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国立科学博物館が「未来技術遺産」の登録制度を開始
~今年は塩ビ管からH-IIロケットまで23点を選定


 独立行政法人 国立科学博物館は、科学技術の発達史において重要なものや、国民生活に大きな影響を与えたものを「重要科学技術史資料」(愛称:未来技術遺産)として登録する制度を開始し、10月9日(木)にその登録証と記念盾の授与式を行なった。未来に残すべき資料として、保存と活用を図っていくという。


国立科学博物館にて授与式が行なわれた 代表者に渡された記念盾 こちらは登録証(H-IIロケット7号機)

 今回選定されたのは、現存する最古の変圧器といわれる「特別高圧油入変圧器(13.2kV 100kVA)」(1910年:芝浦製作所、現・東芝)から初めての純国産大型ロケットである「H-IIロケット7号機」(1997年:宇宙開発事業団、現・宇宙航空研究開発機構)までの23点。11月3日(月・祝)まで、地球館2階にてパネル展示を行なう予定だ。


特別高圧油入変圧器(現存最古の変圧器) 巡洋戦艦「金剛」搭載ヤーロー式ボイラー(現存最古級の艦艇用ボイラー) TYK無線電話機(世界初の無線電話)

手吹式ガラス円筒(日本最古級の板ガラス用ガラス円筒) 高柳式テレビジョン 「イ」の字書き雲母板(世界初のブラウン管式テレビの被写体) 分割陽極マグネトロン(マイクロ波技術への世界的貢献)

依佐美送信所送信装置 一式(ヨーロッパとの電波の架け橋) 第1号ナイロン紡糸機(日本初のナイロン製造装置) 国産初期の硬質塩化ビニル管サンプル(日本最初期の塩ビ管)

国産大型舶用ディーゼル実験機関(日本初の排気過給機付きディーゼル機関) 自溶炉図面(銅精錬技術革新を示す) 空気湿電池 300型

旧千葉火力発電所1号機のタービン発電機(戦後初めての火力発電用タービン) 大阪大学真空管式計算機 一式(日本最初期の真空管式電子計算機) KT-PILOT(世界に先駆けたマイクロプログラム方式コンピュータ)

噴水型飲料用自動販売機(自販機普及のさきがけ) 電子式卓上計算機「コンペット」(世界初のオールトランジスタ電卓) 喜撰山発電所フランシス形ポンプ水車(世界最大容量だった揚水発電用水車)

電子式卓上計算機「カシオミニ」(電卓普及の契機となった) VHS方式家庭用ビデオ「HR-3300」(世界標準となったVTR) SCARA試作機(世界で定番となった産業用ロボット)

縮小投影型露光装置「NSR-1505G2A」(世界を席巻した集積回路の製造装置) H-IIロケット7号機(初めての純国産大型ロケット)

同日より、地球館2階にてパネル展示が開始されている。その後は、日本橋にある同センターにて常設展示する予定だという
 選定基準は「科学技術(産業技術を含む)の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの」と「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたもの」の2つ。これらの資料は近年急速に失われつつあり、保存・継承していくために今回の制度を始めた。保存は基本的に所有者の元で行ない、年1回程度、資料の状況について問い合わせるという。

 国立科学博物館の佐々木正峰館長は、「科学技術の技と心を伝えることが博物館の重要な役割と考えている」と挨拶。「戦後の日本がなしとげた発明、発見、世界的な製品などを後生に伝えていく。そのためにこの登録制度が大きな役割を果たすことを期待したい」と述べた。

 この制度は、同博物館の産業技術史資料情報センターが行なってきた所在調査や技術史研究の成果を元にしたもの。これまでに1万件を超える情報が集められており(このデータベースは同センターのWEBで公開されている)、今回の23点はほとんどこの中から選出されている。今後も年1回、50点程度を目処に登録していく予定だ。


URL
  独立行政法人 国立科学博物館
  http://www.kahaku.go.jp/


( 大塚 実 )
2008/10/10 16:40

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