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ロボスクエアで黒田節を踊るロボットを特別公開

〜2009国際ロボット展にも参加


 11月16日、福岡市早良区百道浜にあるロボスクエアで、「黒田節」を踊る二足歩行ロボットが関係者のみに公開された。筆者は取材を許可されたのでその様子をレポートする。

 「黒田節ロボット」(現在のところ、ロボスクエアではこのように呼称している)は、身長57cmほどの(高さは頭部のパーツによって前後する)二足歩行ロボットだ。

 基本となるロボット部分は、ロボスクエアの依頼を受けて、福岡市天神にあるクラフトハウスが製作したもので、舞踊のモーションもクラフトハウスが栗元一久氏が担当した。

 博多人形師の臼杵康弘氏が頭部を製作し、博多織のデザイナー天本誠司氏が衣装を担当した。

取材当日のロボスクエア クリスマスイメージでディスプレイされていた

博多製のロボットを目指して製作された黒田節ロボット

 製作関係者を見れば理解できるように、黒田節ロボットは「博多」をコンセプトとして作られたものである。

 福岡市経済振興局産業拠点推進課の土居裕幹課長によれば、日本の文化技術を紹介するために海外の福岡市の姉妹都市にロボスクエアのロボットを持参してデモをすることも多いという。しかし、どのロボットも福岡市以外の地域で製作されたものであり、福岡市のものだとアピールできないことで歯がゆい思いをしていたそうだ。

 そこで福岡市発のデモ用ロボットを作れないかということになり、福岡らしいものとして「黒田節を踊るロボット」が構想されるようになった。

 そのロボットを製作する会社として、ロボットパーツの販売をしていた福岡市天神のクラフトハウスに白羽の矢が立ち、黒田節ロボットの製作が始まった。

 なお、頭部の製作はロボスクエアが臼杵氏に直接交渉して話がまとまり、博多織の衣装に関しては福岡市の伝統産業課に相談して、新進の若手デザイナーを推薦してもらったとのことである。

黒田節ロボットの本体 腰にピッチ軸があり、お辞儀をすることができる リンク脚のアップ
衣装をつけない状態で槍と杯を持たせてみたところ 槍を握るメリッサハンド。ナイロンバンドによる遊びの部分があるため、槍をうまく握れるようになっている 衣装はいくつかのパーツに分割されている
槍と杯セット。槍もクラフトハウス製。透明アクリル板は位置あわせをするためのもの 初めて舞台に立つ黒田節ロボット 顔のアップ。樹脂製の頭部も製作し、普段はそれを使っていく予定
小道具の移動はさすがに人力が必要だ 槍と杯を持つ、黒田節おなじみのポーズ 角度を変えて
槍の構え。当然ながら槍を持ち替えている 途中には酔っ払って足がよろめくモーションも 遠見のポーズ
最後は正座をして終わる

九州ロボット練習会の成果が生かされたロボット

黒田節ロボットの関係者。左からロボスクエアの辻係長、クラフトハウスの栗元社長、産業拠点推進課の土井課長

 黒田節ロボットは、近藤科学のサーボモーターKRS4014を24個とKRS2552を1個(首に使用)使用し、RCB-3を制御ボードに使った構成の二足歩行ロボットとなっている。

 ただ、脚部には九州ロボット練習会で設計開発された平行リンク脚(「メリッサ・マーキュリー」の名称でクラフトハウスにて販売)を使用し、両腕にはクラフトハウスで開発販売されているロボットハンド「メリッサハンド」が装着されているなど、随所に九州で開発された成果が盛り込まれている。

 クラフトハウスや近藤科学、それにイトーレイネツの製品を使って製作しているため、製作自体にはそれほど苦労することはなかったようである(余談だが、黒田節ロボットは、第16回ROBO-ONEにガンダムの外装を付けて参戦したautomo-06に構成が極めて近い)。

 なお、栗元氏は黒田節ロボットのフレームキットを「メリッサ・エクシード」の名称でクラフトハウスから販売することも考えており、もし要望があれば完成品を納入することもありえるという。

最大の問題は踊りのモーション

【動画】黒田節ロボットの踊りの最初の部分。続きは2009国際ロボット展で

 黒田節ロボットの開発で一番苦労したのは、黒田節の舞踊モーションだったそうだ。モーションもクラフトハウスの栗元一久氏が担当したが、黒田節に合わせてどういう踊りをさせるかということからの検討が必要だったという。

 結局、栗元氏自らが日舞の先生の元に出向き、「ロボットにできる動き」(可動軸がないと、ロボットは手首を捻ったりすることができない)を組み合わせて、踊りを構成してもらったとのこと。

 モーション製作に入ったが、曲の歌詞に相応しいモーションを歌詞が流れている秒数のうちに再現しなくてはならないため、本当に苦労したという。結局、モーションを完成させるまで数カ月かかったそうである。

 その苦労の末に完成した黒田節の踊りは、杯を持ったり、槍を握って踊るなど、かなり難易度の高いものとなっている。

 栗元氏は、第14回ROBO-ONE予選のダンスで軽量級予選1位を獲得したことがあり、今回の黒田節ロボットの舞踊モーションは栗元氏ならではのことかもしれない。

国際ロボット展で黒田節ロボットを披露予定

 今回製作された黒田節ロボットは、11月25日〜28日まで東京ビッグサイト開催される2009国際ロボット展(iREX)で展示されることになっており、黒田節ロボットはこの時が一般への初披露となる。しかも静態展示ではなく、黒田節ロボットは実際に黒田節に合わせて舞踊を行なうことになっている。

 11月25日〜28日の毎日、福岡県の「ロボット産業振興会議」のブースで1時間おきぐらいにデモ(長さにして3分少々)をする予定であり、国際ロボット展に来られる方は、ぜひとも黒田節ロボットの踊りを見てほしい。

 国際ロボット展が終了した後、黒田節ロボットはロボスクエアでデモを行なっていくとのことである。

最後に衣装ありと衣装なしの比較写真を 衣装なしのポーズ

(大林憲司)

2009/11/18 20:46

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