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慶応・安村研究室、「ワークプレイス展」を開催

〜働く場所を少しだけ楽しくする試み


 慶応義塾大学 環境情報学部 安村通晃研究室は9月17日(木)〜19日(土)、住友不動産日本橋ビル1階 コニカミノルタビジネスソリューションズ株式会社ショールームにて「ワークプレイス展 - うごくを支える、静かなアプリケーションの提案」を開催した。学生によるアプリケーション作品を出展する展示会で、毎年コンセプトを立てて実施されている。今回のコンセプトはワークプレイス、すなわち働く場所。「何かを生み出すために働く場所(つまり人がうごく場所)」とし、働く人の立場に立って、さりげなく支えるアプリケーションを考えた、と慶応義塾大学 環境情報学部 教授 安村通晃氏は語る。実際の作品はリラックス系あり、ちょっとした自己啓発ツールありといった感じだった。学生たちの考えたアプリケーション作品をレポートする。

慶応義塾大学 環境情報学部 教授 安村通晃氏 会場となった住友不動産日本橋ビル1階ショールーム 会場の様子。オフィス街の真ん中なので本当にふらっと入って来た人も少なくなかった

 まず入り口を入って最初に迎えてくれたのはコピー機。これは学生の作品ではなく、今回、共同研究を行なったコニカミノルタテクノロジーセンター株式会社デザインセンターが2005年に発表した次世代オフィス用複合機「INFO-Line」だ。クロを基調としたボディに白いラインがはいったデザインで、白い部分に操作パネルと連携した情報が提示される。オフィスの端に置かれていることが多いコピー機だが、多様なオフィスの中心的存在になることを目指したという。

 「次世代」というなら、ロボット専門媒体たる本誌としては例えば自動給紙してくれる移動ロボットや、あるいは床下のインフラからアクセスするシステムなどが欲しいところだが、残念ながら現状ではそういう予定はまったくないという。それよりも「大き過ぎる」と言われることのほうが多く、それに対応するほうが先だそうだ。

次世代オフィス用複合機「INFO-Line」 【動画】白い部分に情報が流れる

 「リレキューブ」はSuicaやPASMOのような非接触ICカードを使って、乗降データを読み込んで表示するシステム。カードをかざすと、キューブ状のアイコンで描かれた電車が動き出す。新幹線やバスに乗った履歴も同じように表示される。履歴からオススメの場所もリコメンドしてくれる。社内の会話の種や、同僚に出張自慢するときに使えるという。できれば、交通費精算システムと連動してくれると有り難いところだ。もっとも、会社が社用カードを用意してくれたらそれで済むような気もするが。

 「エクフェス」は、仕事の合間にエクササイズで気分をリフレッシュさせるアプリケーション。簡単な人形が画面に提示されるのでその形を真似て体操する。システムはカメラでユーザーの動きを認識して、合っていればOKを出してくれる。体操した人の画像を保存して表示することもできるので、あ、この人体操したんだな、ということも分かる。タバコを吸う人たちが喫煙ルームで集まるようなノリで、リフレッシュ体操仲間を作ろうというコンセプトだという。

 「オフィスウォーズ」は、ネットゲームにヒントを得たという戦略ゲーム。部署ごとにそれぞれ一つずつ「島」を持ち、それを発展させていって競うことで、部署間コミュニケーションを取ろう、というもの。たとえば人が出勤すると、それに応じて人口が増えたりする。だが実際の会社での業績とは連動しない、とのこと。会社員は実社会でこれと同じようなことをしているわけなので、会社で使うというよりは、研修で遊びに使うには良いかもしれない。

リレキューブ 新幹線やバスに乗ったところも表示される もっとも利用される場所やおすすめの場所を提示する
エクフェス。示されるポーズを取る。上にあるカメラで動きを認識する。 オフィスウォーズ。

 「時算機 for iPhone」は、アナログ時計やカレンダーを使って視覚的に時間の計算ができる電卓として発想されたソフトウェア。昨年行われた「時間展」にも出展されていたものを、iPhone上に実装した。使い方やアイデアはほとんど説明するまでもないほど分かりやすい。アナログ時計の針をグルグル回して時間を設定し、間にやるべきことをドラッグアンドドロップすると、自動的に時間を計算してくれるというもの。もちろん逆算もできる。イベントは自由に設定出来る。今後、設定時間に応じて自動的にイベントが要する時間が変動したり、あるいは日常データを積算することで、時間の有効的使い方をユーザーに提案できたりするようになればさらに面白そうだ。

 「アイディアデータベース」は、Twitterのような「つぶやき」を共有するためのツール。Twitterではつぶやきはタイムラインで時間でソートされて表示されているが、「アイディアデータベース」では、つぶやき同士の関連性を線でつなげたグラフで表示する。これによって、それぞれのつぶやきの背景がある程度分かるようになる、という。ランダムにつぶやきを表示することも可能。任意のつぶやきと任意のつぶやきとを、無理矢理ミックスさせたつぶやきをbotが呟くようになったら面白いアイデア誘発ツールになるかもしれない。

 「絵庫録」はランダムにアイコンを2つ提示して強制的に両者の関係を複数人で考えることで、ブレストを活性化させるためのツール。会話は録音されており、任意の時刻の会話に戻って、盛り上がったときのやりとりを確認することができる。

時算機 for iPhone 昨年も出展していた「時算機」をiPhoneに実装 【動画】時算機の動作の解説
アイディアデータベース 【動画】「つぶやき」の背景情報を共有するためのツール 絵庫録。アイコンで強制発想

 「はだしスペース」はリラックスしたいときのためのフットツール。足元に置いた足ツボマッサージ器のような機器を使って、wikipediaのキーワードから生成される一連の画像をぶらぶらと見て行くことで頭を柔らかくしリラックスするというもの。これは安村研の学生ではなく、コニカミノルタテクノロジーセンター株式会社 藤原浩一氏による。あくまで、これの商品化を狙っているわけではなく、プロトタイプをどんどん発想して実装していくというやり方を学ぶ上で作った一例とのこと。

 「ベリーマウス」は、アプリケーションが閉じるタイミングでマウスからベリー風味のサプリメントが出てくるという「一発ネタ」。休憩するタイミングでサプリメントが出されるというものだ。今回は「アプリケーションを閉じる」というアクションを採用しているが、そこは模索中とのこと。

 「コースターさん」は、タッチパネルディスプレイをドリンクコースターにしたインタラクション作品。水のメタファが採用されていて、ドリンクを置くと、底に金魚が集まってくる。またしばらく飲まずに放っておくと、だんだん水が濁ってくる。仕事そのものに役立たせるのではなく、自分だけがちょっと癒されるドリンク置きとして発想したとのこと。金魚はもともと上から見る観賞魚なのでアイデアそのものは面白いと思う。

「はだしスペース」。連想ゲームのように画像が提示されていく 「はだしスペース」の足ツボマッサージ型インタフェース 【動画】はだしスペースでリラックスする様子
「ベリーマウス」 アプリケーションを閉じると、コロッとサプリが出てくる。 【動画】動作の様子
「コースターさん」 【動画】置くと金魚が増えていく

 「Image Depot」は、ネットワーク上を流れるデータのうち、画像データのパケットだけを拾い上げて表示するツール。最近のウェブコンテンツは画像が多い。数字の羅列を見ていても何も分からないが、これならば画像を見ているだけで従業員がどんなサイトを見ているのか分かるので、監視ツールの一つとして使える。これだけ露骨にやっていれば、確かに、下手なサイトを見る人もいなくなるだろう。

 「星屑マッピング」は、ウェブを宇宙、検索語を星屑というメタファで捉えて表示するツール。横軸が検索ヒット結果数、縦軸を時間にして表示する。同じ作者の「ウェブログ覗窓」はブログを自動巡回して表示するツールだが、特に操作することなく、休憩時間になんとなく眺めるというコンセプトで作られたものだという。

 「Starter Map」は過去の履歴をもとに、よく見るサイトを中心に、そしてその周囲にその言葉に関連する言葉から連想される単語を表示するツール。よく見るサイトを自動的にタイル状に表示してくれるブラウザやアドインはあるが、あれと同じような機能だが距離のメタファを使っている点がこれの特徴。現在はまだ生真面目な用途でしか使われてないようなので、より生活に密着した言葉を使った場合にどれくらい使えるのか知りたいところだ。

Image Depot 【動画】「Image Depot」の表示の一例 星屑マッピング
ウェブログ覗窓 Starter Map

 「あいのり」は、仕事に集中したいときや、昼飯前に一気にラストスパートをかけたいときなどに、ネットワーク上で「仕事集中宣言」をするためのiPhoneアプリ。集中宣言には他人も乗っかることができる。上司から「集中しろ」と言われるのではなく、フラットな関係の仲間たちの間で自発的に集中宣言するツールだという。

 「アロマン -Aroman-」は、1日3回程度、気分をリフレッシュさせたり切り替えさせたりするアロマの香りを漂わせるツール。花瓶の底に超音波発生装置が組み込まれていて、定期的に上の回転板が回転し、それぞれのアロマを発生させるようになっている。いま会社内にあっても特に違和感がない。より小型化されたものならば家庭内や、個人の卓上に置くこともできそうだ。

 「DropTable」は時間割型ファイル管理アプリケーションである。主に大学生のような規則正しい生活をしている人を対象にしたもので、ほぼ自動的に、特定の時間帯に必ず使うファイルなどを1つのフォルダにまとめられる。ユーザーがやることは時間割を作成して、そのコマにファイルをドラッグ&ドロップするだけなので、整理が苦手な人でもまず使えるだろう。会社でのプロジェクト管理などにも使えるかもしれない。

あいのり 【動画】「あいのり」を試している様子
アロマン -Aroman- DropTable


(森山和道)

2009/9/28 00:00

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