月刊ROBOTウォッチング

~2009夏休み大特集【前編】

Reported by MANOI Producer Okamoto

 皆さんこんにちは、MANOIのプロデューサーことokamotoです。今月の「月刊ROBOTウォッチング」は、2009夏休み大特集と題して、前後編でお届けしたいと思います。今年の夏はフリーになって初めての夏休みということで、メチャメチャに忙しかったです。休むどころか寝る時間を確保するのに一苦労でした(思い出すだけでゾッとします)。ボリュームも相当量になりますから前後編になるのも仕方が無いですね。それでは、今月もMANOI君とROBOT業界を出来るだけわかりやすい言葉で、そして、皆さんに近い目線でお届けする「月刊ROBOTウォッチング」、早速ですがスタートさせていただきます。

 さて、最初のレポートは、いよいよ開催が今月末(9月26日、27日)となった「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」(富山産業展示館、以下ロボフェス)のキャラバン隊活動についてです。MANOI君はロボフェスに参加するROBOTを代表して、広告宣伝隊長の重責を担っています。【写真1】は地元富山県はチューリップTVの番組収録前のワンカット。左からMANOI隊長、中央のガッツポーズをしている女性はキャラバン隊秘書の鎌田アナウンサー(秘書は毎回変わります)、そして右がキャラバン隊員の「パロ」君です。

 ロボフェス・キャラバン隊とは、このメンバー構成で全国を回ろうという壮絶な企画です。【写真2】をご覧下さい。鎌田アナに抱っこされた「パロ」君、羨ましい! 私もたまには、こういうシチュエーションはないんでしょうか!? こう言っては何ですが、キャラバン活動中の「パロ」君は、空気を読まずに「ク~」とか鳴いているだけ(そういうロボットです)なのに、こんな幸せな目にあってます(笑)。

【写真1】ロボフェス・キャラバン隊の番組収録前【写真2】秘書(鎌田アナ)にも可愛いがられるキャラバン隊員の「パロ」君

 そして、前半のロボフェス・キャラバン活動での収穫は、意外なことに鎌田アナは「ロボホッパー」(ラジコンヘリ)の操縦が上手いこと。操縦し始めた瞬間に離陸したかと思えば【写真3】、数分後には【写真4】の様に自分の手のひらにみごと着陸。こんなに早く上手くなった人に出会ったことがありません。ロボフェス・キャラバン隊に思わぬ秘密兵器の登場です。さらにMANOI隊長の出番はキャラバン隊だけではありません。【写真5】のようにチューリップTV昼の番組「ハッピータイム」にもレギュラー出演しています。ちなみに、一緒に写っているのはアナウンサーの西さん。チューリップTVの女子アナさん達はみんな感じのいい人ばかりで、一緒に仕事をしていても楽しいです。

【写真3】当日はゲームも開催する「ロボホッパー」に鎌田アナも挑戦【写真4】ラジコン初挑戦の鎌田アナは、どうしてこんなに操縦上手?【写真5】チューリップTVの番組にもレギュラー出演中のMANOI隊長

 さらに、キャラバン隊は夕方のニュースにまで登場するという張り切りぶり【写真6】。まさに富山・チューリップTVはROBOT一色。ROBOTファンなら、もう9月末は富山に行くしかありませんよ。【写真7】のようにキャラバン隊もお待ちしてま~す!!

【写真6】夕方のニュースにもゲリラ出演!? ロボフェス・キャラバン隊!!【写真7】ロボフェス会場ではキャラバン隊もお待ちしてます(秘書は毎回変更)

 今度はガラッと変わってROBO-ONEサッカーの様子をレポートします。私事ですが、前日は富山で夜中までキャラバン活動をしていましたので、当日は会場にたどり着けるのか本当に不安でした(お台場パナソニックセンター東京)。MCがイベント会場に居ないなんて前代未聞ですからね~。無事に到着してホッとしたのが一番の記憶です。

 【写真8】は参加チームの練習風景。ROBOT界の有名どころが顔を揃えてます。その中でも目に付いたのが【写真9】の「四川会3号機」です。このROBOTのどこが目立っていたかといいますと、もちろん素晴しい出来栄えのROBOTなのですが、ROBOT自体ではなく、製作者の網野さん(ROBO-ONE優勝経験者)が朝一で来ていたことです(笑)。別に彼が遅刻の常習犯だと言いたい訳ではないのですが、ただ朝一で会場入りするタイプではなかったので、「今回は気合入っているねェ~」と感心した次第です。

 そして、もう一機目に付いたのが【写真10】の「ガーゴイル」。頭デカイです。解説の先川原さんと2人で、転倒した際に頭でオウンゴールするのを期待しましたが、さすがにしっかりと調整された機体だったので、それは不発(残念!)に終わりましたが、いつかは見てみたいな~と密かに願っています(笑)。

【写真8】ROBO-ONEサッカーの練習風景。強豪が顔を揃えています【写真9】四川会所属、網野さん(ROBO-ONE優勝経験者)の「四川会3号機」【写真10】頭が異様に大きいトリニティのゴールキーパー「ガーゴイル」

 【写真11】は杉浦ファミリーおすすめの「TINYWAVE」。【写真12】からも感じられるとおり、杉浦父も自信満々に「絶対にトリムがズレない」と語ってくれました。ギアの磨耗もあるでしょうから、絶対は不可能でしょうが、そう感じてしまうくらいに保持力があるということなのでしょう。私も興味津々です。実際に今回のサッカーでも上位に入賞してますから、暇が出来たら私も一体作ってみたいかも!?

 そして【写真13】はMANOI君を使った体験操縦の様子です。せっかくパナソニックセンター東京でのROBOT大会ですからね、この機会に一般の方々にもROBOTに触れていただいて、1人でも多くの方にROBOTワールドへ入って欲しいですから、今後のイベントでもガンガン体験操縦は開催するつもりです。

 【写真14】はROBO-ONEの松田リングアナとラウンドガールのお2人(左が青山莉奈ちゃん、右が竹内綾香ちゃん)。本当はラウンドガールだけで撮るつもりだったのですがが、目の前に松田さんがいたので、ついうっかり「ご一緒にお願いします」と言ってしまいました……。そして撮り直したのが【写真15】です。松田さんに代わって、中央にはROBO-ONEの「サトエリ」こと、MCの佐藤衣里香ちゃんに入ってもらいました。やはり記念写真はこうでないと!!

【写真11】杉浦ファミリーのおすすめの機体「TINYWAVE」【写真12】「TINYWAVE」を手に自信満々の杉浦ファミリー父【写真13】MANOI君を使った体験操縦(説明員は我が家の次男です)
【写真14】思わず撮ってしまった松田リングアナとラウンドガールのショット【写真15】佐藤衣里香ちゃんとラウンドガールの取り直しショット

 ここからは、40日間も開催されたロングランイベント「ロボワールド2009」(浜松科学館)の様子をお伝えいたします。【写真16】がMANOI君のブース。このロボワールドのMANOI君の出し物はスゴイですよ、【写真17】をご覧下さい。フジTV系の朝番組「めざましTV」のキャラキクター「めざロボ」(写真左)と、中日ドラゴンズのマスコットキャラクター「ドアラ」(右側)も登場です。もちろん、両方とも版元の了承をいただいて製作したもので、中身はMANOI AT01という代物。「めざロボ」は定期的に希望者全員と握手をしていただき、「ドアラ」はステージ上で参加者のお友達とラジオ体操を披露しました。この様子は中日新聞にもカラーで大きく掲載され、参加者から好評だっただけでなく、コレを目当てに「ロボワールド」に来場したという方も多かったそうです。ちなみに「ドアラ」はロボフェスにも再登場しますので、見逃した方はそちらを楽しみにしていてください。

【写真16】ロボワールドのMANOI君ブース【写真17】中身はどちらもMANOI AT01「めざロボ」と「ドアラ」

 次の【写真18】は皆さんご存じ、ロボ・ガレージの高橋智隆氏のトークショーです。女性型ロボットFTを片手に軽快なトークで参加者を楽しませていましたが、【写真19】の「エボルタ号」もブースで頑張っていました。最近の彼とエボルタ号はまさに“飛ぶ鳥を落とす勢い”ですからね~。このままグングンとBIGになってもらって、ROBOT業界を引っ張って(引き上げて)もらいたいと思っています。他のジャンルを振り返ってみても、1人でも突出したスターが出た時には、決まってその業界全体に活気が出るので、これからも私は全面的に彼をバックアップしたいと思います。「100年に1度の不況なんかに負けてられるか!」です。えっ!? 私が頑張ればですか? いえいえ、私とGIYさんはROBOT界の“お笑いバラエティ”担当なので、全然無理!

 代わって【写真20】がmanoi君と私のステージ風景です。バラエティ担当らしく、30分間をフルに使って、これでもかというくらいにMANOI君達を動かしました。しかも多い日は一日5回以上。ステージ上で思わず「どんだけ出てくるんでしょうね? 私」などと口走ってしまった日もあったような……。浜松科学館様、コレに懲りずぜひ次回もお声掛け下さい。宜しくお願い申し上げます。

【写真18】これからも業界を引っ張れ! ロボ・ガレージ高橋氏のトークショー【写真19】まさに旬!? 「エボルタ号」の綱のぼりデモ【写真20】ROBOT業界のバラエティ系デモ、MANOI君のステージ

 2009夏休み大特集【前編】の最後はイベントではありません。新聞・雑誌、そしてTVでも相当数が報道されている「相澤ロボット復元プロジェクト」のレポートです。もちろん本誌でも先行スクープから密着して皆さんにご報告しておりますが、実は私もこのプロジェクトのメンバーでして、主に部品の調達と予算の確保に活躍(たぶん)しているハズです。【写真21】は都内の保管倉庫から、復元の会場となる神奈川工科大への引っ越しの様子で、この時に40~50年前のROBOTは本当に重いということを実感したと同時に、アドバイザーの内村君は意外にもそれほどパワーがない事も判明!?

 【写真22】は受け入れ先となる神奈川工科大のKAIT工房に無事到着した様子です。KAIT工房は以前KYOSHOアスレチクスヒューマノイドカップ(MANOIの競技会)にも使わせていただいた、云わば“勝手知ったる場所”ですが、いつ見ても白樺林のような白い柱が点在した、デザインの斬新さに感心させられます。皆さん信じられないと思いますが、私は神奈川工科大の非常勤講師もさせていただいております。担当した講習はLi-Po電池にかんする内容で、オープンキャンパスの講習会をさせて頂いたこともあります。我ながら非常勤とはいえ講師なんて、まったくもって信じられませんが、ウソのような本当の話です。

【写真21】倉庫から運び出される相澤ロボット【写真22】神奈川工科大学のKAIT工房に無事到着

 【写真23】はスタンプロボ「テッちゃん」です。現在はシャチハタさんのご好意で、昭和30~40年代当初のデザインと、9月末のロボフェス用のスタンプ(新規・専用)を作成中です。本当にシャチハタさんには大感謝です。当時のモノを復元するなんて、私達には絶対に不可能ですからね。シャチハタさんのご好意がなければスタンプ「てっちゃん」のロボフェス参加は無かったかも知れません。

 【写真24】は相澤ロボットのメカ部分(現状)。これを生徒たちの課外授業として当時の状況にできるだけ復元しようというのが本プロジェクトの主旨になります。【写真25】は、おそらく相澤ロボットで最古と思われる「一郎くん」。何と昭和34年の製作だといわれています。スゴイですね~、私よりも年上です。50年の間に、どこでどう修復(改造)されたのかは定かではありませんが、私達が手を加える必要もなく【写真26】のように目が光ります。さらに、しゃべって首を立てに振るんです。皆さんも実際に見たいでしょう!? ご安心下さい。「一郎くん」もロボフェスに持ち込む予定です(メチャメチャ重いケド)。

【写真23】シャチハタさんのご好意でスタンプ復元中のスタンプロボ「テッちゃん」【写真24】「テッちゃん」の動力部(内部)
【写真25】相澤ロボット最古(おそらく)の昭和34年製作「一郎くん」【写真26】何と50年の時を経て、「一郎くん」は目が光り、しゃべります!

 次にご紹介する相澤ロボットこそが、私達が最も元の形に復元したいと思っているロボットで、名前を「シュウくん」といいます【写真27】。現存する資料で確認する限り、「シュウくん」は歩き、しゃべり、無線で操縦できたはずです。しかしながら、大変残念なことに、そういった関連の部品は内部に見かけることができません【写真28】【写真29】。私が思うに、おそらくは無人の展示ブースに対応できるよう、動力・操縦に関する部品が撤去されたのだと思います。40年以上の歳月が経っている訳ですから、随分と思い切ったことをしたなとは思いますが、仕方のない苦肉の決断だったのではないでしょうか。それ故に私達はどうしても復元したいと願っています。

 ただし、それを実現するには、相当の時間と経費、それに情報も必要となりますので、現時点では手付かずの状態です。ん!? 予算は私の担当なので、コレッてひょっとすると私の問題!? 是が非でも何とかしなければ。いずれにしても、ロボット関係者(愛好家)にとって、相澤ロボットは間違いなく文化財だと思っておりますので、何か情報をお持ちの方はぜひとも私達にご提供ください。絶対とまでは言い切れませんが、出来る限り復元に取り組むつもりです。宜しくお願いします。

【写真27】当時は一番人気だったと言われる「シュウくん」【写真28】元通りに復元したい! 「シュウくん」の内部【写真29】おそらくは受信機!? 今ではもう使わない真空管
【写真30】「ロボフェス」でも活躍する「太郎くん」と「五郎くん」

 2009夏休み大特集の最後にご紹介するのが【写真30】の2体。左からモデルロボット「五郎くん」とカメラマンロボット「太郎くん」です。昭和45年の大阪万博でも活躍した年代もので、「太郎くん」は6万5000枚もの写真を会場で撮影したそうです。実は、この2体は重要な使命を託されています。今後彼らが出演するイベント会場で、希望する方々の記念写真を撮影し、それを500円で販売させていただくことで、「シュウくん」の復元費用を捻出するというものです。撮影に使うカメラは富士フィルムの「チェキ」を使わせていただきます。本来なら当時のポラロイドカメラで撮影したいところですが、残念なことにフィルムが手に入りません(カメラは入手しましたが)。

 「チェキの写真で一枚500円は高くない!?」と、皆さんそう思うかもしれませんが、「シュウくん」復元のために、どうか1つご理解の程お願い申し上げます。会計報告も本誌を通じて行ないたいと思います。彼らの最初の活躍場所は9月26日、27日の「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」です。

 それでは、怒涛の2009夏休みスペシャル前編にお付き合いいただきありがとうございました。間髪入れずに後編もご紹介する予定ですが、そちらもボリューム満載ですよ。芝生でのデモステージやら、3日徹夜のイベント~移動の繰り返しやら、私は本当に人生を楽しませてもらってるかもしれませんね。それに独占レポート(人気アーティストのプロモーションビデオ収録)などなど、ROBOT関係者なのか? 芸人なのか? 最近は自分でもわからなくなりつつありますが、皆さんにも楽しんでいただけるネタをご紹介するつもりですので、ぜひお楽しみに。ではまた。


 

岡本正行(おかもと まさゆき)
株式会社MANOI企画代表取締役。1965年神奈川県厚木市生まれ。KYOSHOのMANOIプロジェクト発足当時から、企画/開発/品質管理/販売促進等の全ジャンルをカバーするプロデューサーとして活躍。ロボット工学系専門学校と工業系大学の非常勤講師も兼務。ROBO-ONEオフィシャル・ジャッジ。関東ロボット連合事務局長。元KYOSHOロボット事業部マネージャー。



2009/9/18 00:00