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大盛況の「とよたこうせんCUP」レポート
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3者3様のロボットビジネスへのアプローチ
~「ROBO_JAPAN 2008セミナー」1日目


 パシフィコ横浜にて10月11日(土)~13日(月・祝)の日程で開催された「ROBO_JAPAN2008」では、連日セミナーも開催された。まず初日のセミナーをレポートする。1日目に講演したのは産総研の比留川博久氏、iRobot社の会長であるヘレン・グレイナー氏、そしてロボガレージの高橋智隆氏である。

 まず、それぞれの講演内容をまとめてみる。比留川氏の主張は2つ。現在それなりに成功しているロボットのビジネスモデルは既にあるわけだから、それをさらに「深堀り」するべきだという。そしてロボットビジネスは成功するまでに少なくとも15年はかかると見られることから、継続的に資金面の援助を行なうことのできるインキュベーション会社が必要だというものだった。

 iRobot社のヘレン・グレイナー氏の成功体験を通した主張は、ビジネスが軌道にのるまでには時間がかかるので、あきらめずに続けることと同時に、柔軟性が重要だとするもの。特に実用性、そして何より市場の顧客の声を聞くことが重要だと強調した。同社は今は主に家庭用と軍事用のロボットの研究開発・販売を行なっているが、最初から2つの市場を選んだのではなく、さまざまなロボットの研究開発の中から最終的に成功して残ったものがその2つだったのだという。

 対してロボットクリエイターという肩書きを自ら作って名乗っている高橋智隆氏は、ステロタイプなイメージでいうと「商店街を自転車で走っているオバちゃん」を捕まえて「どんなロボットがほしいですか」と聞いたときに返ってくるような単純な意見、皿洗いや洗濯物たたみなどの家事を代表とする短期的な実用性をロボットの目標にすることは間違っているという。まず最初は、自宅にシアタールームやオーディオルームを持っているような富裕層や道楽者をターゲットにするほうが、これまでのプロダクトの歴史を見ても正しいのではないかと語った。逆説的だが富裕層をターゲットにするほうが一般大衆の手にロボットを届けるためには近道だという。

 以下、それぞれの講演の内容をレポートする。


基調講演:次世代ロボットをビジネスにできるか

産総研 知能システム研究部門 副研究部門長 比留川博久氏
 まず最初に「次世代ロボットをビジネスにできるか」と題して独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)知能システム研究部門副研究部門長の比留川博久氏が、基調講演を行なった。

 ロボット産業市場はある程度景気変動に影響されつつ推移しているが、産業用ロボットの市場はおおよそ6,000億円~7,000億円程度の規模と見られる。総額規模はあまり変わっていない。だが産業構造には変化が見られる。輸出が増えており、また単価が過去15年間で40%下落している。総額が変わってないのに単価が安くなっているということは、台数が増えているということだ。

 2000年ごろには次世代ロボットの将来はバラ色だとする予測を日本ロボット工業会が出した。だがこの予測は外れた。平成17年度に経済産業省のロボット政策研究会が出した予測も外れた。だが国連も実は似たような予測を出していたわけで、一概に国内の予測だけを責めることはできないという。

 日本国内では、まもなく労働力人口が大幅に減少することが人口動態統計から予測されている。仮に労働力人口減少分を25%として、その分をロボットで代替すると考えると、単純に計算して、一人あたり年収500万円×470万人×0.25=5.8兆円となる。おおざっぱに言って100万人分の仕事を代替できるロボットを開発することができれば5.8兆円の将来市場が実現することになる。つまりロボットの市場予測に出てくる数字は潜在需要なのだ。

 では現状はどうなのか。比留川氏によれば、市場調査に対しては実際に売れている数よりも少ない数を言う企業の方が多いという。だが取りあえず計算すると、2005年時点で全てのロボット市場が7,601億円。次世代ロボット市場はそのうち3.6%の273億円となる。この数字は不正確だと考えられるが、ある程度は売れているとみることができる。


ロボット産業の現状 産業構造は徐々に変化している ロボット産業の将来予測

日本の社会状況 日本の次世代ロボット市場の現状

 次世代ロボットはなぜもっと売れないのか。比留川氏は理由を4つあげた。1つ目は技術レベルが低く、できることが少ないため単一製品あたりの市場規模が小さいこと。2つ目は、そのため共通基盤技術が未整備で開発コストが大きいこと。3つ目は規模の小さい市場を立ち上げる主体が少ないこと。そして4つ目は、売るために必要となる安全規格等の社会制度が未整備であること。この4つがビジネス化の阻害要因である。次世代ロボットの市場を立ち上げるためには、この4つを除去できるかどうかが課題となる。

 1つ目の問題は、ロボット技術が未熟であることが原因であるため短期的な解決は困難だ。たとえばクルマが馬の代替だとすれば、ロボットは人間の代替である。それが難しいことは自明だ。またキラーアプリケーションは当面のところないと考えたほうがいいという。しかしながら、潜在需要は大きい。

 2つ目の共通基盤の問題については、整備が進められつつある。いまはロボットを売りたい主体が開発、製造、マーケティングと何もかも自分たちでやらなければならないが、将来的にはシステムインテグレータや製造業者などが役割分担していくことが望ましい。

 また、産総研らはモジュール化したソフトウェアを共有する「RTミドルウェア」の開発と普及をすすめようとしている。ハードウェアを共有することを目指すNEDO技術開発機構による「共通基盤プロジェクト」も考え方は同じで、使えるものは共有することで開発コストを下げることが狙いだ。

 昨年からは「知能化プロジェクト」が走っている(2011年度まで)。また、ソフトウェア開発・シミュレーション用統合ソフトウェア・プラットフォームOpenHRP3の開発も進められている。ハードウェアの上で走るソフトウェアを開発するプロジェクトだ。ハードウェアはどんどん進歩して変わっていく。そこで変化にも迅速に対応できるように、色々なソフトウェアを仮想化するためにシミュレータが必要なのだという。


次世代ロボットの望ましい産業構造 RTミドルウェア・プロジェクト RTミドルウェアのソフトウェアアーキテクチャ

共通基盤プロジェクト 現在走っている知能化プロジェクト OpenRTプロジェクト

 3つ目の事業立ち上げの問題は複雑だ。大企業は年に100億円以上の事業しかできないし、中小企業は技術不足。またわが国ではまだスモールビジネスへの投資風土が根付いていない。比留川氏は、日本の風土に一番マッチするであろうモデルは、経営陣が年間10億円程度の事業を許容することだと述べた。但し、すぐにリターンを求めてはならない。これをやったのが富士重工業の業務用掃除ロボットや、セコムの「マイスプーン」だという。それらの会社の事業、そしてRoombaで知られるiRobot社も、事業が軌道に乗るまでに15年くらいかかっている。その期間は非常に苦労するが、耐えることが重要だという。

 比留川氏はiRobot社のヘレン・グレイナー会長について、「面構えが違う」と紹介し、大学の先生と組むときにもそのくらいの面構え、つまり覚悟を持った人間かどうかを見極めないといけないと来場者に語った。

 インキュベーション資金も日本では不足している。また技術評価、応用調査、知財戦略、事業化計画立案などのインキュベーションをちゃんとできる会社は日本にはあまりない。資金の規模という面でも民間に期待しているという。たとえば経済産業省の大きなプロジェクトでも予算は年に20億円程度だ。また、そのような研究資金では量産品の金型を作ることはできない。つまり最後には民間資金が絶対に必要になる。そしてその資金はベンチャー・キャピタルそのほかに頼るしかない。比留川氏は大和ハウスなどが出資している山海教授のサイバーダイン社製「HAL」を例に挙げ「成功してほしい」と述べた。ちなみにiRobot社はおよそ70億円を研究開発につぎ込んだという。

 安全規格については、取り組みは行なわれているが、まだぜんぜん足りないという。個別製品安全規格はまだないし、サービスロボットはガイドラインはあるが、事故が起こったときに誰が何に基づいて判断するのか分からない。試験機関や安全認証会社が必要になるが、国内にはそれができる機関がない。

 このように、4つの阻害要因に対する処方箋がないわけではない。では現実問題、どのロボットが売れるのか。比留川氏はまず優れた次世代の産業用ロボットや「今年のロボット大賞」を獲得したロボットなどを例に挙げて、ビジネスになりそうな第2次産業用ロボットを紹介した。人の能力を超えた高速高信頼検査ロボットや、人間には絶対に不可能な巨大なガラスパネルを運ぶ搬送ロボット、多くの産業用ロボットに対応可能なティーチングペンダントなどだ。人ができないことに挑戦するのがうまくいく秘訣だという。


第2次産業用ロボットの現状 安川電機の人共生型ロボット デンソーの高速高信頼性ロボット

ファナックの高速食品・薬品ハンドリング 安川電機の大型液晶ガラス基板搬送ロボット

IDECの小型ティーチングペンダント 第2次産業用ロボットの展望、実用化のキーポイント

 第3次産業用ロボットについては、東京にある晴海トリトンスクエアなどで運用されている富士重工業の掃除ロボットなどを例として示した。ビルのダストコントロール、つまりどうやって掃除すればよいかを考えて、デベロッパーのノウハウを持つ住友商事と富士重工業がビルの設計開発段階から一緒になって開発したロボットである。5,000平米以上のフロア面積があるところならコスト面でも人間に勝てる。また最近は企業内セキュリティが厳しくなってきて、人間ではなく機械で掃除するニーズは、これからさらに高まる傾向があるという。

 またパナソニック電工の血液検体搬送ロボットも紹介された。工場内ではガイドレールを使うRGVが使われることが多い。普通の工場はあまり機械の置き換え頻度も高くなく、インフラ側に手を入れてもそのほうが安いからだ。いっぽう血液検査の会社ではそうではなく、また血液検体は小さいので、かなりの位置決め精度がいる。そういった面からロボットが導入されたのだという。

 そのほか、教材用としてもロボットの用途はけっこうあるという。また福祉用ロボットとして、ビジュアルデザイン研究所の「ifbot」やセコム「マイスプーン」を挙げた。ifbotは施設に寄付しやすかったことが普及に寄与したという。

家庭用ロボットとして年100億円売れたのは、ソニーのAIBOとiRobot社のRoombaだけだ。Roombaは累計で300万台売れているそうだ。

 またタカラトミーのi-SOBOTの売り上げも期待して見ているという。仮にi-SOBOTの原価を1万円くらいに見積もり、そのうちの半分がモーター代だとすると5,000円になる。それを17軸で割ると、おおよそモーター1つの価格はおそらく200円~300円ということになる。非常に安い価格で生産されているのだ。一方、ヒューマノイドには比留川氏いわく「ヒューマノイド売り上げ一定の法則」があり、大体どれも総売上が5億円くらいで止まってしまう傾向がある。それを一気に打ち破ってくれるのではないかと期待しているそうだ。そのほか、セグウェイに代表されるパーソナルモビリティにもニーズがあるだろうと述べた。


富士重工業の掃除ロボット パナソニック電工の血液検体搬送ロボット はまで式全自動イカ釣り機

教育用ロボット市場は意外と手堅い 福祉ロボット応用例 家庭用ロボットの現状

エンターテイメント・セラピー用途 i-SOBOT ヒューマノイドロボットの市場規模

 家庭用ロボットについては、いくらなら買うかというアンケートを経済産業省が実施している。それによればエンターテイメントや留守番用途ならば5万円、家事代行や見守りに使えるならば20万円程度、そして介助までしてくれるなら50万円程度がそれぞれ上限だという。だが実際の店頭ではさらにシビアな目で消費者は商品に向かう。よってこれより安くなければならないということになる。

 それでは実際にどうすればいいのか。比留川氏は当面のところ「深堀りするのがいいだろう」と意見を述べた。既にうまくいっているロボットの利用例がいくつかある。それをもっと真剣にやってみるということだ。500万円クラスなら次世代産業用ロボット、50万円以下なら教育や福祉用、単価5万円以下なら家庭用掃除機、ヒューマノイドを使った競技性のあるホビー、パーソナルモビリティといった用途が考えられる。既にそれなりにうまくやっている企業がいる産業分野でも、参入余地はまだまだあるという。


家庭用ロボットの展望 次世代ロボットの実用化予想 4つの阻害要因とそれに対する処方箋のまとめ

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セミナー:「The iRobot Story」

iRobot社の会長、ヘレン・グレイナー氏
 次にiRobot社の会長のヘレン・グレイナー(Helen Greiner)氏が自社のロボットやビジネスモデルについて講演した。iRobot社の今年の売上はおよそ3億ドル程度、従業員は500人程度。全世界でロボットを販売している。グレイナー氏によれば、人類はこれまでずっとロボットに思いを馳せてきた。だが具体的に作り始めたのは最近だ。特にiRobot社は人があまりしたがらないことを代替する実用ロボットに焦点をあてている。

 グレイナー氏が最初に見せたのは戦場用ロボット「Packbot」のビデオで、実際にイラクで活躍しているものだ。3年前は兵士が行なっていた作業をロボットが代行するようになったことで、数百名の人命を確実に危険から救っており、「非常に素晴らしいロボットの具体的応用例だと言える」と述べた。

 もう1つの重要なマーケットが家庭だ。これまで売られたRoombaは300万台。日本国内では木幡民夫氏が代表取締役をつとめるセールス・オンデマンド社が独占販売している。そしてPackbotは1,900台以上が使われているという。しかしRoombaとPackbotだけがiRobot社の商品ではない。他にもさまざまなロボットを作っているのだが、iRobot社のロボットは固定された産業用ロボットではなく、どれも移動ロボットということが特徴だ。


iRobot社は実用ロボットの開発をねらう 軍事用と家庭用 iRobot社の製品群

 グレイナー氏は会社設立時から現在に至るまでを振り返った。ロボットについて可能性はあると思っていたが、市場のことや、製造ラインや流通・販売について知らなかったという。だがビジネスとして軌道に乗る前から多くの人の興味を惹きつけるロボットを作っており、当時からメディアには登場していた。

グレイナー氏は初期に開発した水中の機雷を探査するロボットを紹介した。そして当時は複雑すぎるロボットを作っていたと思う、と振り返った。経験を積みながら多くのことを学んできたという。当時のロボットは金額的にも高すぎた。だが失敗もそこから学べば役に立つというわけだ。


売れてなかったころも物珍しさから多くのメディアに取り上げられた 初期に開発された水中ロボット 失敗はイノベーションに繋がる

 2000年、同社は大会社と一緒に仕事する段階に入った。パートナー側は市場に対する経験から来る知識と資金を提供する。iRobot社は技術を提供し、グレイナー氏はこの手法をOPM(Other Peoples Money)つまり「他人のお金」と名づけていたとジョークを交えながら語った。このようなステップを繰り返しながら、本当に売れる商品を作ることを学んでいったという。

 大企業と組んで製作したのは油田探査ロボット、ロボットトイ、産業用の掃除ロボットなどさまざま。ただ大企業は革新的なものだけに全力を集中することは難しい。やはり自前の資金、自己資本を持たなければならないと考えるようになっていった。だが金を出してくれといっても、そんなに簡単に出してくれるわけではない。

 グレイナー氏は「断られることには慣れている」という。市場をちゃんと示せとか、SFじゃないか、インターネット会社ではないなら話を聞く必要はない、ロボットには投資しないことにしている、ちょっと早すぎるんじゃないか、おたくに投資したりすると俺がビジネスパートナーに殺される、もう出遅れているなど、とにかく色々なことを言われたという。まあちょっとだけ慈善のつもりで出しましょうといなされたこともある。だが、それでも前向きのVC(ベンチャーキャピタル)はいる。そしてトータルで3,800万ドルを調達することに成功した。

 iRobot社では会社設立から最初の8年間は技術の開発に力を注ぎ、その後5年間で具体的な商品を作ることができた。それがここ5年間の爆発的な収入の拡大に繋がったという。だが、実際にはそれほど一直線に進んだわけでもない。グレイナー氏らは最初はロボットの市場は「宇宙」だと思っていたという。そして次なるターゲットががいわゆる研究所で使うためのロボットだった。次が治安や軍事的なロボット、そのあとが大企業との協業と進み、最終的に独自のロボットを市場に出したときに収益が伸びた。爆発的な成功をおさめるためにはあきらないように持続すること、そして柔軟性が売り上げを高めた商品を生んだ秘訣だという。


大企業と組んで開発したロボット さまざまなことを言われて出資を断られたという 設立以来の同社の売上推移

 グレイナー氏は軍事訓練の現場にロボットを持っていたときの様子などを紹介した。最初はロボットはやるべきことがまったくできなかったそうだ。そのPackbot、そして掃除ロボットRoombaは、小規模なグループで開発されたという。「小規模なグループであっても、情熱にあふれていれば世界を変えることができる」と強調した。そして会社が小さかった初期のころはすべて社内で行なっていた例として、Roombaのプログラムを作ったプログラマー自身が、宣伝材料とするためのビデオCFなども製作していたことなどを紹介した。現在はブランディング、マーケティングなどもそれぞれ専門家がいる。

 運もまた大事だという。最初はマーケティングに使える予算は5万ドル。だがそのお金を費やしただけで一日でそれまでの売り上げが3倍になるという経験をしたそうだ。Roombaはペプシコーラの広告にも登場するなど、各方面で話題を呼ぶことに成功した。

 家庭にロボットがやってくる。すると人はロボットに愛着を抱く傾向にあるという。Roombaを使用している何人かは名前をつけており、中には服を着せたり、擬人化している人もいるそうだ。YouTubeにも多くの「我が家のRoomba」の動画が上がっている。「うちのRoombaが調子悪い」といって電話をしてくる人に送り返してくれというと、「うちの“ロージー”を送るなんてできない、往診してくれ」という人のほうが多いそうだ。新しいRoombaに取り替えるといっても「我が家の」を直してくれという人がいることは驚きだ。Roombaだけではない。タフな兵士たちが使うPackBotにおいても、奇妙な愛着を感じている人が多いという。なかには涙を流して直してやってくれと言って来る兵士もいるそうだ。

 便利な道具だと思って買ったに過ぎなくても、ロボットに対しては特別な感情を持つ人がいるわけだ。そこが電子レンジとロボットの違いだという。


軍事ロボットの様子 バラバラになったロボットの破片

Roomba開発チーム。小規模なグループであっても情熱にあふれていれば世界を変えることができる 17回の爆弾処理関連任務を行なって最終的にバラバラになったロボット。兵士が出撃回数のマークとあだ名をつけている

 同社では国防関連のプロジェクトにもかなり関係しており、特に兵士がやったのでは危険すぎる作業を行なうロボットを開発している。用途に合わせて使いやすくするため、さまざまなバリエーションのロボットを使っている。同社の顧客は今や知識人たちだけではない。兵士のように生死の問題と直面している人たちも使用しており、規模や寸法も多岐に渡っている。

 さらに最近、iRobot社は水中ロボットの研究を行なっていたNekton Research社を買収した。海中や水中の機雷の除去や安全保障の目的に役立つロボットを開発する予定だ。グレイナー氏は海ガメのように動くロボットの動画を示して、水中ロボットの可能性への期待を述べた。


イノベーションエンジンを回す 「キャズム」を超えることが重要 戦場のロボットたち

Packbot さまざまなPacbotバリエーション サイズもさまざま

水中ロボットの可能性 【動画】ウミガメのようなロボット iRobot ホーム

Roombaを片手に説明するグレイナー氏
 家庭用では、家事をしなくて済む家を実現していきたいという。溝を掃除してくれたり、床掃除、プール掃除、フロアを磨いてくれるロボット、そしてコミュニケーションロボットなどがそれだ。さらにRoombaについて、米国内で放送されているCMを流しながら、さまざまな機能について実物を片手にアピールした。

 そしてRoombaについて、特に吸い込み力に対して既存の掃除機に対して劣ることはないとグレイナー氏は語った。既にRoombaはアメリカの電気掃除機で5%のシェアを持っており、18.5%の人が2台目はロボット掃除機をほしいと多くの人が答えているという。Roombaは、ちょっとしたときに特定の場所を掃除するものではない。毎日のルーチン的な掃除作業を行なうロボットだと強調した。

 また、新ロボットの「ConnectR」についても概要を述べた。ConnectRは一言でいえばインターネットに接続できる、広角ズームレンズを備えた移動カメラである。いまは機能を絞り込むための市場調査を行なっている段階だという。

 グレイナー氏は、自分たちのことを「他者に力をあたえる会社だ」と述べた。たとえば教育機関や政府関係など、さまざまな業種と協力しているからだ。


Roombaのシェア Roombaはルーチンワーク労働を代替する

ConnectR iRobot社は他者に力を与える会社だという

 Roombaを趣味として改造している人たちも少なくない。Roombaにカメラを搭載したり、Roombaで相撲をとったりして楽しんでいるという。そのほか、砂絵を描くことのできるRoombaや、缶コーラを冷蔵庫から持ってくるもの、Wii fitをRoombaのコントローラとしたものなど、さまざまなRoombaハッキングの例を見せた。同社においてもワシントンD.C.で毎年開発者たちの大会を行なっており、多くの人々が参加しているという。

 最後にグレイナー氏は、同社が大事にしていることとして以下の5つを挙げた。クールなものを作ること、偉大な製品を作ること、金儲けをすること、楽しむこと、そして世界を変えること。「私たちは自分たちがやるべきだと思っていることを実行できている」と述べ、「ロボット革命の世界へようこそ」とまとめた。

 質疑応答に答え、技術の会社では派手な部分にいきがちだが市場で成功するためには細かいが重要な部分、たとえばカーペットの端にひっかからないようにするとか、耐久性をあげるなど地味でも強い要望に1つ1つ答えていくことが重要だと述べた。「18年の経験で学んできたことはお客様の希望にいかに応えるか」なのだそうだ。


趣味として楽しまれているRoomba 開発者大会での一例 クールなものを作り、偉大な製品を届け、金を稼ぎ、楽しむ、そして世界を変える

関連記事
実用的なロボットで顧客に「価値」を提供する
~iRobot社会長 ヘレン・グレイナー氏インタビュー(2008/03/14)

「ROBO Link Forum 2007」レポート
~iRobot会長ヘレン・グレイナー氏も講演(2007/12/03)


セミナー:「ロボット時代の創造」

ロボガレージ代表 高橋智隆氏
 ロボガレージの高橋智隆氏は「ロボット時代の創造」という演題で講演した。高橋氏は「ロボットクリエイター」という肩書きを名乗っている。ロボットそのものを作ることと、作ったあとに発表する行為まで含めて「ロボットクリエイター」の仕事だと思っているという。今回、ROBO_JAPAN2008ではブース出展も行なっていたが、他社とは違ってアートミュージアムの一角を切り出してきたようなものにしたいと思ったという。実際に会場内のブースではロボットはケースのなかでの静展示のみであまり解説もされておらず、ある意味かなり不親切な展示となっていたのだが、多くの来場者たちを惹きつけていた。

 高橋氏は「クロイノ」の実物を取り出し、ロボット作りのコンセプトを説明した。クロイノはカーボンとプラスチックを張り合わせた外骨格構造をベースにしたロボットだ。まず最初に見た目のことを考えた外骨格を設計し、そこから内部機構を考えているところが他のロボットと違うところだという。

 高橋氏は自分の作品を自らの資本、そして自分自身の手で作っている。それ自体は一種の「サイエンスアート」である。さまざまな展示会に出展し、それを見た企業から外注を受けて対価を受け取るというビジネスモデルだ。


【動画】クロイノ 特徴とスペック

 高橋氏は子供時代に見た鉄腕アトムが原点にあるという。その後、スキーや魚釣りばかりしていた時期を経て、立命館大学産業社会学部を卒業し、就職活動をする。だが、やはりものづくりがしたいということで、京都大学工学部物理工学科に入りなおす。在学中に作ったロボットが「ROBODEX2002」に出展された「マグダン」である。後に京商から「ガンウォーカー」として商品化されたものだ。

 このときに学内にできた特許相談室を利用したり、ベンチャーコンテストやアイデアコンテストに応募して優勝したことが、そのまま現在の活動に繋がっているという。このあたりの経緯は、本誌のインタビュー記事にも詳述している。あわせてお読みいただきたい。

 鉄腕アトムの誕生日を祝うという趣旨もあった「ROBODEX2003」には「neon」を出展。このころはまだコントロール基板に手頃なものがなく、プロポ2台を使ってそれぞれの関節に操作を割り当て、ほとんど職人技で動かしながら操縦していたという。

 その後、企業と一緒に様々な活動を行なう。テムザックの「援竜」のデザイン、ヴイストンから発売された「鉄人28号」ロボットの商品化、攻殻機動隊のDVDプロモーション用の「タチコマ」などの製作だ。アニメの中に出ているロボットを具現化すると、既にアニメを見ている人は最初からバッググラウンドや性格付けに対してある程度の思い入れを持ってロボットを見る。そこが面白い経験だったという。


NEON 援竜 タチコマ

 一番最近の仕事はパナソニック製乾電池のCMキャラクターである「EVOLTA」。高橋氏はラジコンヘリにカメラをつけて撮影したという当時のメイキングビデオを示した。スタッフも大人数だったため、もし失敗したら大変だと感じたそうだ。そして5回失敗し、6回目でようやく成功したと苦労を語った。

 また、紫式部をモチーフにしたロボットも高橋氏は作っている。これまで高橋氏は海外の名所でロボットの展示を行なってきたが、日本で日本らしい風景のところで展示したことがない、和の風景で写真を撮ると外人ウケもしそうだなと思って、この仕事をうけたという。イベント期間中ずっと動くようにと、とにかく壊れないように機構を工夫したそうだ。またMP3プレイヤーが入っているので音声を再生して、解説もしてくれる。

 その他、京都大学による電気自動車プロジェクト「Kyoto-Car」にも参加している。また、ロボカップ世界大会のTeam OSAKAの「VisiON」のデザイナーとしてもよく知られている。ロボカップの将来目標は、2050年までに人間のワールドカップ優勝チームに勝利することだが、高橋氏は意外と簡単なのではないかと考えているそうだ。なぜなら、サッカーは比較的、ボールをゴールに入れるという目的がはっきりしているからだという。それよりも、「500円あげるから時間をつぶしてこい」といった何気ないこと、はっきりしない目的をこなすほうがロボットには難しい。ジェスチャーにしても、目的がはっきりしているものなら簡単だが、自然な動作を作ることが難しいのだという。


【動画】EVOLTA MURASAKI VisiON

 高橋氏のロボットの作り方の特徴は、設計図がないことだ。自分1人で考えて部品を作ってしまうので要らないのだという。また設計図を使って設計するよりも実際に手を使って作っていくほうが、よりエモーショナルな曲線をもったデザインができるという。「CADは使えるけど駄目な設計をする人もいる。自分の手でものを創り出していくことが重要」と強調した。

 では高橋氏自身がどうやって作るかというと、まずバルサを削って木型を作り、それをカセットコンロと掃除機を使ったバキュームフォームマシンでプラスチックの板部品を作る。それに強度をつけるためにカーボン部品と張り合わせることで作っていくそうだ。また今回、京商のブースではレーシングチームとして知られる童夢が作ったフルカーボンボディのマノイが展示されていたが、このカーボン材料には今後大いに期待しているという。

 高橋氏はすべての工程を1人で行なっているわけだが「独創的なものを作るためには個人の突拍子もないようなアイデアが大事なのではないか」と述べた。ひらめきや思いつきや独創性、経験、ノウハウを持った個々人が共同作業をすると、総合的にいいものができるのではないかという。ただし、よく言われるように1+1が3になったりすることはまずなくて、よくて1.5程度、大抵は1と1を足しても1を割り込んでしまうことが多いという。


部品の製作工程 部品の製作工程 木型

 これからのロボットはどうなるのか。研究のためのロボットの基本的な目的は論文を書くことだ。だが、実用的なロボット、一般の人が欲しがるようなロボットは出てきていない。高橋氏は、取りあえず動かしてしまってステップアップしていくのが正しい道で、あれこれつけて重くなって動けなくなってしまっては面白くない。一般の人が見ると何か機械がうごめいているようにしか見えないものばかり、そんなロボットは欲しくないと、研究として行なわれているロボットをバッサリ切った。

 これからは、基礎研究成果を元に、一般の人が欲しいと思うロボット、市場にもっと近いロボットを作らなくてはいけないという。そのためには、まず外から見てカッコいいものを考えて、そのために中をどうするかというアプローチが必要だという。


ロボットの存在意義
 高橋氏はロボットの意義について、人間と双方向にコミュニケーションがとれる機械という点を挙げた。今日、何かしらの音声を出すことのできる家電類は少なくない。だが、それらの機械がしゃべっても人間は返事をしない。人間は、たとえしゃべっていても例えば冷蔵庫とコミュニケーションしようとは思わないのである。ところが、それが人型ロボットだとコミュニケーションを取ろうとするという。

 ヒューマノイドだと、ロボットを展示したときに「さわらないでください」と札を立てていても、人間から寄ってきて、頭をなでたりしてコミュニケーションとろうとする。もちろんその人たちもそれが機械であり、電源が入っていなければ動かないことは知っている。それでも何かしらのやりとりをしようとする。つまり、機械であることを人間が知っているにも関わらず人間が生命を感じ取れるものがロボットなのだという。

 研究者の中には「かっこいい」ということの認識がずれている人もいる、これからはメカとデザインのバランスをとりながら作れる人が必要だと述べた。たとえば人間は、パッと見た人間に対して瞬間にある印象を感じてしまう。だから立ち姿もデザインしていくべきだという。ロボットの基本姿勢には棒立ちになって腕を伸ばしている姿が多い。だが工学的にそのほうがよくても、少なくとも人間は普段そのような姿勢はあまりとらない。動き始める前の立ち姿も含めてデザインすべきだと強調した。

 そんなことを考えながら作ったのが、女性型ロボット「FT」だという。スカートやロングヘアとか、はたまた胸から飛び出す「おっぱいミサイル」とかではない、女性らしさの表現を目指したそうだ。たとえばFTは若干X脚になっている点からも、それがわかる。

 女性型ロボットFTは、これまでと違った媒体から取材されるようになったという。写真家の篠山紀信氏にグラビア撮影してもらったり、ミスユニバースを獲得した女性と一緒に撮影が行われたこともあるという。男性型のロボットだとすぐに戦う方向に考えがいってしまいがちだが、女性型のロボットならではの何か新しい機能があるのではないかという。


【動画】FT 立ち姿もデザインすべき 「女性型」であることで多様な媒体に登場

 高橋氏は「ロボットは新しい知的好奇心から生まれた産業だ」と語る。これからのロボット関連産業においては、デザインやコンセプト、そしてセンスを持った人材が必要になる。そこで教育関連の取り組みや、ダンスやアートなど他分野のエンターテイメントとのコラボレーションも色々やっているという。

 日本はこれまで機械が得意だった。そこに加えて最近は「コンテンツ」と呼ばれるアニメやゲーム、キャラクターが人気を呼んでいる。ロボットは両者を融合できるプロダクトでもある。

 ただ、日本のロボットは世界一だが、それは「ものづくり」の力による面が大きいという。ロボカップでもたとえばAIBOを使う競技では日本のチームは1位にはなれないように、ソフトウェアにおいては日本は世界一ではない。だがロボットをゼロから作る、精密なモノをしっかり作るとなると日本は強い。

 ロボットがどう受け入れられるかについては、これまたメディアでしばしば見られる意見のようにそれは宗教のせいではなく、文化的影響が強いのではないかという。日本人のロボット観は、ドラえもんやアトムに見られるように「機械」と「人間」の中間的存在だ。ところが海外(特に米国)では「ほぼ人間」あるいは「ほぼ機械」というイメージなのだそうだ。現在、海外では日本製のアニメや漫画などを通じて、日本人的ロボット観を学びつつある段階だという。

 世界各地で展示会を行なっている高橋氏だが、世界に目を広げると、ユーザー数は増える。コストパフォーマンス面から考えても、海外に出て行くことが大事なのではないかという。


日本人のロボット観は「機械」と「人間」の中間的存在 世界に発信、そして海外での評価の逆輸入が成功への近道

 そして実用化がどんな順番で進んでいるのかについても述べた。現在ロボットのアプリケーションとして挙げられることの多い介護ロボットやレスキューロボットなどは根本的にニッチ市場であり、順序はむしろ逆で、普及は家庭から始まるのではないかと述べた。乗用車ができたあとに消防など特殊用途の車両ができるイメージだという。また技術的に見ても健常者と接するロボットよりも、障害者と接するロボットの方がはるかに安全性に気を使わなくてはならないため、非常に難しいという。倫理的に見ても、たとえば介護において一番合理的なシステムは人間をベルトコンベアに乗せて、あれこれ世話してしまうことだろうが、そんな扱いは許されない。

 高橋氏は、皿を洗うロボットが欲しいといったような「安直なニーズに振り回されるべきではない」と述べた。携帯電話も当初開発者たちが考えた用途とはまったく違う使われ方をしている。ロボットにおいても、人間作業代替のような、いま思いつくようなものはあくまで買ってもらうためのいいわけであり、実際に使う用途は違うという。

 ロボットの使い方は誰も予想できない。普及していく中で「文化」として勝手に生まれてくるものだという。携帯電話をいじる行為は基本的に暇つぶしばかりで役には立っていない。だが、生活の一部となっている。それと同様に、生活の一部となることが重要となる。

 ヒューマノイド型ロボットがやることは人間とのコミュニケーションだという。家電製品やインフラとして埋め込まれたセンサー類がネットワークに繋がっており、インターフェイスとして命を感じることのできるロボットを使う。そのときのロボットはどんな存在かというと「交換留学生のようなイメージ」だという。交換留学生は文化が違うから色々とトラブルもありえる。言葉もあまり通じないかもしれない。それと同じように人間とロボットもドタバタしながらもお互い助け合えるのではないかという。ロボットが得意なことはロボットが行ない、あるいはアバターのような役割をして他者と繋ぐこともあるだろう。人間はとにかくコミュニケーションが好きなので、コミュニケーションツールとしての可能性に期待していると述べた。


高橋智隆氏。ROBO GARAGEブース前にて
 ではそのコミュニケーションロボットはどのようなところで使われるのだろうか。高橋氏は「富裕層向けロボットリビング空間」ではないかとした。最初は、金持ちの自己満足と知的好奇心のためにロボットが使われるだろうという。反発を感じる人もいるかもしれないが、経済的に余裕がある人が得体の知れないモノを買うのはベンチャーに投資するのと同じであり、自動車も同じ道楽者の人が新しいものを購入してきたから普及に至ったという。「いきなり商店街にいるおばちゃんをターゲットにしても、未来永劫その人の手元にロボットがいくことはない」と高橋氏は語った。

 自分の工房兼住宅に、実際にそのようなロボット空間を創りたいなと考えているという。逆に不便になることがあっても、なるべくいろんな機械を導入していきたいそうだ。「行政が支援しようとすると偽善的な方向にいきがちだが、金持ちが買うほうがむしろ自然だ」と述べた。

 高橋氏は最後に「15年後には一家に一台になるといいなと思う。そのときにロボジャパンがもっと大きな規模になっていれば」と語り、「機械が生活の一部になると手放せなくなる。ロボットがない今の時代が不幸かというとそうでもない。だが一度普及したら手放せなくなる。そして全ての製品やサービスがロボットに関わるようになるだろう。考え方が固まりがちなロボット関係者だけでなく広く色々な人たちが、ロボットのことを気にかけてほしい」とまとめた。


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URL
  ROBO_JAPAN 2008
  http://www.robo-japan.jp/robo/

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( 森山和道 )
2008/10/14 21:31

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