8】アールティさんの店内が採用されたヒロボー社のポスター【写真9】X.R.B(ラジコンヘリ)の駆動(稼動)部を利用したダーツゲーム【写真10】“空き缶”と“ペットボトル”の再利用!? 童友社の工作キット

 さて、ここからが本誌の独占取材! ROBO-ONE&MANOI企画の香港公演レポートです。折角の海外ネタなので、できる限り多くの写真を掲載して、皆さんから「長い!」と言われる私の文章は極力短めで、ご紹介したいと思います。

会場:TSUEN WAN PLAZA
日時:5月23日~31日
概要:5月23日~24日 ROBO-ONE in 香港(杉浦ファミリー、まるファミリーによるバトル競技)
5月28日~31日 MANOI企画による体験操縦(1on1サッカー)
※5月25日~27日は準備(リハーサル含む)と展示

 早速ですが【写真11】をご覧下さい。これがメインステージに掲げられたメインパネルです。“日本機械人”や“相撲”の文字が並び、日本人には何だか不思議な感じですね。【写真12】はこのイベントの為に現地のスタッフが用意してくれたMANOI AT01の等身大パネル。両足の間にはアンテナコードまでが再現されていて、実にリアルに作ってくれています(左胸の名札もカッコイイ)。もちろんバトル競技を行なった「ダイナマイザー」と「グレート・キングカイザー」にも同じモノが用意されています【写真13】。色のバランスが良いですね~。杉浦さんもまるさんもスーツケースに入るのであれば、持って帰りたかったのではないでしょうか?

【写真11】TSUEN WAN PLAZAのステージに用意されたイベント紹介文【写真12】現地で用意されていたMANOI AT01の等身大パネル【写真13】「グレート・キングカイザー」(左・赤)と「ダイナマイザー」(右・青)

 【写真14】は会場の全体図です。吹き抜けの構造になっているので、各階からイベントを見る事ができます。イベント中は全ての階が人で埋め尽くされていました! どうして沢山の人が写った写真がないかと言うと、見物する方々がいる時には私はイベントに出演中だからです。いつもの事ですが……。さすがに運営中に写真を撮る勇気はありませんでした(笑)。【写真15】はバトル競技と体験操縦の舞台になったロボット用のリング。中央にある桜の模様が示すとおり、全体的に日本風と言いましょうか、和風の演出がされています。しかも音楽は三味線! ステージの脇には土俵風に綱がアレンジされている位の徹底ぶり【写真16】。この辺はやはり日本=相撲をイメージした演出という事でしょうか。私的には逆に新鮮な感じがして、こういう演出も結構気に入っています。

 【写真17】はMANOIレポートに掲載して大好評(モデルさんが)だった、今回のイベント用POPが印刷されたステージ脇のポールです。写真だとわかりにくいかもしれませんが、このPOPがデカイこと。現地イベント関係者の気合の程が伺えます。最近の日本ではここまで気合の入ったロボットイベントが減っていますから、ぜひこの流れと勢いを日本に持ち帰りたい、そんな気分になりました。

【写真14】メイン会場の全体写真。当日は見学者でいっぱいに!【写真15】純和風にアレンジされたバトル用リング
【写真16】ステージの隅には“土俵”をイメージした綱の演出も【写真17】気合が入りまくり! 超特大イベント用POP

 さて、ここからはイベント自体の様子をご報告いたしますが、私が担当する体験操縦はサッカーの1on1形式で、勝敗と言うよりも、1組あたりの持ち時間5分を使って、精一杯楽しんでもらうという内容です。1日の開催時間が4時間弱と非常に長いので、7体ものMANOI君を日本から発送しました。部品や工具などを考え合わせても、この量をハンドキャリーで運ぶのは絶対に無理なので、事前にホテルへ発送しておきました。【写真18】がイベント運営中の私とMCのYo Chanさん(日本語&英語もOK)。なれない環境の中だったにも関らず、彼女たち現地スタッフの協力・サポートのお陰で、何とか無事に、しかも大盛況で行なう事ができました。イヤ~、本当に香港スタッフのレベルの高さは秀逸でした!! イベントの後半はアイコンタクトで意思の疎通が出来る感じで、海外ながら、まったく不都合を感じませんでした。

 その大好評だった体験操縦の進め方はと言いますと(香港スタッフのアイデアです)、まず【写真19】の様に参加者が好きな機体をチョイスし、それぞれ好きな機体同士で自由に楽しんで頂きました。その様子はご説明するより【写真20】【写真21】の子供達の表情をご覧下さい。これだけで充分に現場の様子をわかって頂けるかと思います。そうですね、苦労した点といえば1日4時間×4日間の体験操縦を1人で運営するのは、日本でもまったく経験が無い事でしたので、機体の調整と修理がハンパじゃありませんでした(時間的にも量的にも)。最後の二晩はほとんど寝てないかも……。ですが、好きでやっている仕事ですし、そんな事は子供達の笑顔が吹き飛ばしてくれたと思います。実際、もう1度お話が来たら喜んで参加すると思います。

【写真18】イベント(体験操縦)運営中の私とMC(Yo Chan)さん【写真19】好きな機体を選んで、5分間お楽しみいただきました
【写真20】体験操縦していただいた子供達【写真21】この笑顔が疲れを忘れさせてくれます!

 今月最後のレポートは、杉浦さん&まるさんもご推薦の、香港にあるアキバ系ショップをご紹介します。【写真21】は私達が宿泊したPANDA HOTELの外観です。九龍やTsimShaTsuiなどの有名な繁華街からは少し離れていますが、TsimShaTsui行きの無料バスが出ているので、日本の海外旅行ツアーでも頻繁に採用されています。実はこのバスは結構使い勝手が良いんです。行き先の途中なら降りたい場所で降ろしてもらえます。実は私もMongKokで降ろしてもらいました。今回が2回目の宿泊なので、勝手知ったる何とかです。そのPANDA HOTELはPANDA PLACEというビルの3Fから上に位置しており、今回ご紹介したいショップは、そのPANDA PLACEのB2Fにある「Toyz Club」さんです。

 【写真22】の店内風景をご覧いただければ一目瞭然。お店の中には秋葉原のにおいがプンプンしています。コスプレ衣装からガンプラやフィギアまで、さまざまなカテゴリーが集約されており、全体的には日本のアニメ系とアメコミが6:4くらいの比率で構成されていました。マネージャーのREBECCA(レベッカ)さん曰く、日本のお客様も非常に多いそうですが、「Toyz Club」は香港に5店舗、台湾にも1店舗展開しており、その全てのお店が香港では珍しく広いスペースを持っているので、当然ながら地元のお客さんが中心だそうです。確かに私の知っている香港のお店は、狭いスペースに多品種を展示しているケースが多いので、「Toyz Club」さんは製品を探しやすいかもしれません。皆さんも香港旅行でPANDA HOTELに泊まった際は、ぜひB2Fにあるこのお店を覗いてみてください。【写真23】でもわかるように、等身大のスパイダーマンとガンダムの着せ替えフィギアが並んで陳列された、まさにアキバを凝縮した様なお店なので、意外な掘り出し物に出会えるかもしれません。

 そして、最後の【写真24】は「Toyz Club」さんのスタッフさん。彼女たちは常時コスプレで接客してくれます(ちなみに英語でもコスプレは通じます)。向かって左側の白いコスプレがShanShanさん、黒いコスプレがWaiWaiさんです。彼女達は毎日衣装を取り替えるそうなので、それ目的で来るお客さんもいるのかも!?

【写真22】正式に「PANDA HOTEL」からご提供頂いた外観写真【写真23】アキバが凝縮!?「Toyz Club」さんの店内
【写真24】アメコミと日本アニメが同時に陳列された不思議空間【写真25】GIYさん香港登場の真の理由!? コスプレしたスタッフさん

 それでは、今月もお付き合い頂きありがとうございました。初の海外ネタで力が入り過ぎたせいか、やっぱり皆さんから「長い!」と怒られそうですが、5月は本当に楽しい話題が多かったので、どうかお許し下さい。来月はKHRアニバーサリー(私はサブ・ステージのMC)と「ROBO-BASE」さんの正式開店(6月19日のプレオープンに参加)、といった所が中心になるとは思いますが、北陸地方系のネタも飛び込むかもしれません。皆様ぜひお楽しみに。ではまた。




岡本正行(おかもと まさゆき)
株式会社MANOI企画代表取締役。1965年神奈川県厚木市生まれ。KYOSHOのMANOIプロジェクト発足当時から、企画/開発/品質管理/販売促進等の全ジャンルをカバーするプロデューサーとして活躍。ロボット工学系専門学校と工業系大学の非常勤講師も兼務。ROBO-ONEオフィシャル・ジャッジ。関東ロボット連合事務局長。元KYOSHOロボット事業部マネージャー。



2009/6/5 00:00