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(財)日本児童文化研究所と神奈川工科大学、共同で相澤ロボットの復元を開始


 財団法人日本児童文化研究所と神奈川工科大学は7月29日、(財)日本児童文化研究所の初代理事長で通称「ロボット博士」と呼ばれていた故・相澤次郎氏(1903-1996)が昭和34年から製作したロボットの修復プロジェクトを共同で開始すると発表し、神奈川工科大学KAIT工房にて記者会見を行なった。

 故・相澤次郎氏は昭和30年代〜50年代にかけておおよそ800体のロボットを製作。テレビや雑誌、またデパートの屋上やイベントなどで人気を博した。同氏の製作したロボットは1970年に大阪で開催された日本万国博覧会にも登場し、多くの人々の記憶に残るロボットの原型の一つとなっている。

 今回のプロジェクトは、「ゆうばりロボット大科学館」にあった相澤ロボットを再び財団法人日本児童文化研究所が引き取って保管していたものを、動態で復元して、各種イベントなどで見てもらえるものにすることを目指すもの。会見では、9体のロボットが並んだ。まずはこのうち4体を、神奈川工科大学工学部の兵藤和人准教授、そしてロボットメカトロニクス学科の3年生と4年生を中心とした有志8名あまりと、神奈川工科大学の非常勤講師で株式会社MANOI企画の岡本正行氏、アドバイザーとして参加する株式会社テクノロード開発責任者の浅野克久氏らが復元を担当。9月26日(土)と27日(日)に富山産業展示館で行なわれる「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」に出展することを目指す。

大阪万博に出展されたカメラマンロボット「太郎くん」 当時はポラロイドでお客さんの写真を撮影していたという。 モデルロボット「五郎くん」。万博でお客さんたちに呼びかけてポーズをとったという
「りょうくん」 【動画】リンク機構で腕が動く。絵を描くことができたらしい 「ロボJ」
「ロボJ」背面。おじぎをするロボット スタンプロボット「テッちゃん」 空気の流れで人が目の前に立ったことや、紙を置かれたことを検知してスタンプを押す
【動画】スタンプを押す様子 名称不明ロボット。LEDがピカピカ光る スタンプロボット「テッちゃん2」。「テッちゃん」の色違い。こちらは動いていない
秀才ロボット「シュウくん」。両足が動いて歩く シュウくんの右足の内部 背面
ガイドロボット「一郎くん」 かつて羽田空港に置かれていたこともあった 【動画】しゃべって目を光らせて頭をうなずかせる。
一郎の背面

 まず、大阪万博に出展されたカメラマンロボットの「太郎くん」とモデルロボットの「五郎くん」を復活させる。8月18日、19日の2日間でできるだけオリジナルな形での復元を目指す。それと現在もある程度動くガイドロボット「一郎くん」と、スタンプロボット「テッちゃん」を修復する。合計4体が、「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」に出展される。

(財)日本児童文化研究所の理事長 大森順方氏

 (財)日本児童文化研究所の理事長・大森順方氏は「どのロボットも幸福そうな顔をしている。相澤次郎はロボットを愛し、一体二体ではなく、一人二人と数えた。」と特徴とエピソードを紹介。昭和30年代と比べるとロボット技術は飛躍的に進歩しているが、その原点と言えるものが相澤ロボットであり、当時子供だった大人には思い出してもらい、スタイリッシュな最近のロボットしか知らない子供たちには、古いものも丁寧に手入れすることで再び復活できることを知ってもらいたい、と述べた。今後積極的にさまざまなイベントに相澤ロボットを出展していきたいという。相澤ロボットに対する「思いの輪」がさらに広がっていくことを願うという。

神奈川工科大学学長 小宮一三氏

 神奈川工科大学学長の小宮一三氏は「最近のロボットは認識技術なども発達し、より人間に近いものになった。相澤ロボットはその原型。なんとも言えない懐かしさ、一言で言えば『ロマン』を感じる。ロボットというものは当時どういう存在だったのか。人間の友達として、人間と一緒に遊んだりするものだという考え方だったのではないか。目や手があり動く、それが最初のロボットの発想の原型だったのだろう」と述べた。

 学生たちは夏休み中に単位の出ない課外授業として復元作業を行なうことになる。小宮氏は学生たちへの教育効果として期待することとして「初期のロボットの考え方に学生たちは触れることになる。原型はどこにあったのかと考えることになる。それは今日の技術に繋がるものだ。いまは子供たちに元気を与えにくい時代だが、いろいろな経験を積むことで学生たちが良い方向に進むことを望む」と述べた。

株式会社エンターテイメントボウル 小松要仁氏

 株式会社エンターテイメントボウルの小松要仁氏は、今回の復元プロジェクトの企画趣旨について解説した。もともと小松氏がロボットイベント企画に参画している際に相澤ロボットのことを知り、「万博に出展されたこともある歴史あるロボットを皆様の前で見てもらいたい」と考えたことが修復プロジェクトの始まり。そこで財団にコンタクトし、自身が子供のころに見た動く様子を復元したいと考えて修復プロジェクトを提案した。その過程で、ロボットイベントを通じて知り合いであったMANOI企画の岡本氏、そしてアドバイザーとしてテクノロードの浅野氏にも声をかけていったという。

 小松氏は「いまの子供たちに相澤ロボットを見てもらうことで、僕らが子供のころにロボットをどう感じていたのか知って欲しい。また、どうして人間と違うのかといったことから技術に関心興味を深めてもらいたい」と述べた。このほか会見では、修復されたロボットが展示される「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」のチューリップテレビ企画室の高(ハシゴ高)木一英氏も同イベントをアピールした。

株式会社MANOI企画 岡本正行氏。神奈川工科大学で非常勤講師もつとめる 株式会社テクノロード開発責任者 浅野克久氏。アドバイザーとして学生を指導する
「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」をアピールするチューリップテレビ高木一英氏 【動画】「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」ロボット宣伝隊長のMANOIがパロを紹介

 なお「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」後にも、今後、各地の県立美術館等で企画展示が予定されているという。そのほかのロボットに関しては、随時、予算や時間が許すかたちで修復に取り組んでいく予定。同財団には他にも相澤ロボットが大小合わせて、十数体以上あるそうだ。なお復元は、単なる機能復元ではなく、真空管が使われている部分には真空管を用いるなど、部品が調達できる限り、あくまで当時の状態に戻していくことを目指す。

 学生を指導する神奈川工科大学工学部准教授 兵藤和人氏は、学生たちへの教育効果として「ロボットがどう動くのか想像し、それを実際と照らし合わせることで、昔の人の考え方を知ることができる。またプロの人と仕事をすることで技を学ぶこともできる。今日の技術はブラックボックスが多いが、これは仕組みが分かるので非常に良い教材。リレーやタイマーを使って色々な動きを作り出せることや、各種リンク機構も多いに参考になると思う。何度か修復されているので、色々な年代の部品を見る事もできる。何より、作った人の情熱を感じてもらいたい」と期待を語った。

神奈川工科大学工学部准教授 兵藤和人氏 ロボットメカトロニクス学科の学生たちが修復にあたる 復元作業が行なわれる神奈川工科大学KAIT工房
学生たちがものづくりに利用出来る創作活動専用施設 2007年のNHKロボコン出場ロボットも展示されている


(森山 和道)

2009/7/30 00:00

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