福岡工業大学アリーナで全日本ロボット相撲九州大会開催

~全日本ロボット相撲最後の地区大会


 第21回全日本ロボット相撲の地方予選の最後となる九州地区大会が、10月25日、福岡工業大学アリーナで行なわれた。

 九州地区の高校生だけが参加できる高校の部には、ラジコン型部門には21台、自立型部門には24台の計45台の参加があった。その制限のない全日本の部では、ラジコン型部門に60台、自立型部門に60台の計120台の参加があった。

会場となった福工大アリーナ開会式の様子会場の様子。土俵は5面あり、それぞれでいっせいに試合が行なわれた
土俵の周辺。ロボットを土俵に置いた後は、白い円内への立ち入りが禁止されていたロボット相撲なので、土俵の外に押し出されると負けになるトーナメント表および試合結果は、会場のPC用モニターに映し出されていた
自立部門では、スイッチを押してから5秒後に機体が動き出すようになっているロボット相撲の機体はいずれもパワフルなので、土俵の外に跳ね飛ばされる機体も

高校の部ラジコン型部門

 高校の部ラジコン型部門の決勝戦は、福岡工業大学付属城東高校同士の戦いとなった。試合は魔法の剣R2が2本先取で制した。今大会の会場となった福工大アリーナは、城東高校の敷地内にあるようなものであり、いわば城東高校はこの大会のホスト校とも言える。ラジコン部門での1位2位独占はその意地を見せたと言えるのかもしれない。

城東高校同士の戦いとなった高校の部ラジコン型部門決勝戦高校の部ラジコン型部門決勝2本目優勝を決め、喜ぶ魔法の剣R2チーム

 高校の部ラジコン型部門で、全国大会に出場したのは次の4台。

優勝 魔法の剣R2(福岡工業大学付属城東高校)
2位 魔法の剣R1(福岡工業大学付属城東高校)
3位 JSR-R2(沖縄工業高等学校)
4位 大器晩成(大分県立国東高等学校)

 3位には、今大会唯一の沖縄地区からの全国大会出場を決めた、沖縄工業高等学校のJSR-R2が入った。

高校の部自立型部門は大分県勢が独占

 高校の部自立型部門の決勝戦は、国東高等学校の黒津崎Iと津久見高等学校のトリニティ7との戦いとなった。

 この戦いを黒津崎Iが2-1で制して優勝した。国東高等学校はロボット相撲九州地区の強豪校として知られるが、今年もその力を見せてくれたようだ。

高校の部自立型部門決勝戦高校の部自立型部門決勝3本目左が優勝した黒津崎I、右がトリニティ7

 高校の部自立型部門で全国大会へ出場したのは次の4台だ。

優勝 黒津崎I(大分県立国東高等学校)
2位 トリニティ7(大分県立津久見高等学校)
3位 黒津崎零(大分県立国東高等学校)
4位 トリニティ5(大分県立津久見高等学校)

 3位と4位も大分県勢となり、全国大会出場は大分県勢が独占した。

全日本の部

 全日本の部は、地区を限定せずに参加することができるが、場所柄やはり西日本のチームが多く参加していた。その中では山口県立宇部工業高等学校と愛媛県立東予高等学校の活躍が目立った。

 全日本の部で全国大会出場を決めたのは、自立型ラジコン型それぞれ5台ずつ。

 全日本の部ラジコン型部門の決勝戦は、まさか2号と紀北震電の戦い。紀北震電は早いスピードで回り込み、横からの攻撃を仕掛けるが、まさか2号はなかなか押されない。最後はまさか2号がパワーで押し出す形で優勝を決めた。

 全日本の部ラジコン型部門で全国大会出場を決めたのは、次の5台だ。

【全日本の部ラジコン型部門】
優勝 まさか2号(山口県立宇部工業高等学校)
2位 紀北震電(紀北工業高等学校生産技術部)
3位 劉槍(香川県立三豊工業高等学校)
4位 魔法の剣R7(福岡工業大学付属城東高校)
5位 魔法の剣R3(福岡工業大学付属城東高校)

 全日本の部自立型部門の決勝戦に進んだのは、石鎚11と関AJI。お互いに似たタイプの機体で1本ずつ取り合った後の3本目を石鎚11が取って優勝した。

【全日本の部自立型部門】
優勝 石鎚11(愛媛県立東予高等学校機械部)
2位 関AJI(魚市場)
3位 双葉山Ⅳ(大分県立宇佐産業科学高等学校)
4位 石鎚13(愛媛県立東予高等学校機械部)
5位 ロマノフ二世(山口県立宇部工業高等学校)

全日本の部ラジコン型部門決勝戦力相撲となった、全日本の部ラジコン部門決勝左が優勝したまさか2号、右が紀北震電
全日本の部自立型部門決勝戦左が関AJI、右が優勝した石鎚11今大会最後の試合で全国大会行きを決めたロマノフ二世チーム
閉会式の様子全国大会行きを決めたチームのメンバー

 全日本の部で全国大会出場を決めた10台は、12月20日に両国国技館で開催される全日本ロボット相撲全国大会に出場し、上位進出を狙う。


(大林憲司)

2009/12/2 18:13