月刊ROBOTウォッチング

~全国各地のロボットイベントで奮闘

Reported by MANOI Producer Okamoto

 皆さん「こんにちは!」、ROBOTプロデューサーのokamotoです。10月からの『月間ROBOTウォッチング』は、イベント活動が一息つく時期という事で、今まで製作してきたロボット(MANOI)の“あのロボットはその後どうなった!”的なレポートをお届けしようと思います。

 ここ数年で沢山のロボットを作ってきましたからねェ~。何体くらい作ったか数えた事もありませんが、20体以上であることは間違いないと思います。EXILEのキッズダンサー達と『CHOO-CHOO TRAIN』を踊った『ROBO-TRAIN』だけでも5体、キャラクター仕様のロボも『まるいち』、『めざロボ』、TV番組の専用キャラクター(ポストくん)までありました。

 もちろん、大勢の仲間達の力をお借りして! なので、私だけで作ったロボットは一体もありませんが、1チームでこれだけのロボットを作ったチームは無いんじゃないでしょうか!? しかも数年で! このロボ達は出番が終わっても、ただ次の出番を待っているだけではありません。次の機会に備えて着実に進化しています。今月号では、その辺りもご紹介していくつもりですので、皆さんお楽しみに。それでは、今月もMANOI君とROBOT業界を出来るだけわかりやすい言葉で、そして、皆さんに近い目線でお届けする『月間ROBOTウォッチング』、早速ですがスタートさせて頂きます。

 今月最初のネタは、たった今“イベント活動が一息”とか言っておきながら、10月に幕張メッセで行なわれたホビーショーをご報告したいと思います。一応、私も元KYOSHOのスタッフですし、MANOI君は今でもKYOSHOの製品ですからね~。それにホビーショーにはKHRシリーズの近藤科学や、FUTABA、JR、HI-TEC等のサーボメーカーも多数出展していますから、ご報告しない訳には行きません。

 ただし、数年前の市販ロボットはホビー業界! という図式から、少しづつ変化が始まっているのは確かだと思います。現に流通携帯もラジコンやフィギュアとは違って来ていますしネ。たぶん、これからのロボットは用途が明確化されて、それぞれのジャンルで扱われる時代を迎えようとしているのだと思います。

 ホビーロボットならホビー業界、エンターテイメントや愛玩系なら、当然それぞれの業界で扱われる!という時代に移り変わっていく途中が今なのでしょう。ロボット好きの皆さんには良い傾向だと思いますよ! 実用性がドンドン具現化されて行けば、活躍の場もそれに正比例で増えていく訳ですからね。

 それはさておき、ホビーショーのご報告をしなければ! 脱線ばかりしていると編集長に怒られてしまいそうです……。【写真01】はホビーショー会場の全体写真です。「ウっわー! 人がマバラ!!」なんて言わないで下さいね。これは開演前の風景です(これでも一応は関係者なので開演前に入場できます)。写真の一番奥の方に、赤いハタが沢山写っているのが見えますでしょうか? そこがMANOI君の本拠地KYOSHOブースです。

 【写真02】は正規入場口ですが、こちらも開演前なので写っているのは関係者ノミです。ちなみに今年のホビーショーは台風が関東地方を直撃! した関係で、初日(業者招待日)は例年の半分位しか人がいなかったそうです。私もバス&電車が不通だったので、不謹慎にも「たぶん中止になってるハズ」なんて事を考えながら、バスを待つこと一時間! ついに諦めて、初日は不参加になってしまいました……(MANOI君の出番は無かったのでご安心を)。

 そんな中でもブースを構えていたメーカーの皆さんは、当然ながら“雨にも負けず!”に頑張っていました。【写真03】は私も工作教室やイベントの物販でお世話になっている童友社のロボクラフトとエコクラフト・シリーズ。空き缶とかペットボトルで工作なんてユニークで“今ドキ”ですよね。

 そして、【写真04】は同じく童友社の“科学と実験”シリーズです。このシリーズは定価千円で「シャボン玉メーカー」とか、ピンポン玉を飛ばす「ロボクワガタ」とか、低学年でも楽しく簡単に組み立てられるので、私は結構“お気に入り”です。【写真05】はお約束のキレイなお姉さん! 彼女達はKYOSHO Mini-Z(ミニッツ)ガールズのお二人です。Mini-ZとはKYOSHOが販売する手の平サイズの高性能ラジコンカーの事で、彼女達はレースやイベント会場で盛り上げ役! を担っています。

 今回のホビーショーでは定期的にパラパラを披露していました【写真06】。いつも感じる事ですが、彼女達の様なタレントさん方の勇気と根性って凄いですよね~。大勢の観客の前でダンスを踊るなんで、私には絶対無理!です。皆さんも見たくないでしょうが……いや~本当に感心させられます。

 変わって【写真07】はMini-Zのデモ走行コーナーの様子です。皆さんお気付きになりましたでしょうか? 右から2番目のスタッフは元KYOSHOロボットグループの大道さんです。現在の彼はラジコンの担当として頑張っています! ロボットからラジコンて近い様で全然違いますから、ご苦労はされているかと思いますが、私にとっても元部下には是非優秀な業績を残してもらいたいので、陰ながら応援したいと思っています。皆さんもKYOSHOのラジコンブースで見かけた際は、ぜひ声を掛けてあげてください。本人も喜ぶ事だと思います。ちなみに元ロボットグループの城間さんはKONDO/ROBOSPOTで、沼田さんはKYOSHO秋葉原でそれぞれ頑張っています! 彼らの事も重ねてお願い申し上げます。ぜひ今後も可愛がって上げてください。

 さて、ホビーショー最後の【写真08】は、豊富になったMini-Zのボディ・バリエーションです。私もKYOSHO在籍時代はMini-Zの担当だった事もあるので(初代プロジェクトメンバー)、月日の経つ早さを実感!という感じでしょうか。今はこんなに種類があるんですね~。プロジェクト立ち上げ当初は、ボディを何で発売するか議論に議論を重ねて、GTRとインプレッサに決めたのが昨日のようです。私も年を取ったという事なんでしょうか……。

【写真01】ホビーショー会場の全体図(開演前です)【写真02】台風の直撃にも負けず!オープンされた正規入場口【写真03】私の一番のお気に入り!童友社の工作キット
【写真04】こちらは童友社の工作キット¥1000シリーズ【写真05】“お約束”。KYOSHOのMini-Zガールズのお二人【写真06】Mini-Zガールズのパラパラ・ショー
【写真07】元KYOSHOロボットグループ大道さん。今はラジコンで頑張ってます【写真08】今や!ミニカーシリーズには負けません!!Mini-Zボディラインナップ

 ホビーショーに続いては、冒頭でお話したキャラクター・ロボットの製作状況をご紹介しようと思います。MANOI君をベースにキャラロボを制作する場合、基本的なメンバーと役割はといいますと、企画・仕様・スケジュールの決定が私で、モーションの制作はもちろんモーション・クリエイターのDr.Giyさん、そして、外装の製作・仕上げがアニメイダー柳さんになります。

 それから、雑用で内の次男坊(悠希)や音声担当でタレントの卵さんが参加する事もあります。会場としてはGIYさん/柳さんの自宅から近いので、Robotoma.com(東京都板橋区/以下ロボトマ)を使わせていただく事が多いです。【写真09】は、まさに11月開催の『スーパーキッズ王国』の製作真っ最中! の様子で、やはり会場はロボトマさんです。

 写真の右隅に『めざロボ』君や『ドアラ』の頭部が見えますか? この日は、ついでにMANOI GOの調整作業も同時に行ないました。なかなかメンバー全員が集合できる日は無いですからネ。頻度的には数カ月に一度程度の開催になりますでしょうか。【写真10】の様にGIYさんも柳さんも何時になく真剣? ですね~。

 MANOIレポート(筆者ブログ)にも以前に書いた事がありますが、市販のロボットを活用してキャラロボを製作する場合、私達が最も重要視しているのはホームポジションです。これがしっかりしていると【写真11】の『めざロボ』君のような、およそ人型とは呼べないモノでも大きな変更ナシで動きます。『めざロボ』君は足回りこそYOSHIMURAアルミフレームを搭載していますが、それ以外は純然たるMANOI AT01です(脚部サーボKONDO製4013/電池PowrrLand製Li-Po1300mAh)。こんな形でも全然動きますョ。

 それに形だけではありません! 外装だけでも2kgもある超重量級です。最初の頃(本年2月)の『めざロボ』君はアドバイザーの内村君の調整でしたが、現在は私ごときのホームポジション調製のみ! で問題なく動いていますので、ロボットビルダーの皆さんなら、誰でも対応が可能と思います(私に出来るんだから間違いない!)。

 ただし、今回のキャラロボ製作のメインテーマは、夏休みに浜松科学館で大活躍した『ドアラ』に“バク転”をさせよう!という無謀な試み? でしたので、当然Dr.GIYの出番となる訳です(私には120%無理)。そのGIYさん、【写真12】の様に『ドアラ』を色んな形にさせながら、遂に“バク転”を完成させてしまいました! なんたる力量と言いましょうか、私にはどういう構造で“バク転”ができるのか理屈すら判りません。

 折角ですから、連続画像でご覧いただきましょう。【写真13】から【写真18】です。いや~、もう見事! としか言いようがありません!! もちろん中身もMANOI AT01の4013脚キットそのままです。この『ドアラ』MANOI君ですが、今はお話できませんが、次回は皆さんビックリ(喜んで頂ける?)の展開が待っている予定です。私はお話したい気持で一杯なのですが、一応これでも社会人なので、お約束は守らないと!です。皆さん大変申し訳ありませんが、詳細の発表は次回までお待ち下さい。今回の『ドアラ』MANOI君では、【写真19】のような愛嬌いっぱいの挨拶や、【写真20】のような少しキモイ系のダンスも作りましたので、今のところはここまでという事でお許し下さい。

【写真09】ロボトマさんでのキャラロボ製作・GO調整風景【写真10】何時になく真剣!?Dr.GIY&アニメイダー柳さん【写真11】キャラクター・ロボットの極めつけ!『めざロボ』MANOI君
【写真12】ドアラ調整中のGIYさん。不思議にも本当に珍しく真剣……【写真13】『ドアラ』MANOIの“バク転”1【写真14】『ドアラ』MANOIの“バク転”2
【写真15】『ドアラ』MANOIの“バク転”3【写真16】『ドアラ』MANOIの“バク転”4【写真17】『ドアラ』MANOIの“バク転”5
【写真18】『ドアラ』MANOIの“バク転”6 完成【写真19】愛嬌満点!『ドアラ』MANOIの手を振るポーズ【写真20】『ドアラ』MANOI専用?少しKYなイメージダンス

 次のキャラロボは、先にも少しお話した『スーパーキッズ王国』が初舞台となる、フジTV自身のキャラクター『ラフくん』MANOIのご紹介です。【写真21】をご覧下さい。こう言っては何ですが、『ラフくん』は超! 頭が重い!! です。『ドアラ』の2倍以上もあるので、流石にホームポジション共通という訳には行きません。そのままのホームポジションだと【写真22】の様に、お辞儀(前傾姿勢)をしただけで転倒します。

 この場合は足首のサーボを通常から5度程度後方に移動し、再生するモーョン毎に調整を加えました(ホームポジション変更は私、モーョン調整はGIYさん)。その結果、【写真23】の様なバイバイはもちろん、前後の歩行やラジオ体操まで対応できるようになり、フィジTVイベント関係者さんや『ラフくん』関係のスタッフからも合格点!を頂戴できました(よかった!)。

 ロボットビルダーの皆さんも、最近はご自身のキャラクターやお気に入りのキャラでロボットを楽しむ!というケースが増えているように思います。今回のご報告を参考にしていただけたら幸いです。ぜひ色々な形で、それぞれのロボットライフを楽しんでください。

 それから、これはキャラロボではないのですが、MANOI企画で現在製作中の受付PF君をご紹介しておきます。【写真24】のMANOI PF01は見た感じ普通ですが、写真に写っている手(ミスショットじゃありません)のように、人間または、ある程度の温度がある物体を感知すると、座った状態から立ち上がり挨拶をします。

 さらに、人間を探して、その人に向かって歩き出し、【写真25】の様にぶつかってしまう前に停止して、追加の挨拶を身振り手振りで話した後、その場に座り電源がオフになるという設定になっています。現時点ではテスト段階ですが、ある程度のデータが出揃った時点で皆さんにも公表し、ご自宅で(私達はイベントや店頭で)同様の楽しみ方が出来るようにしたいと思っています。ご興味のある方は、ぜひ動向に気をつけていてください。もちろん本誌でもご報告したいと思っております。

【写真21】新キャラ登場!フジTVオリジナルキャラクター『ラフくん』MANOI【写真22】頭が重い! ので、前かがみには若干の調整が必要!!【写真23】調整後はバイバイも全然問題なし!(歩行・ラジオ体操にも対応)
【写真24】受付MANOI PF01実験機体(鋭意テスト中です)【写真25】人を見つけ立ち上がり、ぶつかる前に挨拶座って電源カットの仕様です

 今月最後のご報告は来年早々に出演が決定した『るくる静岡科学館』(以下静岡科学館)をご紹介します。『静岡科学館』はJR静岡駅の駅前で、交通の便は最高だと思います。

イベントのご案内
会場:るくる静岡科学館
名称:るくるロボットワールド
期間:2010年1/3~2/14

 私は1/30&31、2/13に出演させていただく予定ですが、2/14にはMANOI君のパフォーマンス大会も企画中です。私が行なうステージの内容は、MANOI GOのダンス、ロボホッパーの着陸ゲーム、AT01の体験操縦などを考えていますが、折角の機会なので専用の音声を話すMANOI君も持参しようと思っています、ご都合の合う方はぜひご参加下さい。正月早々にロボホッパーを着陸ゲームでゲット!なんて幸先いいですよね!

【写真26】るくる静岡科学館の正面入口(静岡駅から徒歩一分)【写真27】『ロボットワールド』の会場となる大ホール【写真28】こちらは、当日のデモステージを開催するイベントホール

 今月もお付合いいただきありがとうございました。来月号では『スーパーキッズ王国』(千葉県印西市)のご報告(ガチャピン・ムック・アッキーナ達と競演)や、『ドアラ』MANOIの詳細報告、それにPowerLand電池の発売開始に伴う状況報告(テスト)に加え、完全隠しダマ(隠しネタ)もご紹介できそうです。最近イベントの話が多過ぎない!? というご意見も頂戴していますので、来月はイベント・製品・新企画とバラエティに富んだ内容がお届けできそうです。それでは、これからも皆さんに楽しんで頂けるネタを、出来る限りご紹介し続けマス!来月号にもぜひご期待ください。ではまた。


岡本正行(おかもと まさゆき)
株式会社MANOI企画代表取締役。1965年神奈川県厚木市生まれ。KYOSHOのMANOIプロジェクト発足当時から、企画/開発/品質管理/販売促進等の全ジャンルをカバーするプロデューサーとして活躍。ロボット工学系専門学校と工業系大学の非常勤講師も兼務。ROBO-ONEオフィシャル・ジャッジ。関東ロボット連合事務局長。元KYOSHOロボット事業部マネージャー。



2009/11/20 00:13