月刊ROBOTウォッチング

~ロボフェスおよびキャラバン隊の活動をみっちりレポート

Reported by MANOI Producer Okamoto

 皆さんこんにちは、ROBOTプロデューサーのokamotoです。今月の「月刊ROBOTウォッチング」は、前月の夏休み大特集号でも予告しました通り、9月26日、27日に富山県にある富山産業展示館で開催された「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」(以下ロボフェス)の大特集です。大会当日の模様だけでなく、事前のPR活動や搬入の様子など、普段は見られないような関係者限定ネタもご紹介したいと思いますので、どうぞお楽しみに。

 正直に申し上げて、イベント当日のレポートだけなら、本職の記者さん方がお書きになった記事を読まれた方が、ずっと雰囲気が出ていると思いますので、この手のネタがなければ「月刊ROBOTウォッチング」ではありませんよねぇ(ダメな方向に自信アリ)。裏ネタ・暴露ネタを盛り込んでお届けしたいと思いますので、皆様どうぞ笑ってやってください。それでは、今月もMANOI君とROBOT業界をできるだけわかりやすい言葉で、そして、皆さんに近い目線でお届けする「月刊ROBOTウォッチング」、早速ですがスタートさせて頂きます。

 今月最初のネタは、ロボフェスを盛り上げるという目的で全国のテレビ局まわりを敢行した、その名も「ロボフェス・キャラバン隊」のご紹介です。【写真1】はGBS(岐阜放送)で収録した「ぎふチャン・ワイドタワー43」の様子です。左から私、番組アナウンサーさん、キャラバン隊の松田秘書(チューリップTVアナウンサー)です。リビング風のスタジオだったので、すご~くリラックスした環境で収録できました。収録中は【写真2】の様な感じで、アナウンサーさんにMANOI隊長と秘書が絡んでいくスタイルでしたが、一番最初のアクションからMANOI隊長がリハーサルと全然違うことを喋り出して、いきなりのビックリ! スタジオは色々な電波が出ているので、たま~にですが誤作動する場合があります。生放送じゃなくて助かりました。

 岐阜放送さんの次は、高速道路を1時間30分ほど移動してCBC(中部日本放送)にお邪魔しました。【写真3】は控え室の様子です。手前のピースサインがお馴染みの松田キャラバン隊秘書、奥のおじさんがロボフェス事業局の高木さんです。この時期は高木さんも私もイベント直前の準備が大詰めで、どこに行こうが携帯は鳴りっ放し&ノートPCのメール受信もヒッキリなし状態でした……。今から思い返してみても、あのドタバタで大きな失敗が無かったのが不思議なくらいです(笑)。

【写真1】GBS(岐阜放送)「ぎふチャンワイドタワー43」でキャラバン活動【写真2】「ぎふチャンワイドタワー43」の収録風景【写真3】CBC(中部日本放送)「花咲かタイムズ」控え室のキャラバン隊

 【写真4】がキャラバン隊の活躍の場となった「花咲かタイムズ」のスタジオです。松田秘書と同期のアナウンサーさんもいて、収録前から盛り上がっていました。この番組は完全生放送なので、どうなることか心配しましたが、意外にもMANOI隊長も私も珍しくノーミスで乗り切りました。我ながら場数を踏むって言うのは凄いことなんですね~。タレントさんたちが並んでいる本番でも、軽めのアドリブ(テーブルに座る)も披露したくらいです。

 名古屋地区のキャラバン活動はテレビだけでは終わりません。【写真5】はROBOBASE(名古屋市内のロボット専門店)さんに移動しての店頭キャラバンの様子。ここでの内容はTV番組から一転して、皆様にROBOT(MANOI君)を触れていただきながら、ロボフェスをPRしようというもので、キャラバン隊長、ポストくん、ドアラMANOIと豪華な顔ぶれ。名古屋地区ですからね~、一番人気はドアラMANOI君だったでしょうか。少なくとも記念写真の撮影依頼は一番多かったと思います。【写真6】はデモステージを前から見た様子です。お店ですから、当然ながら物販活動も行ないました。

【写真4】「花咲かタイムズ」のスタジオで出演アナウンサーさん達と【写真5】「ROBOBASE」さんでのキャラバン隊活動【写真6】キャラバン隊活動だけじゃありません! デモステージと特価販売コーナー

 そして、【写真7】はキャラバン隊を応援に来てくれたロボットビルダーまさゆき氏の「かりんロボ」(自作)ですが、おもむろに休憩中のドアラに向って右手の飛び道具で攻撃! いいんですかね~、この光景で全ドラゴンズファンを敵にしたと思いますよ……。私も一応、心配になってご本人に掲載の可否を確認したのですが、ご本人曰く「大丈夫なんじゃないの~?」というご返事でしたので、掲載させていただきます。さすがKY度120%! まさゆき氏の太っ腹というか、動じない姿勢に脱帽です。

 名古屋でのキャラバン活動終了後には、関東に戻るどころかさらに遠のき、今度は富山県のTUT(チューリップTV)でロボフェス特番の収録です。何と1時間番組まるまるロボフェス特集だというから驚きなのですが、さらにビックリなのは、番組の司会進行がMANOI隊長なのです……。だ、大丈夫なのでしょうか!?

 【写真8】がその収録風景で、予め用意された台本(セリフ)の秒数に合わせて、それらしい動作を再生させる方式で望みました。そうですね、この方法の場合は収録自体よりも、自分の手持ちモーション(動作データ)の秒数を全て書き出し、セリフの長さに合せてつなげるという、事前の準備作業が大変でした。普通はモーションの秒数は記録してないですからね。よい経験をさせてもらったと今では感じています。

 それから、番組の編集過程では映像とMANOI隊長を合成するのですが、編集作業に使用した画面が【写真9】です。自宅でもテレビが放映されていない時に、このような画面を見かけますが、本来はこういった画像や色のチェックに使うんですね。初めて知りました。ちなみに【写真10】は画面のチェックをしているのは長沢ディレクターです。今回は本当にお世話になりましたので、この場をお借りしてお名前だけでもご紹介したいと思います。ありがとうございました。

【写真7】ドアラMANOIに戦線布告! 乱入「かりんロボ」(まさゆき氏作)!!【写真8】ロボフェス特別番組の収録風景
【写真9】MANOI隊長と背景の合成状況を画面でチェック(編集風景)【写真10】真剣に(当たり前ですが)画面確認中の長沢ディレクター

 最後にオマケ【写真11】です。この写真のパネルはMANOI隊長がレギュラー番組を持っていたという証拠です。残念ながら私も毎回お手伝いした訳ではないので、ちゃんと働いてくれたか心配なのですが、番組のスタッフさんから「OKでした!」とお聞きしてホッとしています。

 そして次がキャラバン隊活動最後のご報告【写真12】です。こちらはSBC(信越放送)の「3時は!ららら」収録後の記念撮影です。この日も生放送だったのですが、今度は直前リハーサルで電波を感知しないという事態に陥ってしまうという波乱があったものの、操縦する私が画面に映ってしまわないギリギリまで近づくことで、何とか無事に終わりました。いや~、この日はマジで青かったです。

【写真11】TUT(チューリップTV)の番組にMANOI隊長がレギュラー出演していた証拠【写真12】SBC(信越放送)「3時は!ららら」の出演者の皆さんと記念撮影

 さ~て、ここからはいよいよロボフェス会場の様子をご報告したいと思います。まず【写真13】は相澤ロボットの展示コーナー全体図。本誌だけでなく、さまざまなメディアに取り上げていただいた相澤ロボット復元プロジェクト発動から、初めての一般公開となりますので、この通りブースもしっかり確保されています。

 相澤ロボットいえばロボット大国ニッポンの元祖ですからね~。私もプロジェクトメンバーの端くれとして感慨無量でした。相澤ロボット・ブースでは、【写真14】の向き合った2体のロボットが、一方で皆さんとの記念写真を撮り、もう一方で希望者と一緒に映る被写体として活躍しました。この形式は昭和45年の大阪万博の再現として、写真を1枚500円で販売させていただき、その収益は全て、今回参加できなかったロボットたちの修復費に使わせていただきます。【写真15】がその説明パネルです。つきましては、この場をお借りしてロボフェスでの収益をご報告させて頂きます。今後も「月刊ROBOTウォッチング」では、相澤ロボットの収益状況を報告するつもりでおりますので、どうぞお知りおきください。

ロボフェスの相澤ロボット写真撮影収入:6万7,000円
今回のイベント費用は、神奈川工科大学およびボランティア有志が負担しましたので、収入は全て次の機体修復費として、株式会社MANOI企画 代表取締役岡本正行が責任を持って保管いたします。

 【写真16】は今回のプロジェクトに参加したスタッフの写真です。さまざまな人の努力と願いが、40年以上前のロボットを動かしたという訳です。ウ~ン、全然ガラじゃありませんが、何だかとってもロマンチックな感じですね。相澤ロボットは、これからもさまざまなイベントに参加して、皆さんの前に登場する予定です。ぜひ楽しみにしていてください。

【写真13】ロボフェス会場での相澤ロボット・ブースの全体図【写真14】大阪万博(約40年前)の再現。記念写真撮影コーナー
【写真15】実は義援金。記念写真1枚500円の説明パネル【写真16】相澤ロボット復元プロジェクトのメンバー紹介

 さて、続いてはロボフェスでの「第16回ROBO-ONE」の様子をご報告させて頂きます。【写真17】は設営前のROBO-ONEブースです。なにもない設営前のイベント会場って広く見えますよね。当日はここが観衆や備品でいっぱいになるから不思議です(イベントだから当たり前か)。そして、【写真18】はリング設営中のROBO-ONEスタッフ。今回のリングは大型ロボット対応バージョンということで、従来の倍以上というもの凄く大きいもので、組立と設置が本当に大変そうでした。何といっても西村ROBO-ONE委員長が自ら手伝っていたくらいです【写真19】。今回のROBO-ONEでも上位入賞機体が素晴しかったのはいうまでもありませんし、そちらについては本誌のレポートでもくわしく報告されていますので、「月刊ROBOTウォッチング」では“目立った機体”に注目したいと思います。

【写真17】設営前(搬入日)のROBO-ONEブース。何もないと広い!【写真18】今回から大きくなったリングを設営中のROBO-ONEスタッフ【写真19】西村ROBO-ONE委員長も自らリングの位置を調整

 【写真20】の中央に一際大きい白い機体が写っていますが、この機体は富山県から初めてROBO-ONEに参加したという南(なんちゃ)さん製作の「エール」です。デカイでしょ~。地元からの参戦ということで観客の期待を一心に背負ってましたが、この機体はロボットSHOP「アールティ」さんが設計&部品製作し、南さんご自身が毎週末に富山から秋葉原へ通って、組立・調整・モーション作成をされたそうです。この大きな機体が歩けるだけでも凄いことなのに、毎週末に富山と秋葉原の移動というのは大変だったでしょう。その甲斐あってか、初参戦にしてみごと予選突破! 予選で見せたホタルイカ漁の演出もナイスでした。地元選手のご当地ネタは嫌味がなくて、審査的にもかなり有効ということが証明されたのかもしれません。【写真21】は「エール」の決勝トーナメント1回戦の様子です。バトルには“場馴れ”も必要な要素なので、残念ながら1回戦敗退となりましたが、この経験は必ず次につながると思います。

 そして、今回の大会ではもう1人のMANOI関係者が初の予選突破を達成しています。【写真22】のアドバイザー内村さんです。彼も間違いなく1つ壁を乗り越えた感じですねぇ。イヤ~、実は不謹慎にも予選落ちしたら、MANOI君ブースを手伝ってもらおうなどと勝手に考えていたので、いささか予定がくるってしまいましたが、彼も今回のROBO-ONEで大きな成長(経験)を勝ち取った1人です。もとより、彼はロボットの性能以上に精神的な影響も大きかったタイプなので、この経験は大財産だと思います!

【写真20】地元富山の期待を一身に集めた、南(なんちゃ)さん製作の「エール」【写真21】残念ながら、初戦突破とはならなかった「エール」の決勝1回戦【写真22】念願の予選突破! を果たしたアドバイザー内村さん

 ちなみに、【写真23】は内村さんと当日物販を手伝ってもらった地元富山のスタッフが、仲良くお食事している1カットです。年齢は内村さんの方が上なのに、完全に主導権は彼女が握っていました(笑)。アドバイザー内村! この方向性にはもう少し経験が必要かも!? ROBO-ONE最後の【写真24】は決勝進出32機による記念撮影。アレ!?「エール」が写っていませんね。どうも“予選突破は無理”と勘違いしていた南さんは、機体を準備していなかったそうです。残念!!

【写真23】アドバイザー内村さんと食事中の地元スタッフ(女性)【写真24】予選を突破した機体による記念撮影

 ROBO-ONEに続いては、MANOI企画ブースをご紹介したいと思います。【写真25】が設営前のブースの様子です。欲張りすぎましたかね。京商に在籍していた時代も含めて最大規模だったかもしれません。しかも運営が私1人という状況でしたので、大会を観にきてくれたMANOIファンクラブの津崎会長が、快く手伝ってくれて本当に助かりました。津崎会長には毎回助けていただいているので、次に会長の地元の名古屋に伺う際は、宴の一席も設けないと足を向けて眠れない気さえしています。

 【写真26】はMANOIブースの完成状態。直線距離で10mくらいはあったんじゃないでしょうか? 今回のMANOIブースは広いので個別にもご紹介いたします。【写真27】は各デモ機体の展示コーナーです。この機体たちがブースやメインステージでパフォーマンスを披露しました。富山での一番人気は、ダントツでMANOI広告隊長でした。さすがにテレビ番組のレギュラー出演やCM出演が効いたみたいで、記念写真は何枚撮ったかわからない状態でした。同じテレビ番組のキャラである「ポストくん」もスッカリ陰に隠れてしまった感じさえしました。

【写真25】歴代最大!? MANOI君ブース【写真26】直線距離で10m以上? これが完成後のMANOI君ブース【写真27】TV、ブース、メインステージで大活躍! MANOI隊長以下デモ機体

 【写真28】は、すっかりお馴染みになった「ロボホッパー」(ラジコンヘリ)の体験操縦ゲームコーナー。来場者に2分間操縦していただき、ヘリポートにみごと着陸した方には「ロボホッパー」を進呈していたので、壁の前にピラミッド状に積んだ機体も、最終日にはほとんどなくなりました。ちなみに、賞品提供は製造元の京商です。そして、皆さんお待ちかねの【写真29】は、“フェロモン系お姉さま”ペインターの吉井真理さん。今回のMANOIブースの中で、ロボフェスのキャラクター「ロボロボ」や、MANOI隊長のボディペイントをご担当いただきました。彼女は富山県のお隣の金沢在住なので、唯一、日帰りスタッフとして頑張ってくれましたが、次に彼女とご一緒できる日程が未定なのは残念です。早く次のお仕事を探してこなければ(笑)。

 【写真30】は販売が11月下旬に決定した「PowerLand」(新バッテリー)のコーナー。ここでは、一日中MANOI GOのブレイクダンスを動画で流しました。9割くらい放置状態になってしまいましたが、GOのインパクトは相当なモノがあるみたいで、ず~っと、画面をご覧になったり、画面を写真に撮ったりしている方さえいました(ビックリ)。ただし、脇に置いたMANOI君の等身大パネルは、来場者に写真を撮って頂こうと思って用意したのですが、こちらはほとんど写真を撮っている方がいませんでした(淋しい……)。この次には顔の部分を丸く切り取ろうかとも思いますが(温泉や観光地によくあるヤツ)、たぶん京商の社長や会長に怒られそうなので、涙を飲んで諦めます。

【写真28】賞品は京商提供の「ロボホッパー」体験操縦ゲーム【写真29】皆さんお待ちかね!? ペインター吉井真理さん【写真30】MANOI GOの映像を常時放映。「PowerLand」ブース

 最後の写真2枚はMANOIブースじゃありませんが、せっかくなのでご紹介したいと思います。【写真31】は「テクノロジア」さんが運営した物販ブースです。写真の様にラジコンからガンプラ、工作キットに至るまで、ロボットに関連する製品が、ずら~っと並んでいました。これだけの品種を揃えるのは大変だったでしょうね~。荒井社長、ご苦労さまでした。【写真32】はテレビの生放送に出演中のMANOI隊長です。実はイベント開催中も3回ほどテレビ収録が入り、本当にMANOI隊長は大活躍でした。この勢いを全国にも広げなければ。今後も“精進”を合言葉に頑張ります。

【写真31】テクノロジアさんの物販コーナー【写真32】テレビ番組出演中のMANOI広告隊長

 それでは、準備や広報活動も盛り込んだ、ロボフェス特集にお付き合いいただきありがとうございました。来月号は今まで私が作ってきたMANOIシリーズ各種の総決算の様な内容になりそうです。イベント活動も10月はほとんど入れていませんし、独立してから半年が経過しましたからね。そろそろ、本腰入れて製品を作らなければです。一応ですが、私もモノ作りが専門ですから……。それでは、これからも皆さんに楽しんで頂けるネタを、できる限りご紹介し続けるつもりですので、今後もぜひご期待ください。ではまた。


 

岡本正行(おかもと まさゆき)
株式会社MANOI企画代表取締役。1965年神奈川県厚木市生まれ。KYOSHOのMANOIプロジェクト発足当時から、企画/開発/品質管理/販売促進等の全ジャンルをカバーするプロデューサーとして活躍。ロボット工学系専門学校と工業系大学の非常勤講師も兼務。ROBO-ONEオフィシャル・ジャッジ。関東ロボット連合事務局長。元KYOSHOロボット事業部マネージャー。



2009/10/23 23:21