能古小学校にムラタセイサク君登場
~福岡市の島にある小学校でロボット授業
11月30日、福岡市西区にある能古島の能古小学校で、村田製作所のムラタセイサク君を使った出前授業が行なわれた。
●博多湾内にある能古島
能古島は福岡市西区にあり、福岡市西区姪浜の渡船場からフェリーで10分という、福岡市街地からも近い所にある島だ。
古くは万葉集にも名前が見え、現在は四季折々の花で有名なアイランドパークなどの観光施設が存在し、福岡市街地からも多くの観光客を集める福岡近郊の観光地として知られている。
能古小学校は、明治9年に創立され、現在は島の中腹に建つ(災害時の避難場所の意味合いもあるらしい)、74名の生徒が通う島の小学校だ。
能古島の案内図 | この島は万葉集の歌にも歌われている | 姪浜渡船場から見た能古島 |
海から見た能古島小学校。中学校と隣接している | 能古島小学校の正門 | 能古島小学校校舎越に見る福岡市街地。福岡ヤフードームや福岡タワーが見える |
今回、能古小学校でロボット授業を行なうことになったきっかけは、村田製作所のスタッフによる「離島の子供たちにムラタセイサク君を見せたい」という思いからだったそうだ。
村田製作所は関西を中心として、ムラタセイサク君を使った出前授業を数多く行なっている。しかし、どうしても都市部の小学校などが多く、「あまりロボットを見る機会のない離島の子供たちにムラタセイサク君を見せたい」という希望を持っていた。
2009年3月にロボスクエアでムラタセイサク君のイベントが行なわれたことがあり、その時に村田製作所のスタッフの希望を聞いたロボスクエアが動いて、今回の能古小学校でのロボット授業の実現となったものだ。
福岡市は市内にいくつかの島があるが、国宝の金印が出土したことで知られる志賀島は橋で地続きになっているため候補から外され、遠い島だと海が荒れた時に船が欠航して帰って来れなくなる危険があったため、博多湾内に浮かぶ能古島に落ち着いた経緯があったそうだ。
なお、費用節減のため、村田製作所のスタッフが鹿児島で行なわれたITフェアの帰り道に立ち寄るスケジュールで、今回の実現となったものである。
参考写真。2009年3月20日にロボスクエアで行われたムラタセイサク君のイベント | 参考写真。S字型の平均台の上を走行するムラタセイサク君 | 参考写真。ムラタセイサク君を見に集まった観客たち |
●ムラタセイコちゃんも登場したロボット授業
授業は小学校の体育館に全校児童を集めて行なわれた。ムラタセイサク君が2台、それにムラタセイコちゃんが1台参加しての授業となった。
ムラタセイサク君が2台あるのは、1台を平均台専用にチューニングしたためだ。
挨拶の後、プロジェクターを使った授業が行なわれた。
セイサク君を作った理由から説明があり、「セイサク君がなぜ倒れないのか」の原理の解説、それにセイサク君開発の様子が動画を交えて説明された。
スタッフは生徒たちに、ムラタセイサク君の開発が何度も失敗しながら進められたことを例に挙げ、「失敗してもいいんです。最後まであきらめないことが大事」と語りかけていた。
プロジェクターを使っての授業の後、いよいよムラタセイサク君たちの出番となった。
まずムラタセイコちゃんが登場し、倒れずに前後に進むパフォーマンスを披露した。次にムラタセイサク君が登場し、マジックステッキでムラタセイサク君を操縦する様子を見せていた。
最後に平均台用のムラタセイサク君が見事に平均台の上を渡り、これでロボット授業は終わりとなった。
ムラタセイサク君が島で披露されたのは今回が初めてとのこと。やはり島へは船で渡る必要があるなど、都市部でのロボット授業に比べて難しい部分もある。今回ロボット授業を実現させることができたのは、関係者の熱意によるものだろう。
2009/12/9 16:03