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明石市立文化博物館にて「ロボット大図鑑2008展」開催
~マッスルスーツ体験コーナーなど、8月末まで期間中無休


明石市立文化博物館
 7月19日より、兵庫県明石市立文化博物館において「ロボット大図鑑2008展」がスタートした。開催期間は8月末日まで。期間中無休。

 1950年代の鉄腕アトムや鉄人28号に始まり、その後も次々とロボットアニメが放映されてきたため、日本人の多くはアニメや映画のロボットに親しみを覚え、好意的なイメージを持っている。だが、ロボットの歴史や現在の開発状況を知らない人は意外と多い。

 今回のイベントは、懐かしいブリキロボットや歴代ロボットアニメのフィギュアを数多く展示し、パネルでロボット創造の歴史を解説している。親しみやすい切り口から来場者をロボットの世界へ誘い、最先端ロボットの展示やショー、体験を通じて「モノづくり」の大切さを再認識し、科学技術への関心を育てることを目指している。


明石駅から徒歩5分。この看板横の階段を登っていく エントランスにはマジンガーが2体並んでいる

 展示場では、wakamaruが来場者を出迎えてくれる。メンタルコミットロボット「パロ」や、おしゃべり「イフボット」、「AIBO」などを体験できるコーナー、家庭用二足歩行ロボットの展示コーナーなどがある。

 「Drオチャメのわくわくロボットショー」は、実際に二足歩行ロボットを動かしながら、モーション作成方法の説明をし、分かりやすく楽しい内容になっていた。


2階の展示場では、wakamaruがお出迎え 家庭用ロボット、ホビー用二足歩行ロボット展示コーナー 鉄腕アトムコーナー。フィギュアの他、書籍やポスター、グッズなどもあった

書籍やDVD、多数のロボット玩具やフィギュアを年代別に展示 PCが家庭に普及し始め、任天堂のファミコンにも周辺機器としてロボットが発売された パネルにてロボットの歴史を解説

「Drオチャメのわくわくロボットショー」 G-RobotsやROBONOVA-Iなどを楽しく紹介し、モーション作成の解説なども行なっていた ロボットショーの後、親子でロボット操縦体験

愛知工業大学「鉄人プロジェクト」

 愛知工業大学「鉄人プロジェクト」ブースには、同プロジェクトが開発した等身大の鉄人を始め、歴代の鉄人が展示されている。鉄人2号、3号はロボットショーに登場し、子ども達が体験操縦していた。

 ブース内には、「カードDEチャレンジSimROBOT」愛知工業大学鉄人プロジェクトバージョンが設置されている。

 「カードDEチャレンジSimROBOT」は、カードを使ったヒューマノイドロボットの組み立てゲームだ。100mダッシュや卓球、カンフーなど6種類の競技から1つを選択し、自分が所有するカードを組み合わせてその競技で勝つためのオリジナルロボットを組み立てる。

 このカードには、サーボやCPUボードなどのパーツ情報が埋め込まれているので、遊びながらロボットの構成パーツであるフレーム、サーボ、バッテリ、コントローラ、センサーの役割や、性質を学習できる。

 実際のロボットを組み立てるのが難しい低学年層が、ゲームを通じてロボットの仕組みや、ものづくりの楽しさをバーチャルで体験するのが狙い。入場時に1人1枚貰えるコインを使って、ゲームができる。


愛知工業大学鉄人プロジェクトの展示 【動画】等身大の鉄人28号。操縦者は古橋秀夫教授(愛知工業大学鉄人プロジェクト) 【動画】鉄人2号の歩行と旋回。身長34cm、全身20自由度(片足6軸×2、片腕4軸×2)

【動画】鉄人2号の倒立。起き上がりコマンドは「負けるな! 鉄人」 【動画】鉄人3号のデモンストレーション 鉄人3号の背中側。身長64cm、体重3.8kg。全身22自由度(片足6軸×2、片腕4軸×2、腰2軸)

鉄人コントローラー。左が3号機用、右の2号機用は音声入力 「カードDEチャレンジSimROBOT」愛知工業大学バージョン ロボットカードは、20種類ある

マッスルスーツ体験コーナー

 もうひとつの目玉展示は、東京理科大学小林研究室のマッスルスーツだ。

 19日には、マッスルスーツの開発者である小林宏教授(東京理科大学教授)を講師に招き、特別記念講演「人間生活を支援するロボット技術」が開催された。

 マッスルスーツは、伸縮する人工筋肉を動力源にした人の動きをサポートする補助ウエアだ。人工筋肉は、細長い円柱状のゴムチューブにナイロン繊維の網を被せた二重構造になっている。ゴムには伸縮性があるが、ナイロン繊維は伸縮しないため網の目が広がる。その2つの性質を組み合わせ、チューブに高圧空気を送ると直径方向に膨張して長さが収縮する仕組みだ。この伸縮する力がパワーとなり、人の動作を補助する。

 小林教授は、要介護者や身体の不自由な方が自立生活するための動作補助として、マッスルスーツの開発を始めた。しかし、マッスルスーツがメディアで取り上げられると、ヘルパーが介護時に使用したり、企業の肉体労働者の筋力補助や姿勢補助への活用を期待されることが多かったという。

 例えば、工場内の組み立て作業などで、長時間中腰の姿勢を取るのは腰に負担が大きい。マッスルスーツで腰の筋力を補助すれば、着用者は腰の力を抜いていても、同じ姿勢を保つことができるため腰痛防止になる。

 今年5月から肉体労働補助用のマッスルスーツの共同研究を企業と進めており、年内には実証実験を行なう予定になっているという。

 会場には、2種類のマッスルスーツが展示されている。静展示のマッスルスーツは、介護用に開発したもの。もう一つは肉体労働補助タイプの簡易版で、来場者がマッスルスーツを着用して体験できる。体験用スーツは、身長120~140cmの子ども専用。安全のために保護者が操縦することが条件だ。

 マッスルスーツを着用すれば、人工筋肉のパワーで150kgくらいのものを持てるようになるという。だが、筋肉や骨にはその重量の負担が掛かるため、人が着用する場合に大きなパワーは出せない。30kgのものを半分くらいのパワーで動かせるようにアシストする設計になっているという。体験では安全確保のために「何かを持つ」というようなことはしていなかったが、筆者は特別に体験させてもらった。

 このマッスルスーツは、着用者が自分の意思で動かすことができない。人工筋肉をコントローラーで操作するので、操縦されている間は、自分がロボットの中に組み込まれる形になる。自分の体が、意志に関係なく勝手に動くというのは変な気分だった。

 私の後に体験した親子は、おとうさんが「○○ちゃんスイッチ」といいながら、子どもを動かしていた。


マッスルスーツ(東京理科大学 小林研究室) 背面に人工筋肉が大小4本ずつ並んでいる。肩の筋肉は腕に比べてパワーが必要なので、チューブが太くて長い 【動画】マッスルスーツの体験。踊っているように見えるが、自分で動いているわけではない

【動画】おとうさんスイッチならぬ“お子さんスイッチ” マッスルスーツ体験のコントローラー。1~5のボタンでいろいろな動作をする 新型は、スライドバーで肩幅を合わせられる(本来は中央にスプリングが入る)

人工筋肉が収縮するとワイヤーが関節のプーリーを引っ張って動かす 【動画】人工筋肉が収縮する様子 小林宏教授(東京理科大学 工学部機械工学科)

   8月末までのイベント期間中に、講演やトークショー、ロボット工作教室など様々なイベントが企画されている。観覧料は、大人=1,000円、高、大生=700円、小、中生=500円。

【主なイベント】

●講演/トークショー
特別講演会
「AIT鉄人28号計画」
7月26日(土)・27日(日)13:00~
トークショー
「アトムの面白さ」
8月9日(土)・10日(日)13:00~
ギャラリートーク
「ロボットの歴史」 
8月2日(土)・3日(日)・16日(土)・17日(日)・23日(土)・24日(日)13:00~


●ワークショップ「Drオチャメのロボット工作教室」 1日2回(10:30~、15:00~) 定員:各20名(電話受付)
ガッキンロボットを作ろう8月2日(土)・3日(日)
スーパーロボットを作ろう8月9日(土)・10日(日)
プルプルロボットを作ろう8月13日(水)・14日(木)・15日(金)
ダダダンダンボールロボットを作ろう8月23日(土)・24日(日)


●親子工作塾 13:30~ 定員:20人
ペットボトルで作る『コロコロカー』8月17日(日)


●デモンストレーション/ショー
レスキューロボットを見てみよう8月2日(土)・3日(日) 11:00~、13:00~、15:00~
Drオチャメのわくわくロボットショー8月16日(土)・17日(日) 11:00~、15:00~
鉄人28号計画ロボットショー7月26日(土)・27日(日)11:00~、15:00~
自転車にのるロボットがやってくる8月18日(月)11:00~、13:00~、15:00~
ロボコンロボットを見て動かそう8月9日(土)・10日(日)11:00~、13:00~、15:00~


URL
  明石市立文化博物館
  http://www.akashibunpaku.com/index.html
  ロボット大図鑑2008展
  http://www.akashibunpaku.com/top_page/robot-049.html
  小林研究室
  http://kobalab.com/

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( 三月兎 )
2008/07/24 00:12

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