「ツクモロボット王国」、リニューアルオープン


 5月23日(土)、株式会社ヤマダ電機の子会社・株式会社Project Whiteは、秋葉原のロボット専門店「ツクモロボット王国」をリニューアルオープンした。場所は旧店舗と同じ、ツクモパソコン本店(東京都千代田区外神田1-9-7)4階。

 株式会社Project Whiteは、2008年10月30日付けで民事再生手続を申請した九十九電機から全事業を譲渡するために、ヤマダ電機が全額出資して設立した子会社だ。3月10日に事業譲渡契約、3月20日にツクモ各店舗をオープンしたが、「ツクモロボット王国」は営業が再開されず、長期にわたり休業していた。「ツクモロボット王国」は、日本初の本格的ロボット専門店として2000年8月にオープン。その後、ホビーロボットや教育用ロボットキットそのほかを販売し、2008年8月には「ツクモロボット運動会in秋葉原万世2008」などユーザーイベントも開催。ロボット関連商品の中核的役割を果たしていた。

 ロボット関連商品の取り扱いで随一の品揃えを誇っていた同店だが、リニューアルオープン後現在の主な取り扱い商品は、近藤科学の二足歩行ロボットキット「KHR-2HV」の他は、株式会社イーケイジャパンのエレキット、株式会社タミヤの工作キットなどに限定されている。だが今後は他社製品についても順次販売を開始し、従来店舗と同等の規模で営業を続ける方針という。オンラインショップも25日現在再開されていないが、近日中に再開の予定としている。

ツクモパソコン本店「ロボット王国」は以前と同じ4Fにある入り口付近から店内の様子
【動画】店内の様子ホビーロボットを実際に操縦して遊ぶこともできる【動画】取材の折にもふらっと入って来てロボット操縦を体験する人がいた

 「ツクモロボット王国」店長の廣田実氏は、「現在の品揃えは以前に比べて半分以下だが、徐々に、できる限りもとに戻していきたい」と語る。「ツクモロボット王国」はこれまで実物のロボットを気軽に見て触れる場所として、秋葉原の観光スポットにもなっていた。海外からの観光客も少なくない。実際に秋葉原の同店に来店したものの、営業していないことを知って落胆する人も多かったという。

「ツクモロボット王国」店長の廣田実氏。以前からスタッフの一人だった。ツクモパソコン本店の店長代理でもある。現在のスタッフ数は3名「KHR-2HV」の組み立て・実演を行なっていた近藤科学株式会社営業部の近藤博信氏

 廣田氏は「現在は商品が少ないので、これまでよりも初心者に近い人たちに向きあうことになる」と述べ、「ロボットを実際に見て、楽しんでもらう場所として営業していきたい」と語った。リニューアルオープン当日は近藤科学株式会社営業部の近藤博信氏が二足歩行ホビーロボットキット「KHR-2HV」の組み立て・実演を行なっており、実際に来店したお客の相談にのっていたが、そのような取り組みも継続して行なっていきたいという。いっぽう、これまでのように、コアなユーザーたちへの場所提供などのサービスも進めていきたいと考えているそうだ。

店内の様子

 ロボットショップの軒数もここに来て一挙に増えた。秋葉原全体で見ると、各ショップをハシゴすれば各社のロボット関連パーツを比較検討して入手することができるだろう。ホビーロボットは、まだまだ知名度そのものが低いのが現状だ。ロボットショップは、一般の人とロボットの接点そのものである。それぞれが品揃えや立地、スタッフなど店舗ごとの性格の違いを活かし、トータルでロボット業界が盛り上がることを期待する。



(森山和道)

2009/5/25 14:39