TGS2009で見てきたロボット系新作ゲーム

~「フロントミッション」シリーズ最新作やオンライン対戦アクションなども


 9月24日から27日までの4日間に渡り、幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2009」(主催:社団法人コンピュータエンターテイメント協会)。ここではロボット系ゲームの新作を紹介していく。

四脚型ロボット兵器の2分の1モックを展示していたPC用オンラインアクション「鉄鬼」

エントランス手前の階段で出迎えてくれた、オンラインアクション「鉄鬼」のロボット

 幕張メッセの中央エントランス手前の階段とエスカレーターの登り口のところに、大型の四脚型のロボット兵器のモックを展示していたのが、PC用オンラインメカニックアクションの「鉄鬼」だ。ゲームヤロウが2009年中にサービス開始を予定している新作で、プレイヤーは8タイプが用意されているロボット兵器に乗り込み、最大16人対16人のチーム対戦を楽しめる内容となっている。視点は3人称を採用。用意されているモードは、制限時間内に敵陣営撃破数を競う「デスマッチモード」、攻撃と防御に分かれてマップ上の拠点を巡って戦う「占領モード」、ストーリーに沿ってミッションクリアを目ざす「キャンペーンモード」、アンテナの爆破を巡って攻撃と防御に分かれて戦う「爆破ミッション」の4種類。ストーリーは、21世紀の3陣営に分かれて争われている地球での話となっている。

 展示されていたモックは、8タイプ中で唯一の四脚を採用した狙撃型の「BLITZ」と呼ばれる機体。設定上の全長は6.8m、全高は3.8mということなので、モックはおよそ2分の1サイズと思われる。

BLITZのモックを正面から。インパクトがあるので、結構人だかりができていた人と比較するとBLITZのサイズがわかる。設定の2分の1サイズらしい後方やや上から
NTTブースでゲームの試遊台が設置され、ブース内にはスケールモデルも。戦力の中心となる「VINCERE」こちらは2分の1モックと同じBLITZのスケールモデルゲーム画面。3人称視点となっている
武器などを購入することでカスタマイズを行える。BLITZをカスタマイズした重武装型といえる機体スケールモデルが展示されていたVINCEREのイメージイラスト

(C) 2009 GAMEHI Inc. All Rights Reserved
(C) 2009 GAMEYAROU Inc. All Rights Reserved.

「フロントミッション」シリーズの最新作と超懐かしの「テグザー」を出展したスクウェア・エニックス

 スクウェア・エニックスはブースで、Robot Watch的に注目といえば、無骨なロボット型の機動兵器「ヴァンツァー」が活躍する人気シリーズ「フロントミッション」の最新作「エボルブ」だろう。同作は2010年発売予定で開発が進められており、PLAYSTATION 3、Xbox 360、そしてWindows(PC)の3機種で発売される。価格は未定だ。

 従来は、シミュレーションRPGという、プレイヤーキャラクターはヴァンツァーのパイロットでありながら、部隊の指揮官的な直接の操縦はしない視点のゲームが多かったが、今回はアクション性の高いサードパーソンシューター(3人称視点の3Dシューティング)である点が特徴。つまり、ヴァンツァーパイロットとしなって苛酷な戦場を渡り歩くことになる。雰囲気としては、かつて同社で運営されていたオンラインアクションの「フロントミッション オンライン」の雰囲気に近いものになるようだ。

 今回の舞台となるのは、2171年。しかも、シリーズで初めて大きく扱われる宇宙も戦場となるようだ。この時代、列強諸国が軌道エレベーターを築いており、宇宙もまた国家によって分割され、各陣営はそこでの軍備拡張も進めていた。そんな状況にあるため、大国同士の直接の衝突こそギリギリ起きていないものの、その代理ともいえる地域紛争が多発していた。ヴァンツァーが激突する最前線が、世界中至る所に出現していたのである。

 主人公は、ヴァンツァーメーカーのディアブル・アビオニクス社に入社したばかりの新人エンジニアのディラン・ラムゼイ。U.S.N.(アメリカを母体として南北アメリカがほぼ統一された超巨大国家)軍国家戦略研究所に所属する父が何者かに襲撃を受けたという知らせを聞き、その救出のために完成間近の試作ヴァンツァーを持ち出して救出に向かうところから物語は動き始める。父の研究や試作ヴァンツァーに、自分が深く関わっていることを知らないディランに、どんな試練が待ち受けるのか?

スクウェア・エニックスブースの試遊コーナー。今度はヴァンツァーパイロットになれるというわけだスクウェア・エニックス物販ブースで参考出展されていたヴァンツァーのスケールモデル操縦画面。所似武器およびその残弾カウンター、レーダー、ダメージなどのステータスなどがある
ボトムズの機甲猟兵的に、ヴァンツァーなしの生身でも戦える模様。ただし、かなり厳しそうだ対応人数は未定だが、オンライン対戦にも対応する模様宇宙戦ステージもある? ヴァンツァーでの宇宙戦闘はどんな感じに?

(C) SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

 そしてもうひとつのロボットゲームが、PlayStation Portable用ダウンロードコンテンツの「テグザーネオ」。30代後半から上の、かつてパソコンがコンシューマーゲーム機の役割を担っていた時代にゲームを楽しんだ世代にとっては、とても懐かしいのではないだろうか(記者も自称「テンキーの魔術師」だった)。1985年にパソコンやファミコン(ファミコン版はスクウェア初の家庭用ゲーム機ソフトだった)で発売された時は「テグザー」というタイトルだったのだが、グラフィックを刷新し、イージーモード、6人までのオンライン対戦機能などを搭載し、「ネオ」とつけたのが本作というわけだ。ちなみに、自動照準の美しいレーザーはもちろん健在。今月1日からダウンロードが開始されており、価格は1,000円となっている。

 物語の舞台は、宇宙歴089年の宇宙。宇宙兵器開発船レイピナが、航路上に正体不明のアステロイド「ネディアム」を発見したところから始まる。しかし、その強力な磁場に捕まり、レイピナは脱出不能となってしまう。外部からの攻撃が効かないネディアムに対し、レイピナは開発中だったハイパーデュアルアーマー「テグザー」で磁場発生装置を破壊する賭に出る。プレイヤーはそのテグザーを操って、ネディアム内で待ち受ける敵を突破し、磁場発生装置を破壊するのが目的だ。記者のように当時持っているパソコンで遊べなくて涙をのんだかつての少年(わずかだがかつての(笑)少女もいる?)は、ぜひともチェックの1本である。

テクザーはPSP用(写真は新型)のダウンロードタイトルなので、店頭販売はしていない自動照準のレーザーを発射するテグザーのロボット形態
レーザーはす速く発射されるので、同時に数発出ているように見える戦闘機形態。場所によっては戦闘機にならないと突破できないシチュエーションも

(C) 2009 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
Original THEXDER (C) 1985 GAME ARTS/h.godai/s.uesaka

お台場ガンダムの顔も展示されたバンダイナムコナムコゲームスブース

 ロボットアニメを題材にしたゲームを数多くリリースしているバンダイナムコゲームスの最新作のひとつは、アーケードで稼働中の「機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダムNEXT PLUS」のPSP版(6,279円)だ。12月3日の発売を予定。PSPのアドホック通信機能を利用して、最大2対2でチーム対戦できるチームバトルアクションとなっている。

 テレビアニメ、OVA、劇場作品、小説など、ガンダムシリーズ18作品の主人公ガンダムと、ライバル機、そのほかアッガイのような特徴のある機体など、60機以上が登場。PSP版はアーケード版にない4機体をプラス。1機は、来春アニメ化が決定している福井晴敏原作の小説「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」の主人公機ユニコーンガンダム。もう1機は、「機動戦士ガンダム00」の2ndシーズンのラストで、敵役の不老長寿の人造人間イノベイド(劇中で自らはイノベイターと名乗っていた)のリーダーであるリボンズ・アルマークが搭乗したリボーンズガンダム/リボーンズキャノン。前はガンダム、後ろはキャノンタイプ(00版ガンキャノンという感じか)という、表裏一体の特徴的な機体である。残りの2機は、1990年代の非宇宙世紀系ガンダムで大ヒットした作品の映画「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz」に登場した、主人公ヒイロ・ユイのウイングガンダムゼロカスタムと、ヒイロの仲間のひとりである張五飛(チャン・ウーフェイ)のガンダムナタクとなっている。

ブースの試遊台。何十分待ちの状態ユニコーンガンダムと、OVA「0083 STARDUST MEMORY」のGP03Sステイメン(ガンダム試作3号機)の激突
「機動戦士ガンダム00」の2ndシーズンに登場したパワーアップした主人公機ダブルオーライザー手前は「Z」の百式。奥の機体は「ゼクス」とパイロット名があるので、「W」のトールギス?

(C) 創通・サンライズ (C) 創通・サンライズ・毎日放送

 また面白いところでは、題材そのものはロボットではないのだが、iPhone/iPod touch用のゲームとして、シューティング要素の強いフライトシム「エースコンバット」の最新作「Xi」(仮)が今冬配信予定。iPhoneやiPod touch自体を傾けることで機体を操作するという仕組みが特徴だ。これまでは、実在機が中心だったが、今回はオリジナル機体が中心に据えられている模様。すでに米空軍などに配備されていそうなリアリティのある機体から、SF度の高い機体まで複数の機体で空戦を堪能できるようだ。

実機での画面はこんな感じ今回登場するオリジナルの機体。この6機以外にもオリジナル機が出てくるのかどうかは不明
スクリーンショット。ただし、画面デザインは最終的なものではないとのこと【動画】実際に操作しているところ

【コピーライト】
ACE COMBAT (TM) Xi (C) 2009 NBGI (C) GeoEye (C) JAPAN SPACE IMAGING CORPORATION. All trademarks and copyrights associated with the manufacturers, aircraft, models, trade names, brands and visual images depicted in this game are the property of their respective owners, and used with such permissions. Powered by "CRIWARE mobile". CRIWARE is a trademark of CRI Middleware Co., Ltd.

カプコンからはバイタルスーツの活躍するシリーズ第2弾「ロストプラネット2」が登場

 カプコンの注目作は、SF系の3人称視点アクションシューティング「ロストプラネット2」だ。PS3とXbox 360で発売され、今冬発売予定(価格は未定)。ほかの恒星系の惑星に移住できるほどの技術を人類が手にしている遠い未来、今回も第1作と同じ「EDN-3Rd」と呼ばれる極寒の惑星を舞台として物語は展開していく。ただし、第1作からは数十年の時間が経っており、韓流スターのイ・ビョンホンがモデルを務めた主人公のウェインらが登場するのかどうかは不明だ。現在のところは、前作でも登場した雪賊(スノウ・パイレーツ)と呼ばれる、弱肉強食の世界でたくましく生きている人々(というか、この世界は雪賊しかいないに等しい)にフォーカスを当てた形となるようだ。

 同シリーズのロボットといえば、エイクリッドと呼ばれる人類に敵対的で凶暴な巨大原住生物に対抗すべく人類が開発した「バイタルスーツ」。パワードスーツ系、もしくはコックピット剥き出しの作業機械的なスタイルの兵器(力仕事などにも使っているが)で、今回ももちろん多数のそれらが登場する。また、ゲームとしてのポイントは、キャンペーン(ストーリー)モードを、最大4人のチームで攻略できること。デスマッチやチームバトルといった対戦プレイではなく、同じストーリーを協力プレイでクリアしていけるというわけだ。もちろん対戦モードもある。

カプコンブースの「ロストプラネット2」コーナー。さすがに注目度が高かったキービジュアル。前にいるのが雪賊たちで、後ろに並んでいるのがバイタルスーツ
スクリーンショット。仲間をバイタルスーツに担いで戦うといった戦法も今回は取れるようだエイクリッドと呼ばれる惑星EDN-3rdの原住生物の1匹。凶暴で巨大なものも多く、人を食べるようなやつも

(C) CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

レベルファイブが10周年記念作品として数年かけて開発中の「ダンボール戦機」

 昨年も少しだけ紹介したが、レベルファイブが10周年を記念して数年がかりで開発しているのが、プラモクラフトRPG「ダンボール戦機」だ。PSP版の発売が2010年、モバイル版の配信が2009年冬を予定している(価格、利用料金は未定)。西暦2050年という、ちょっと先の時代を舞台にしており、この時代の子どもたちの間ではやっているのが、LBXという小型のロボットによるバトルという設定だ。LBXはカスタマイズも簡単に行なえる仕組みで、プレイヤーも自分なりの機体を作れるというわけだ。

 ストーリーは、主人公の13歳の少年山野バンが、謎の女性から「AX-00」という型番のLBXを「このケースには私たち人類の絶望と希望が一緒に詰まっている。これは、決して使い道を誤ってはならないものなの」という言葉と共に託されたところから始まる。行きつけのプラモデルショップに足を運んでAX-00をカスタマイズし、「アキレス/V」と名付ける。しかし、それが大きな事件の始まりだった……という展開。この作品は、レベルファイブが非常に力を入れており、2010年にはテレビアニメが放映予定で、月刊コロコロコミックでもマンガを連載するほか、バンダイからLBXをプラモデルシリーズとして発売するという。なお、展示そのものはなく、資料での配付のみだったので、特に会場で撮影したものはないのでご了承を。

イメージイラスト。右がアキレス/Vで、左がライバルの少年・海道ジンのエンペラー主人公の山野バン。根の明るい元気者。毎日プラモショップに入り浸っている
バトルはコマンドを選択するスタイルで、直接操作するわけではない模様戦闘シーン。アキレス/Vのように刀剣類が武器の接近戦型もいれば、対戦相手の

(C)LEVEL-5 Inc.

マイクロソフト「Halo 3:ODST」

 続いては、兵士のつけているパワードスーツに近いボディアーマーがすばらしくカッコよいマイクロソフトの「Halo 3:ODST」を個人的に紹介。Xbox 360用で、発売中(通常版7,140円、コレクターズパックはオープン価格)。1人称視点(武器によっては3人称になるが)のアクションシューティングで、Xbox 360で世界的な人気を誇る「Halo」シリーズ3部作の外伝だ。同時間帯的には第3作の前半に辺り、本編の主人公のマスターチーフが戦ったアフリカの都市ニューモンバサのみを舞台としている。

 マスターチーフは、遺伝子改造やサイボーグ手術などを施された人類最強の兵士のひとりであるスパルタンIIの最後の生き残りという設定だったが、今回は軌道降下特殊部隊 ODST(Orbital Drop Shock Trooper)の生身の兵士たちが主人公となる。ひとりの主人公をプレイし続けるのではなく、複数の兵士の立場を切り替えて体験していく形だ。記者的に何がかっこいいかというと、マスターチーフが装着しているアサルトアーマーもコスプレしたいぐらいだが(笑)、ODSTのボディアーマーもそれと同じぐらいカッコいいというところ。パワードスーツ大好き系の人には、間違いなく感じるものがあるはずだ。

マイクロソフトブースの「Halo 3:ODST」コーナーの模様左側がODSTの兵士。パワードスーツというわけではないが、ほれぼれするデザイン
ゲーム画面。通常は1人称視点で、大型武器を持ったりすると、3人称視点になる隊員はそれぞれ主装備が異なり、ストーリーが切り替わると、また違ったシチュエーションを楽しめる趣向

 以上が、今年の東京ゲームショウで見たロボット系ゲームだ。ほかにも、ロボットが登場する作品というのもあるが、あくまでもロボットというキャラクターとして描かれていたりするだけだったりするので、そこら辺の作品は割愛させてもらった。個人的には、四半世紀前に泣く泣くプレイを断念せざるを得なかった「テグザー」をやってみたく思っている。「鉄鬼」は愛用のPCのスペックがもうだいぶ低くなってきているので、動作が厳しそうなのが残念。あとの期待は、「フロントミッションエボルブ」と「ロストプラネット2」といったところか。


(デイビー日高)

2009/10/26 21:51