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大阪日本橋で「家庭用お掃除ロボット3メーカー対抗バトル」開催
~売価29,800円のお掃除ロボット性能比較レポート


 5月24日(土)に、大阪日本橋のジョーシンJ&Pテクノランドが、家庭用お掃除ロボット3メーカーを取り揃え清掃能力を比較する「お掃除ロボットバトル」を開催した。

 家庭用お掃除ロボットは、iRobot製Roombaの累計出荷台数が250万台以上と大ヒットしている。Roombaに続けとばかりに、お掃除ロボットをテレビショッピングや通販などでよく見かけるようになった。これらの製品は、Roombaと比較すると手頃な価格帯に設定されている。

 確かにお掃除ロボットに関心を持つユーザーは多いが、日常的に使用する家電だけに性能面が気になるところ。そこで上新電機株式会社のJ&P営業部商品開発担当課長代理である蜷川友夫氏が「店内で同じ条件でお掃除ロボットを動かし、お客様にその性能を納得してほしい」と、今回イベントを企画したわけだ。

 このイベントでは、売価29,800円のお掃除ロボット3メーカーを招き、ロボット専科の専用ステージで商品のPRを行ない、実際に3分間ゴミを吸引してロボットの清掃能力を競った。


大阪日本橋J&Pテクノランド 上新電機株式会社 J&P営業部商品開発担当課長代理 蜷川友夫氏

エントリーロボットの紹介

 まず、3メーカーの掃除ロボットを紹介しよう。

 株式会社シー・シー・ピーの「SO-Zi(ソージー)」は、本体サイズ幅340×奥行340×高さ95mm、約10時間の充電で60分連続稼働できる。重量は3.5kg。本体両側に回転ブラシがあるのが特長で、壁際のゴミをかき集めて掃除する。吸い込み口の後ろには、モップシートがセットされており、吸引+拭き取り式で細かい埃などもキレイに掃除する。得意な床面はフローリングで、畳やカーペットは少々苦手だ。最大掃除面積は約15畳~20畳。集塵容量は0.36リットル。ダストケースは水洗いもできる。

 SO-Ziは部屋の中をランダムに動き回り、壁や家具にぶつかるとショックセンサーが反応して方向を転換する。12cm以上の高さがあれば、ベッドの下やソファーの下にも入って掃除をする。部屋の中央からスパイラルに動きながら掃除し、壁際ではショックセンサーを利用して壁伝いに移動する。最期はジグザグに動いて隅々までキレイにした後、自動的に充電ステーションへ帰還する。この充電ステーションでは掃除プログラムの設定が可能で、週1回、毎日、平日毎日、平日+土曜、土・日と5つのパターンから選ぶことができる。

 また、正面と左右に合わせて3つの落下防止センサーが搭載されており、段差を感知して落ちないように動き回る。5mm程度の障害物は乗り越えて移動する。その他にもリモコンで操縦して掃除したり、吸引せずにモップ掛けだけを行なうモードも選択できる。モップシートは購入時に6枚付属で、別売で専用シートが30枚入り1,050円で販売。サイズが合えば100円ショップなどのお掃除シートも使用できるという。1回当たりの電気代は約3円。


名前の「SO-ZI」は掃除とso easyを掛け合わせた造語 両側のブラシで壁際のゴミをキレイに掃除する 株式会社シー・シー・ピー 大阪支店営業担当係長 細川浩二氏

 ガイズ株式会社の「FALTIMA030」は、本体サイズが、直径340×高さ100mm、充電時間4~5時間で、45~60分間駆動する。本体重量は2.71kg。本体の右側に回転するサイドブラシがあり、壁際のゴミを効率良く集める。本体の左側に集塵用の小さなブラシがついているのだが、左右のブラシ形状が異なるため、壁伝いに掃除する時は必ず部屋を時計の針と反対方向に回ることになる。サイドのブラシで集めたゴミは、中央の大きなメインブラシでかき込む方式だ。

 またインテリジェントパス機能を有しているので、部屋の中央からスパイラルで掃除を開始し、壁や障害物などにぶつかると、タッチセンサーが反応して方向転換する。前方4カ所の赤外線で階段などを検知して、段差から落ちないように進路を変更して移動する。ソファーの下など一般の掃除機では届きにくいところも潜り込んで掃除する。

 部屋のサイズに合わせて「SMALL/MEDIUM/LARGE」の3つからモードを選択し、効率よく清掃が可能。部屋の掃除が終わるか、電池が残り少なくなると、自動的に充電ベースに戻る。そして充電が完了すると、自動的に掃除を再開する。事前に掃除時間を設定して、留守中に自動的に掃除を開始することも可能だ。また、リモコンでコントロールしながら掃除もできる。1回当たりの電気代は約2円。集塵容量は0.25リットルで、ダストボックスは水洗い可能。

 「FALTIMA030」は清掃能力だけではなく、デザイン性も重視しているという。リビングに置いてあってもカッコイイ外観で、カラーリングもインテリアに合わせて選べるようにブラックとホワイトを用意した。その他リモコンと充電ベースがない廉価版「Lisire030(リザイア)」も19,800円で販売していて、こちらのカラーはレッドとシルバーになっている。


リビングに置けるデザイン性も考慮したという「FALTIMA030」 ダストボックスはフィルターを外して、水洗いが可能 ガイズ株式会社 代表取締役社長 神田考一氏

 スリーアップ株式会社の「ロボクリン」は5月末に発売開始の新製品で、3月に開催された第39回大阪インターナショナルギフト・ショーでグランプリを受賞している。本体サイズは幅320×奥行320×高さ120mm、重量は約3.3kg。5~6時間の充電時間で最大60分連続稼働する。

 多くのロボット掃除機は、かき込み式または吸引式が主流だが、ロボクリンは大きなブラシでゴミをかき込み、内部の装置で吸引するW方式を採用している。前方にあるセンサーで段差を回避したり、部屋の中を直進し壁や家具にぶつかるとランダムに方向転換する。また円弧走行とジグザグ走行という2つの走行方法で、部屋の隅々まで掃除するのが特徴。無論本体が入るスペースがあれば、ベッドの下などにも潜り込んで掃除してくる。その他にもタイヤが大きいため10mmくらいの障害物を乗り越えることができたり、本体の裏面にあるUV除菌ランプで除菌を行なうなどの特徴も挙げられる。集塵容量は約0.25リットル。ダストケースは水洗い可能だ。


お掃除ロボットバトルレポート

 店舗が用意したゴミは、シュレッダーに掛けた紙くず、ビーズ状の車用芳香剤、小麦粉を混ぜたものだ。これをステージ上にばらまき、3分間で清掃力を競った。リモコンの使用は許可されている。

 正直言って、今回用意されたゴミはかなり厳しい条件だった。丸いビーズはころころとして普通の掃除機でも吸いにくいし、小麦粉はフィルターの目詰まりの原因となる。競技の様子をご覧いただければ、小麦粉の量がかなり多いことがわかるだろう。一般家庭で普通に掃除する時に対象となるゴミは、髪の毛やパンくずなどの食べこぼしが多く、あとは細かな埃である。ここまで粉末をばらまいた状態で、掃除機を使うことは少ないだろう。そうしたことも念頭に置いて、動画をみて欲しい。

 1番手は「SO-Zi」だ。店頭で1日中デモンストレーションをしていた機体を使ったため、リモコンの電池が消耗していてコントロールできないというアクシデントがあり自動操縦のまま3分間掃除した。


【動画】SO-ZIが通った後は、モップシートで小麦粉もキレイに掃除されている 【動画】両サイドのブラシで壁器際のゴミをかき集めて掃除する SO-ZIが3分間掃除した後のステージ。リモコンの電池切れで中央の掃除ができないのは不運だった

掃除を終えた「SO-ZI」の裏面。モップシートは小麦粉で真っ白だった ダストカップに溜まったゴミ フィルターが小麦粉で目詰まりしてしまった。これでは本来の吸引力を発揮できない

 2番手には「FALTIMA030」が登場。「FALTIMA030」がもっとも得意とするのは、カーペット上の掃除ということで、今回は少々苦戦している様子が伺えたが、移動スピードが速く、音も静かだった。


「FALTIMA030」の実演。3社の中で一番音が静かだと感じた 【動画】「FALTIMA030」は回転ブラシが右側にあるため、壁際は右回りに掃除するのがリモコン操縦のコツだ

「FALTIMA030」が3分間掃除した後のステージ。小麦粉に苦戦しているようだ 掃除を終えた「FALTIMA030」の裏面。小麦粉で真っ白だ

 最期に「ロボクリン」が登場した。かき込み+吸引のW方式のためパワーがある。ランダムからスパイラルなどへモードを変換する時に、ピロパロと音声を発するのも可愛らしい。最期の1分間で、中央を重点的に掃除して吸引力のアピールを上手にしていた。


【動画】「ロボクリン」は、かき込み+吸引式でゴミを吸い取っている 【動画】周回することで、ゴミを確実に吸引していることがよくわかる

「ロボクリン」が3分間掃除した後のステージ。周回して清掃能力を上手にアピールした 掃除を終えた「ロボクリン」の裏面。吸引口が前方にあるため、機体はそれほど汚れていない パワーを誇るだけあり、ゴミをたっぷり吸い込んでいる

 3分間という限られた時間では、ステージ内を完全に掃除できるわけではないので、評価が難しいところ。全機のデモンストレーション終了後に、観客の拍手で優劣を決定したところ、「ロボクリン」の人気が高かった。吸引力の強さを上手にアピールしたのが勝因だろうか。

 「FALTIMA030」は一番得意とする床面はカーペットだという。1階の店頭では、カーペット上で掃除するデモンストレーションもしていたので、こちらも紹介しておく。

 筆者の主観では、「SO-Zi」が通過した後が一番キレイになっていたように思う。これはモップシートの効果が高いためだろう。モップシートだけで掃除をすれば、作動音がほとんどしないのも嬉しいところだ。

 同じ価格帯のお掃除ロボットでも、それぞれ得意とする清掃条件が異なるため、このように性能を比較して購入を検討できる場というのはありがたい。なお、お掃除ロボットを上手に使いこなすためには、ユーザー側にも「床にモノを置き散らかさない」という気配りが必要になる。お掃除ロボットを購入したユーザーからは、「掃除がラクになった」という声とともに「日頃から、マメに片付けをするようになった」という報告が届いているという。ロボットと共同生活するためには、ユーザーもロボットに協力する姿勢が必要なようだ。


【動画】店頭で、「FALTIMA030」がカーペットにばらまいたナッツの掃除デモンストレーションを行なっていた 【動画】自動で充電ステーションに戻る「FALTIMA030」

【動画】「SO-ZI」が、競技後リモコンを使った実演を行なった。壁際の掃除が上手い 3メーカーのお掃除ロボット比較表

併設の二足歩行ロボットステージ

 今回取材した日は二足歩行ロボットのステージも用意されていたので、こちらも紹介しよう。

 京商の「MANOI」はハンドユニットを搭載していたが、手先の表現力が豊かになったのが非常に伝わってきた。今回は、来場者とじゃんけんをしていた。このハンドユニットは7月頃に発売予定だという。価格は未定。組立キットで、現在の試作機では片手だけでパーツ数が38点あるという。今後は、やり投げなど手を使った競技会も検討していくという。

 HPIは、G-Dogのデモンストレーションや、G-Robotsを使ってさいころゲームなどを披露した。


ロボット専科には、各メーカーの二足歩行ロボットが揃っている MANOIの新外装TypeC 【動画】MANOIがおっぱっぴーのモーションも披露した

【動画】MANOIとじゃんけん大会を実施 ハンドユニット。小指側のサーボを回転させると、親指、薬指、小指が曲がる ハンドユニットの部品点数は38点(試作品)

子ども達がG-Robotsを操縦して、さいころゲームを楽しんだ G-Dogは子ども達の人気を集めていた 【動画】G-Robotsを組み替えたミニロボット。ぱたぱたした動きがユーモラス

URL
  ジョーシン J&Pテクノランド
  http://shop.joshin.co.jp/shopdetail.php?cd=0985

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( 三月兎 )
2008/05/27 18:00

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