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「Blaser Battle『AKIBA ROBOSPOT The Second Stage』」レポート

〜アキバROBOSPOTがレーザーの激しく飛び交う戦場に!


ブレーザーを装備したロボットたちがレーザーを一斉射撃。気分は戦場カメラマン?

 秋葉原の近藤科学直営店「ROBOSPOT」で13日、昨年に引き続きレーザービームバトルシステム「Blaser System」を用いた競技会「Blaser Battle『AKIBA ROBOSPOT The Second Stage』」が開催された。その模様をお届けする。

小型ロボットでも体格差のハンデを気にせず戦える「Blaser System」

 Blaser Systemは、企画・製作をHotproceed、発売をクラフトハウスという九州のロボットベンチャーがコンビを組んで手がける、ロボット用レーザービームバトルシステムだ。開発には、九州共立大学工学部メカエレクトロニクス学科助教の水井雅彦氏も関わっており、九州発信のロボット用新システムというわけだ。

 これまでも幾度か各所での大会の様子などをお伝えしてきているので、ご存じの方も多いかと思う。要は、ロボット同士で射撃戦を楽しめるシステムだ。二足歩行ロボットの場合は、腕にレーザーを発射するガン型モジュールを持たせ(レーザー発信モジュールは必ずしもガン型である必要はない)、受光部を胸に備え、それをコントロール用の専用マイコンが管理する。マイコンは、ライフポイント、レーザー発射タイミング、発射時間、そのほかルールなどの管理を行なう。ロボットのコントローラには「TEC-3」コントロールボードを追加して使用し、被弾時にバイブレーションをオペレータに伝えるようになっている。そのほか、被弾時にはロボットが倒れて一定時間動けなくなるなど、ヒットモーションが発動する仕組みだ。

手前のKHR-3HVが右手に備えている白いパーツ、奥のメリッサが右手で構えている銃がレーザーモジュール 射撃の様子。胸の受光部を撃たれたロボットは被弾で倒れるが、それ以外は大丈夫 背中にボードが搭載されている。ロボット自体のライフポイントのカウンターもそのボード上にある

 最大の特徴は、パンチなどの格闘(接触)攻撃がルール上禁止されているため、体格差があまり影響しないということ。小型の機体、パワーのない機体でも、安定して移動すること、正確に照準を定めることさえできれば、勝つことも可能なのである。逆に大きな機体は、障害物・遮蔽物の関係で移動しづらかったりする可能性がある。若干ながら有利なのは移動速度の速い機体。ただし、アスリート競技ではないので、決定的なほどの影響力はないようになっている。今回の試合時間は、1分ハーフの前後半4分ずつという、ロボット系競技の中では比較的長めとなっている。このぐらいないと、お互いに射撃がほとんど当たらないまま終わってしまったりするためで、大会によって長さは調節される模様だ。

 今回用意されたフィールドは、会議室などにある長テーブルを2×2で並べ、その上に道路などが描かれたマットを敷いてあるという状態。面積的には、卓球台の1.5倍ぐらいだろうか。フィールド上には、各所にビルを模した障害物・遮蔽物が建つ。ビルは10階から17階建てぐらいのイメージで作られており、1フロアが3m換算とすると、高いビルだとおよそ50mぐらいのイメージだろうか。ロボットの大きさはそれより少し小さいくらいなので、そう考えるとサイズのイメージはスーパーロボット系かもしれない。

フィールド全景。青陣地側から 途中には障害物でもあり遮蔽物でもあるビルの模型が複数建つ。高い方の17階建てビルは実寸なら50mぐらいか ロボットが置かれたところ。ロボットたちは17階建てよりは若干低いぐらいなので、40mオーバーの設定?

 そして、フィールドの左右の端、両チームの陣地最奥にはベースがある。ベースにはライフポイントとして90点が与えられており、直接攻撃されると(左右の側面それぞれに受光部がある)1回に付き10点削られていく。0点になった方が負けというわけだ。ベースは一度撃たれると、しばらくは撃たれても影響を受けない仕組みで、攻撃側は同じ場所で同じ角度にガンを向けていればいい、というわけにはいかない仕組みになっている(その間に自分が撃たれてしまう可能性が高いので)。ロボット自体にも9点のライフポイントが与えられており、9回被弾すると完全停止となる。要は、相手のベースもしくは全ロボットのライフを0にした方が勝ちというわけだ。ただし、Blaserは最低でも2on2から行なわれるので、相手のロボット2機に合計18回ヒットさせるよりも、9回で済むベースを狙う方が一般的である。

ベース。フィールドの両端にある。ライフポイントは90点あり、両脇の受光部を撃たれると1回10点ずつ減点 まだ一発も被弾していないので、ライフポイントは9のまま

 また、オペレータがフィールド周囲を移動できることもロボット競技としては珍しい部類。Blaser大会では、相手ベースを狙う場合など、遠くからでは照準がつけにくい場合が多いため、フィールド周辺を移動して、ロボットの背中側から操縦してもいいようになっているのだ。そのため、フィールド周囲は選手が動き回れるスペースが必要となる。

 それから、レーザーは通常、目を直接ポイントされるか、よほどホコリっぽい場所でもない限りはその軌跡を見ることはできない。そこで、スモーク(水蒸気)を炊き、大会ではレーザーの行き交う様子を見やすくしている。どちらかというと、撃たれる側から見るとレーザーの光線が見やすく、冒頭で掲載した大会催後に行った一斉射撃の写真のように迫力あるシーンも見ることが可能だ。

射撃は精密な操作が必要なため、選手は自機の近くに移動してもよい。敵陣をくぱぱさん(右から2人目)が攻める 試合開始前にスモークをたくが、試合時間が長く途中で薄くなるので、このように継ぎ足していく

 戦いの流れとしては、参加機数に関係なく、攻撃担当と防御担当にわかれ、敵陣を攻める者と、自陣を守る者とに分かれて双方のベース近辺の2カ所での戦闘となるのが一般的なようだ。中には自陣ベースの守りを捨て、全機で相手ベースに仕掛ける奇襲戦法も取るチームもあるし、全体をよく見ている慣れた選手になると、反対側の陣地にいる相手機を遠距離射撃し、味方の援護を行なうチームプレーも見せてくれる。

 なお、レーザーの照準(銃を持った腕など)はアナログスティックで行なうため、微調整には少しコツがいる。また、スモークが少なくなってレーザーの軌跡が見えなくなっても、相手ロボットのボディに当たれば、そこが赤く光って見えるので、それを頼りに胸の受光部を狙うよう微調整するというわけだ。

 また、レーザーは一瞬で消えるわけではなく、感覚として1秒ぐらいは出ているようなので、少し横になぐよう(イメージ的には火炎放射器)にすると、当てやすいようだ。ただし、フレンドリファイアもあるので、あまり幅広い範囲をなぎ払ってしまうと、味方に当たる可能性も出てくるので、あまり大ざっぱな射撃は逆に足を引っ張ってしまうことになりかねない。正確な射撃がやはり一番というわけだ。

青エリアのベースを目ざすメリッサ。それを四足歩行ロボが狙い撃つ 青エリアのベースを狙い撃つKHR-1HV。旧式の機体でも十分活躍できるのがBlaserのいいところ 対角線上の遠距離射撃。レーザーの軌跡は見えないが、奥の機体の胸にレーザーが当たっているのがわかる

今回はデモンストレーション的にBlaser大会を披露した形に

 今回はBlaser装備を施した自機で一般参加した選手はほとんどいなかったようで、デモンストレーション的な大会となった。ROBOSPOTなど主催サイドで用意した4チームによる総当たりリーグ戦を実施した。チームは全4チーム。ROBOSPOTのスタッフによる「チームロボスポA」、観戦者がゲスト参加するための「チームロボスポB」、Blaserを開発したHotproceed代表の湯前裕介氏と販売を手がけるクラフトハウスの代表取締役社長栗元一久氏の「ジョーカー」、Blaserの開発に協力している九州共立大学工学部メカエレクトロニクス学科助教の水井雅彦氏と九州出身で現在は東京在住のロボットオペレータのクボさんによる「九州A」という4チームだ。チームロボスポBには、クロムキッドとガルーのくぱぱ&くままさんご夫妻や、ロボコンマガジン竹西編集長ほか、観戦されていた方たちが交代で参加した。

 なお、この日はスペシャルゲストとして、秋葉原案内所の超人気ガイドの増田しおりさんも参加。二足歩行ロボット格闘技では全国区の強者であるくままさんと女性コンビを結成し、チームロボスポBとして1試合目の対チームロボスポA戦に出場した。メイド服がこれまたとてつもなく似合っていた増田さん。その立ち居振る舞い(人によってはオーラともいう)と、インテリジェントな雰囲気(でも冷たい感じはしない)のバランスが記者的には非常にいい感じである。とにかく目の保養になったことは嘘偽りなしと申しておく。アキバに出かけた際は、ぜひ秋葉原案内所に彼女を訪ねてみよう。

 余談はさておき、増田さんの戦いぶりも紹介する。アキバのことで知らないことは何1つないといわれる増田さんではあるが、さすがにロボットの操作までは頭に入っておらず(そりゃそうだ)、最初は苦戦していた。しかし、後半戦ではビルを遮蔽物にして攻撃をするなど、早くも周囲をうならせる戦いぶりを披露。とはいえ、チームロボスポAの空気を読まない(笑)容赦のない攻撃の前に、敗北を喫していた。

増田さん(写真左)とくままさんで女性チームを結成。増田さんはKHR-3HVで戦った メイド服姿がとても似合っている増田さん 増田さんは目が悪いそうで、Blaserは暗い中で対戦するため、メガネを使用
操作を教わる増田さん。ロボット操縦初体験? 試合開始前にスモークがたかれ、とても嬉しそうな増田さん 【動画】増田さんとくままさんのチームロボスポBがチームロボスポAと対戦した第1試合前半
【動画】チームロボスポB対チームロボスポAの第1試合後半

 そんなわけで大会は、九州Aのクボさんの四足歩行ロボットや、ROBOSPOT女性店長の引間奈緒子氏のラジコン戦車を改造したタンクロボ(チームロボスポAの第3メンバーとして交代で登場)など、面白い機体も登場しつつ、試合は進んでいった。ちなみに、クボさんの四足歩行ロボは、暗くスモークがたかれた中で見ると、ベテランのSF系イラストレーターの横山宏さんの描くロボットのような雰囲気があり、なかなかいい感じだった。また、タンクロボは操縦者としてクマの小さなヌイグルミが乗っかっており、女性の感性ならではの癒し系ムードだったりするのだが、砲身を水平に旋回させるのが楽なため横なぎ攻撃のヒット率が高く、予想外に強力だった。被弾すると、その場でクルクル回るのは笑えるポイントだ。

九州Aのクボさんの四足歩行ロボット。実はボディは金属なのでレーザーを反射(跳弾)する 見た目のかわいさと異なり、かなりの戦力を有するタンクロボ。ラジコンを改良し、受光部はクマの少し下

 最も白熱した1戦は、ジョーカー対チームロボスポAの1戦。チームロボスポAのメンバーの柴田さんは、試合開始前にここで勝てば全勝で1位確定となるため、「勝ったらサーボをいただけますか」と、観戦していた近藤科学営業部長の近藤博信氏におねだり。ROBOSPOTとしては全勝するか、2勝1敗で九州Aとジョーカーとの3つ巴のプレーオフになるかは大きな違いだ。近藤部長、イベントを主催するROBOSPOTの責任者のひとりとして、ここは勝つためにモチベーションを高める必要がある。両手を頭の上に上げて、丸を描くかと思われた。が、提示されたのは無情のバツ(笑)。もっと安価なものをおねだりすればよかったのかもしれない。

 はたして、チームロボスポAのモチベーション低下は大丈夫なのか? しかし、それは杞憂だったようで、バトルが始まってみると影響はない模様。主催者チームとしてのプライドがあったのだろう。生みの親チームといえるジョーカーとの、死力を尽くしたベースのライフポイントの削り合いを展開していく。ジョーカーも生みの親のプライドとして、また2勝1敗のプレーオフに持ち込むべく、出し惜しみのないファイトぶりを展開。前半戦が終了した時点で、両チームともに損耗が激しく、ベースのポイントは50対50。このままだと、後半が終了する時にはどちらかがゼロになりそうである。そして後半もほぼイーブンなペースで試合が進んでいく。両チームともに相手ベースに攻撃担当を1機送り込み、両ベース近辺で攻める者と守る者の死闘が繰り広げられ、ベースのライフポイント、ロボットたちのライフポイントがどんどん減っていく。ペース的には、若干ジョーカーの方がリードしており、ジョーカーが先にチームロボスポAのベースのライフポイントを減らすことに成功すると、それをチームロボスポAが追いかけるという展開だ。しかし、終盤に入ってその点取りペースが逆転し、残りわずか15秒ほどになったところで、チームロボスポAがラストシューティング! ジョーカーのベースのポイントをゼロとし、完全勝利を達成した。

【動画】チームロボスポA対ジョーカーの実力者チーム同士の対決の前半 【動画】チームロボスポA対ジョーカーの後半戦

 リーグ戦は、最終的にチームロボスポAが3勝0敗で1位、九州Aが2勝1敗で2位、ジョーカーが1勝2敗で3位、チームロボスポBが0勝3敗で4位となった。また、最後には、4on4という、集団戦も披露。近藤部長と引間店長も加わったチームロボスポと、ジョーカーと九州Aが合体した九州連合だ。4on4になると、攻撃も防御も2機ずつで行なえるし、場合によっては3機で攻撃(4機で攻撃だと逆に動きづらい感じ)などもでき、攻撃・防御のバリエーションが当たり前だが広がるので、さらに面白くなる。この勝負は九州連合の勝ちとなり、敗因について近藤部長にマイクが向けられると、「私の練習不足のせいです」と男らしく責任を取った。近藤科学の営業部長職は、ロボットの操縦にも熟達していないとならないという、なかなかに大変な役職である。あとは、ここはやはり味方を鼓舞するためにも、「勝ったら、サーボ大盤振る舞いだ!」とか「焼き肉行くぞー!」など、モチベーションを上げて臨めばよかったのかもしれない。

2on2に比べると、連係プレーがより重要になる感じだ 時には、10秒足らずで2機を連続撃破してみせるなど、横なぎ攻撃が強力だった引間店長のタンクロボ 【動画】4on4の前半戦
【動画】4on4の後半戦 【動画】最後は、冒頭のレーザー一斉発射画像の動画版。撃たれまくってみた 最後は、本日がんばったロボットたちが集合して明るい中での記念撮影

 以上、「Blaser Battle『AKIBA ROBOSPOT The Second Stage』」、いかがだっただろうか。記者的には、Blaserの生観戦は初めてだったので、結構楽しめた。これでロボットたちにローラーダッシュ機構を持たせられれば、「装甲騎兵ボトムズ」のリアルバトルも再現できそうなので、妄想がふくらむ(笑)。後は、慣れないと照準が難しいようなので、初心者は広角レーザーが使えるとか、当てやすい仕組みがあるといいかもしれないとは感じた。体格(重量)とパワーが絶対視される格闘技とは異なり、精密な射撃などの操縦テクニックがポイントとなるのがBlaser。ひと味違ったバトルを楽しめるので、次の機会には、ぜひ大勢の方に遊んでいただきたい。



(デイビー日高)

2009/10/1 20:50

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